マーラー:交響曲第6番 ショルティ シカゴ響 (1970) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

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学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

【CDについて】

作曲:マーラー

曲名:交響曲第6番イ短調 (76:37)

演奏:ショルティ指揮 シカゴ交響楽団

録音:1970年4月 シカゴ Medinah Temple

CD:POCL-5124(レーベル:LONDON、原盤:DECCA、発売:ポリドール)

 

【曲に関して】

私の家にある、「新時代の名曲名盤」のこの曲に関する記事には、1970年代には吉井亜彦氏をして、「曲の真価を発揮させた演奏がないと嘆かしめた」と書いてあります。ということは、このCDは1970年の演奏ですから、曲の真価を発揮させていないということですね。しかし、曲の真価って、誰がどう決めるんでしょうか…。

 

【演奏についての感想】

音楽が始まったとたん、これは面白い!というのがこのCDのインパクト。早めのテンポで、サクサク進んでいきます。とても快適で楽しいのでした。そして、打楽器がよく目立ちます。ドンドコ、チンチン、カラカラと…。大変わかりやすくて、楽しい演奏です。そして、音楽が骨太に引き締まって、明るい!いや、ショルティは、かつてのマーラーブームを牽引した立役者の一人でしょうから、マーラーブームってこれだったのか?と今さら思って見るのでした。これぞ、スペクタクルなのです(笑)。

 

このわかりやすさは、第二楽章になっても第三楽章の緩徐楽章になっても変わることはありません。緩みなく進み、緩徐楽章も心地よさを感じます。主題や動機のメロディもはっきりしていて、改めてそういう事だったのかと思ったり、実際、ねっとりと歌われる訳でもないメロディですが、これでムード満点であったりします。何やら軽音楽的なノリで聴いている感じもしますが、ある意味そういう要素もマーラーにはあると思ったりします。

 

第四楽章は、ゆっくりと始まって、盛り上がっていきますが、これも大変わかりやすくて、いろんな音が聞こえて面白く感じます。ショルティのマーラーは今までも何曲か聴いていますが、これが一番面白い?あるいは第6番の性格が、そう聴こえさせるのでしょうか?全体的にとても明るく感じます。第四楽章は、以前聴いたクルレンツィスは、標題的で、「出る杭は打たれる」という言葉を思い出しましたが、こちらは「打たれても頑張るぞ」という感じで、能天気なまでの明るさを感じて、とても楽しいのでした。

 

いや~、面白かった…。

 

【録音に関して】

1970年の録音ですが、音がとても明晰で、これ以上ないくらいの最高の録音に思いました。

 

【まとめ】

大変楽しめました。この曲の演奏は今やいろんな趣向の演奏もあり、思い入れたっぷりのものもあると思いますが、これは振り切れていてハイになれます。好きですね…。

 

購入:2024/01/26、鑑賞:2024/01/30

 

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