【概要】
裁判所における手続きのポイントをまとめます。
ちなみに「子の監護者指定」とは、子どもの住む場所を決め、子どもの世話をすることです。そして「保全」とは、すぐに「子の監護者指定」がなされるための場合の申請です。子の安全確保が必要とされる場合に認められます。また「引き渡し」とは、子どもの世話をするために、子の居場所を移動することです。ただし共同養育をする中で単独監護というのは殆どのケースで好ましくないと感じます。そのため、共同養育していこうとする意思を示して子どものために考えていくほうが賢明だと思います。現在の監護者指定とは、片方の親のどちらかになっています。これを調停ならば両方にすべきと主張してもよいと思います。また「離婚調停」という手続きがありますが、「円満(離婚をしない)な形で話し合いをしましょう」という方法の手続きを取ることもできます。なお非親権者である場合に、子どもの意思で戻ってきた場合には、「子の監護者指定」および「子の引き渡し」ではなく「親権者変更」の手続きをすることになります。
【内容】
①申請した者ではなく対象者の居住地の管轄の裁判所になる。
②相手の住所が不明であるときは、相手の弁護士、職場の住所、実家などに連絡する。それでも分からない場合には、弁護士経由で照会する方法と公示送達の2種類がある。
③申立人(請求する側)の戸籍謄本の添付が必要である。
④収入証紙で裁判費用を支払う。
⑤申し立てても1~2か月くらい日程調整に時間を要する。
⑥調停・審判・訴訟(裁判)は、自力で可能だが体力や専門知識も必要である。
⑦配偶者が子の監護をしていないなら、監護している人に対して「子の引き渡し」のみ申し立てる。
⑧相手方に寛容的な親であるかどうか(良い部分を認めているか)ということも書く。
⑨子にとって慣れ親しんだ環境があることが、突然の環境の変化で負担がかかっていることを述べる。
《判例※外部サイト》
《実務※外部サイト》
#3点セット 解説
— RK (@koga_r) 2022年3月14日
監護者指定・子の引渡し・その保全を3点セットと呼んで、連れ去られが起きたら、とにかく急いで申し立てた方がいい、と言われるが、その実態については、まだ曖昧のままなのだということを知る
調停と審判(どちらも非公開)も曖昧 ちなみに「保全」は、調停も審判もどちらも本案可
【現時点での裁判所の運用】
・子の監護の継続性という観点から、連れ去った経緯に至ることが判断されることは殆どなく、連れ去り後の状態について、育児放棄やネグレクトがあるかどうかという点になる。
・調査官調査の結果が重視される。
・子どもの意向については、12歳以上について主にしっかり重視される。
・離婚後共同親権が制定されるまでは、裁判所に共同親権に関する陳述をしても司法判断には影響がなく、その時点での現行法となる。
・親子交流(面会交流)が審判で決まっても履行されないときであっても、強制力がないことが多い。相手の心情が変わることを待つとなれば、間接強制(条項)というわけではなくやんわりと再交渉したほうが再開できる傾向にある。
[裁判所の欠陥]
期日(調停や審判日を指す)では、1.5ヶ月〜3ヶ月間が空くこともある。また20分交代制で十分意見を聞けているという説明もある。しかし、一生を決める内容なのに内容が薄すぎる。これでも事情聴取は十分とされているのがおかしい。しかも多くの法曹界に勤める方は、法定代理人なのに1週間前までに提出を守らない。
↑引用元
▼良い弁護士さんを探す
国立国会図書館にて、判例を検索するとそれなりの案件をこなした方は、名前や考え方が明記されている。
https://rnavi.ndl.go.jp/jp/guides/hanrei.html
▼併合審理拒否
子の監護者指定や親子交流(面会交流)の申立、婚姻費用と離婚調停は併合すると、先に婚費ばかり話しが続いて親子交流が進まない。そのため、管轄が異なるならば併合を拒否したほうが望ましい。
▼調停の参加
信頼関係や前向きな調整のために、調停に参加すること自体が積極的な姿勢であると思われる。代理人(弁護士)だけの出席も可能であるが、代理人の意思を示すわけではないので、調停には本人が参加したほうがよい。
▼離婚調停不成立からの面会交流調停
離婚調停でも親子交流(面会交流)の方法について調書をとってもらったほうがよい。このとき、仮に不成立になったとしても話し合った部分については面会交流調停にて直ぐに話を続けていくことが好ましい。
▼面会交流(親子交流)審判
審判時においては陳述書面を出す。書面ではない場合には、口頭で裁判官に聞かれることもある。当事者双方の調整の場として、意見陳述が尋問として設けられることもある。審判においては家庭裁判所の調査官が立ち会うこともある。
▼面会交流(親子交流)の間接強制
審判の取り決めとして、「程度」という文言が含まれる場合には、交流条件の揺らぎがあるため間接強制に値するとはいえない。また公正証書で取り決めしていれば、そこに間接強制はかけられない。したがって調停で纏まらずに審判移行したときには、日時(月〇回or毎月第▲曜日)、時間(午前□~午後〇)、受け渡し及び引き渡し場所(〇〇駅)など明確にする必要がある。
▼書面
基本的には、期日の一週間前までに提出する。(立場が有利な方は、進行を遅らせるため、わざと当日提出や、後日提出をする離婚弁護士もいる。)相方の虚偽主張が多い場合、論点がずれないようにするために、反論はキリないから全てに対して「経緯は◎◎で、」と細かく書かずに「〜に対しては否認ないし争う」と明記し、本当に主張したいことをはっきりと伝えるとよい。
▼子の引き渡し調停、審判
監護者をどちらか一方に定めることなく、引渡し調停がある。
↑引用元
▼民事訴訟の口頭弁論はweb参加
令和8年5月までに段階的にリモート参加が可能に。
https://www.moj.go.jp/content/001414207.pdf
▼文章作成のアシスト
●pdfからテキスト化(外部サイト)
●pdfからjpg化(外部サイト)
https://www.ilovepdf.com/ja/pdf_to_jpg
※このほかpdfからwordやpowerpoint変換もある。
●ファイルをそのままA/I等で校正(外部サイト)
▼音声からテキスト化
●精度が良い(無償)(外部サイト)
月600時間まで使用可能。またPCなら音声ファイルの取り込み可。
●精度が良い(有償)(外部サイト)
●精度が良い(有償)(外部サイト)
https://weel.co.jp/media/gpt-4v
▼弁護士さんの表現
↑引用元
▼試験的監護(珍しい判例)
東京高裁、令和4年8月10日(令和3年(ラ)第2143号)同意なく連れ去った環境下において、元の環境で試行的な監護養育をした事案。
↑引用元
▼子の監護者指定の運用の見立て
令和6年8月、最高裁判所の所轄である司法研修所において、子の監護者指定・引き渡しの事件に関する新たな手引き(子の監護・引渡しをめぐる紛争の審理及び判断に関する研究)が配布された。しかしこの内容は、不当な連れ去りから守るに乏しい内容であり、連れ去り後の継続性可否のみが注力されているような視点であることから、抜本的な見立てなっていない。「子の監護者の評価において、他方親と子の関係に対する姿勢に関し,消極的な評価を受ける」というペアレントフレンドリールールについては、兼ねてから司法書籍には総合的な考慮事項とはなっていたものの軽視されてきた。別居親と子の関わりを尊重するかどうか改めて記載がなされたものの、寛容性や経済性という評価は従前運用の通り、ほぼ比重は軽いままである。
↑引用元
また、「子が受けられる監護の将来予測のための考慮要素であり、「従前の監護状況の評価がそのまま子の監護者指定の判断に結びつくものではない」とされることから、同居中が良好だった中で子どもの連れ去り(子連れ別居)があったとしても、その状況についてむしろ監護体制が片親になって事実上、関与できる子育て時間が減ったとしても、本来の同居義務を果たす意義が失われているのである。この点は、しっかり主張書面で、従前の監護状況によって子と関係性が継続的に良好なければならないこと、それから別居によって監護体制が不足してしまうこと、父母の協力関係が第一に子ども優先であることについて述べる必要性があると思う。
▼珍しい別居親の婚姻費用支払い免除
審判で不在のまま潜在的稼働能力が未主張となっており、別居親の負担がなくなった。むしろ、欠席によって相互扶助の観点から、逆に相手方が働いている分が算定表から考慮されなかった。
↑引用元
▼子の監護者指定の陳述書
主張書面のような気もするが、参考例を以下に示す。ただしこれだけで人生を左右するために、判断できるような内容ではない。補完していくことが必須。
↑引用元
▼子の連れ去りが違法や問題とされた事案
↑引用元
●相手方書面はわざと別居親を批判するときがあるので避ける方法
●【海外から学ぶ】家庭を壊さない弁護士倫理や裁判官研修を導入せよ