チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第3番他 新ハイドン弦楽四重奏団 (1995) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

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学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

 

【CDについて】

作曲:チャイコフスキー

曲名:弦楽四重奏曲第3番変ホ短調 op30(34:54)

   弦楽四重奏曲変ロ長調(1865)(13:12)

   弦楽四重奏のための四つの楽章(6:57)

演奏:新ハイドン弦楽四重奏団(ブダペスト)

録音:1995年10月2-5日 ブダペスト Phoenix Studio at the Unitarian Church

CD:8.550848(レーベル:NAXOS)

 

【曲について】

かなり久しぶりにチャイコフスキーの弦楽四重奏曲第3番を聴きました。ほとんど忘れてました。

 

久しぶりの第一印象は、どこかぼんやりした、雲の中を漂うような感触でした。書かれたきっかけが、亡き人への追悼であり、第三楽章にこの曲の核となる葬送行進曲を含むこと、また感情の起伏が内省的で、穏やかに進行していくという要素も、その印象に関係しているかもしれません。

 

それにもまして、この曲の印象を決定づけるのは、長大な第1楽章でしょう。長い序奏を伴うソナタ形式という、中間の雄大な盛り上がりは、あたかも後期ロマン派の交響曲を思わせるような構築を感じます。

ブルックナー的な弦楽四重奏と言うと、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、そうした響きの広がりを思わせる瞬間もありました。そのような響きの広がりに加えて、チャイコフスキーの美しい旋律美もあちこちで楽しめる曲で、特に第三楽章の葬送行進曲の美しさは特筆すべきものだと思いました。

 

第二楽章はロマン派的スケルツォで軽快。第四楽章は明るく展開するフィナーレですが、第一第三が荘重感が大きいだけにちょっと軽く感じるのもブルックナー的かもしれません。この肩の力が抜けた感じが、重厚さからの解放を感じるか、少し物足りなく感じるかは、時と場合によるかもしれない。

 

そんな美しい旋律もあり、美しい盛り上がりもある、雄大な弦楽四重奏曲。いかにもチャイコフスキーらしさが詰まっている曲だと思います。それほどメジャーではないにしても、隠れた名曲ですね。

 

このCDは、さらに若き日の作品が2つ収められています。一つは、一楽章のみの弦楽四重奏曲で、音楽院時代に課題として作曲したものの、1楽章のみで放置されたもの。ロマン派の華やかなりし時代に、伝統的な弦楽四重奏の語法で作曲した作品ですが、この楽章に全ての物語を注ぎ込んだような面白い曲だと思います。チャイコフスキーは幻想序曲という曲を何曲か作曲してますが、その流れを感じました。もう一曲は、若き日の弦楽四重奏の断片として残っていたものを、後世に4つの楽章にまとめられ、出版されたものです。

 

演奏しているのは、新ハイドン弦楽四重奏団(ブダペスト)。初めて聴く四重奏団なので、久々に聴くこの曲から、この四重奏団の特徴を推し量ることは難しいですが、あまり尖った演奏ではないと思いますが、聴けば聴くほどチャイコフスキーの美しさがにじみ出る感じがしました。NAXOSが採用している演奏団体ということで、堅実でハイレベルな団体。曲の印象をしっかりとらえることができたと思います。

 

 

チャイコフスキーの弦楽四重奏曲といえば、伝統的なボロディンSQが有名ですね。
私も最初に聴いたのはこの録音です。でも、きっと今ではいろんな演奏が楽しめるのだと思います。

 

 

購入:2026/03、鑑賞:2026/03/18

 

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