フォーレ:ラシーヌ雅歌 他 オールディス指揮 グループ・ヴォーカル・ド・フランス (1983) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

ガブリエル・フォーレ没後100年②

フォーレ没後100年のアニバーサリーに聴く音楽の2つめです。フォーレと言えば、代表作としてレクイエムが有名ですが、それ以外にもたくさんの宗教曲や歌曲、合唱曲があります。このCDにはそんな作品がいろいろと収められています。

【CDについて】

作曲:フォーレ

曲名:①ラシーヌの雅歌 op11 (5:10)

   ②小ミサ曲 (9:49)

   ③恵み深き御母マリア op47-2 (2:36)

   ④サルヴェ・レジナ op67-1 (2:45)

   ⑤見よ、忠実な僕を op54 (2:49)

   ⑥マドリガル op35 (4:05)

   ⑦金の涙 op72 (2:42)

   ⑧小川 op22 (3:39)

   ⑨タントゥム・エルゴ op55 (2:50)

   ⑩タントゥム・エルゴ op65-2 (2:25)

   ⑪タントゥム・エルゴ (1:40)

   ⑫アヴェ・ヴェルム・コルプス op65-1 (3:49)

演奏:オールディス指揮 グループ・ヴォーカル・ド・フランス

   ウバール(org)①-⑤⑨-⑫、トランシャン(p)⑥-⑧、ピエール(harp)⑨

録音:1983年5月9-11日 パリ Temple St. Jean

CD:TOCE-7241 (レーベル:EMI、販売:東芝EMI)

 

【曲について】

このCDの標題となっている「ラシーヌの雅歌」は、ラシーヌ賛歌とも訳されていますが、1865年フォーレ20歳の時の作品で、ニーデルメイエール音楽学校の卒業作品として製作され、作曲部門で一等賞となりました。フォーレ初の合唱作品で、歌詞はラシーヌの「宗教的賛歌」によるものです。明るく澄んだ響きをもった、敬虔な作品です。

 

【演奏について】

清く澄んだ素晴らしい合唱を聴くことができるCDでした。まず、冒頭にラシーヌの雅歌が入っていて、一気にフォーレの合唱の世界へと入っていきます。この曲のメロディなんとなくタンホイザーを思い出してしまいますが、師であるサン=サーンスによる教育の影響もあるのかな?と勘ぐってしまいました。そして、小ミサ曲は、このCDで唯一聴いたことのある曲でした。この、キリエ、サンクトゥス、ベネディクトゥス、アニュス・デイの4曲で構成された小曲はとても美しい合唱曲で、繰り返し聴いて楽しみました。

 

このCDには、宗教曲に挟まって3曲の世俗曲が入っています。この部分だけ、伴奏がピアノになっていて、ちょっと箸休めと言っては何ですが、少し雰囲気が変わります。ただし、曲調はフォーレのそのものではあります。そして、全体の12曲の中には合唱あり、独唱あり、重唱ありとバラエティに富んでいるのも面白いところです。

 

再び宗教曲に戻って、タントゥム・エルゴが3曲。フォーレの作曲したすべてのタントゥム・エルゴが収められています。作品55のタントゥム・エルゴは、ハープが伴奏に入っているのがとても印象的でした。そして、最後に配置されたアヴェ・ヴェルム・コルプスはこの上なく美しい音楽でした。最後まで聴き終わって、しばらくその余韻に浸ることとなりました。

 

【録音について】

全体的に美しい録音とは思いますが、少々高音がきつく感じるところもありました。

 

【まとめ】

フォーレの宗教作品を中心としたCDでした。清く澄んだ美しい響きを堪能することができるものでした。フォーレには、そのイメージからかけ離れた作品は無いと思うので、今年は1年かけて、こんな世界を漂ってみたいと思います。

 

購入:2024/1/19、鑑賞:2024/01/26

 

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