▼概要
一部の弁護士(受任者の利権重視型)によって、親子の別居に伴う医学的知見から親子断絶をアプローチしていく方向がある。弁護士が同居親に対して医療機関に対する通院を進め、診断書の発行によりエビデンスとする悪質なパターンが古くから存在してきた。悪質なパターンとしては、司法の書面の中に医療機関さえも開示しないときがある。その証拠の真偽に問うような書面も存在するが、裁判官としては事実の認否について推測が困難であるため、出された書面に対しては否定するものがなければ、事実として認めざる得ない。しかし診断書そのものが偽造されているケースにおいては、記載事項の真偽について証拠能力を審議する余地がある。親子交流(面会交流)においても、同居親または子ども自身に精神的な不安が強いという決まりパターンで主張し、社会生活をすることが困難になるという主張がみられるようになった。奈良家庭裁判所令和2年9月18日の審判によれば、同居親が裁判手続きを行うことも負担になり、期日後に体調不良になることから、間接交流になった。一方で大阪高等裁判所令和元年11月8日においては、同居親のストレスがあると主張があったものの、子どもが別居親との交流を待ち望んでいたことや、同居親が復職できるまで回復したことによって、親子交流が認められた。
▼詳細
裁判所に対して、診断書の記載内容について真偽の判断を求めたほうがよい。悪質な場合、診断書は合理的ではないものである。一回の受診だけでは、心理的な状態を把握することができないため、一般的には病状確定のためには複数回(大雑把に3~5回)の通院は必要であるし、判断に至った理由が残されていなければならない。そこで、診断書発行におけるカルテ開示を上申書あるいは主張書面に求めることも大切であるし、調査官調査における病院への聞き取り調査を要求したほうがいい。医療機関は、片親の意向しか聞いていないため、そもそも認知バイアスがかかった状態であり、経緯について事実確認がなされていない可能性もある。心的外傷後ストレス障害 (PTSD) と判断されているのであれば、そちらの経緯をしっかり調べるべきでもあるし、その対応についてどのように同居親が対応してきたのかという観点から子供のケアが適切であったかどうか論点になる。また仮に事実だとしても、別居したことが理由に適応障害となっているのであれば、それこそ不適切な親子の切り離しにつながっていることを言わざるをえないし、そのストレス反応に対処するためにも、段階的な親子交流を直ちに取り組むことが子の利益になる。
▼精神疾患
適応障害はICD-10(国際疾病分類第10版)で分類があります。F43.2の中でも、細分化されていきます。診断書によって親子交流にストレスがかかるという主張があるのであれば、客観的に正しい経緯で診断がなされたものなのか事実を明確にすることが求められると考えます。また完璧性があるわけでもないので、診断基準が満たないときもあるかと思いますし、片親だけの状況説明であれば、それに基づく判断材料しかないという実態もあるかと思います。別居後に、子どもが心療内科などに通院するのは、環境の変化に追いつかなかった理由もあるかもしれません。そこで、病名の診断だけではなく、その詳細を把握することが大事なのです。
↑引用元
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▼虚偽と思われる診断書
家族の患者として、他の医療機関の医師の意見(セカンド・オピニオン)を求める権利がある。司法書面で虚偽が疑われる場合には、カルテ開示を要求して他の医師による客観的な意見を求めるように司法にも調整していくことが良いと思う。
▼トラウマ及びPTSDの治療
子どものトラウマとPTSDの治療 (単行本)によれば、PTSDのアセスメントが適切でないにも関わらずTF-CBT(3か月程度の期間で概ね実施)を導入させるような例がある。しかしPTSDの症状がそもそも明確ではなければ、トラウマ経験があったとしても症状の出現がないため日常の生活は維持されちえることもある。この場合には、養育者が心理教育とペアレンティングスキルによってサポートすることが良いと紹介されている。
本来の治療の姿は以下である。
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