【CDについて】
作曲:リピンスキ
曲名:3つのカプリース op10(31:53)
3つのカプリース op27(41:36)
演奏:チェン・シー (vn)
録音:2010年5月28-6月2日 ニューヘブン Morse Recital Hall(イェール音楽院)
CD:8.572665(レーベル:NAXOS)
リピンスキという人の作品、初めて聴きました。正直、名前も知りませんでした。すみません…。
それで、ちょっと調べてみると、活躍時期はロマン派初期、古典派からロマン派へ移行する時代で、出身はポーランド。ポーランド分割の時代なので国家としてのポーランドは存在してはいなかった時代のポーランド人です。
演奏家として大活躍した人物で、いわゆるヴィルトゥオーゾ。晩年には教育やオーケストラ活動、指揮などにも関わっていたとのこと。同時代にはパガニーニがいて、彼からもライバル視されていたとか…。そのようなヴィルトーゾが書いたヴァイオリン曲、思い浮かぶのは、パガニーニ、サラサーテ、ヴィエニャフスキ、イザイといった名前ですね。
さて、聴いてみましょう…。
実際聴いてみると、最初はかなり聴きづらいと感じました。古典派〜ロマン派初期の作品は比較的聴きやすいものが多い印象ですが、なぜだろうと思いました。そもそも私は、無伴奏ヴァイオリン曲にあまり慣れていないからか…、ということかもしれません。でも、何度か聴いているうちに、部分的には面白いメロディが目立つようになって、それらをうまく繋いで、メロディを中心に流れるように組み立てれば、面白そうな気がしてきました。
そう考えたので、他の演奏も聴いてみたいと思ってYouTubeで探しましたが、この曲に関してはほぼ見当たりませんねぇ…。いろいろな表現を聴いて、この作品の実力を理解するにはちょっと材料が足りないかも…と思いました。もちろんChen Xiも立派なヴァイオリニストなのですが、人それぞれの解釈があると面白いので…。実際、リピンスキ自体がかなり忘れられた存在で、パガニーニやサラサーテと比べると、録音の数も圧倒的に少ないですね。
このCDの演奏を聴いていて感じるのは、「かなりテクニカルな曲なのではないか」ということと、その割に演奏効果が出づらいカナ?ということ。同じリピンスキでも、作品29-3のような曲は比較的演奏もあり、超絶技巧がそのまま効果として伝わるため、印象に残りやすのだと思います。しかし今回の作品(Op.10やOp.27)は、かなり技巧的だけど効果がでづらい、「報われない曲」ということかもしれません。
とはいいつつ、なんとなく日常的に何度も聴いていると、慣れて親しみが湧いてきました。op27-2とか、なかなか面白いです。この曲を魅力的に聴かせてくれる、いろいろなタイプの演奏が、いつか聴けるといいなと思いました。このCDはリピンスキという作曲家がいたということを知るきっかけとして、非常に興味深い一枚でした。
このCDから、op27-2 なかなか面白い曲では無いかと…。
このCDにはないですが、op29-3のカプリース。技巧が前面に出る曲で面白いです。
演奏は、ラダ・フェードロワさん。
購入:2026/03、鑑賞:2026/03-04
過去記事のリンクです。


































