ようやく、2022年中に【スペシャルセレクション】全作品の視聴録を、完了することが出来ました。ただ、収録作は【第1回再放送】~【第4回再放送】の全作品では無く、いくつかを抜き出したものであります。抜き出しには明確な基準というものが無く、Vol.1~4は続き番号、Vol.5~6は主任別とはいうものの続き番号、という枠からは脱していないようでした。

これだと、Vol.を順番通りに観賞していると、「あれ、こんな設定だったか?」と混乱しがちになる弊害は避けられません。そこで、

◎DVD-BOX作品・各話の時代順整理・・・(1)立石班、藤島班の終焉まで 

◎DVD-BOX作品・各話の時代順整理・・・(2)特捜隊最終回まで 

を作成したのですが、急ぎ作成したこともあり、これまた付け加え文章が短く、流れを網羅することが出来ませんでした。

 

そのため、【スペシャルセレクション】全作品をベースに、自分の視聴録、検証本、ネット記事を活用して、その流れを振り返りたいと思います。これはもちろん、自分自身の懐古も含めてのことで、各年ごとの記述となり時間もかかることでしょう。

読まれる方は、のんびりと、気長に、お願いいたします。

 

**************************************

 

※当方は【第1回再放送】【第2回再放送】を未見の状態で、以下本文を作成しています。以下を読まれる方は、この点ご了承ください。

※区分けとしては

(収録回) =東映chで再放送され、DVDに収録された回

(未収録回)=東映chで再放送されたが、DVDに収録されなかった回

(欠番回) =東映chで再放送されず、現存が確認されていない回

としました。

※欠番回については、現在まったく観賞出来る術が無いため、ネット検索、自分の所見やイメージも含めできるだけ記述していきたいと考えています。

※参考文献は、検証本(特別機動捜査隊・物語の検証・羊崎文移著)、リスト特捜隊(テレビドラマデータベース・特捜最前線の項)、wiki(wikipedia・特別機動捜査隊の項)とします。ネット検索の情報は多岐に亘るため出典元は省略、拙稿コメント欄における有益な情報も同様としますが、上記3点を補足しうるものです。

※最近、リスト特捜隊では、「東映の軌跡」(2016/03発行、東映株式会社発行、東映株式会社 総務部 社史編纂担当編集)を引用していますが、当稿ではリスト特捜隊での東映社史と略して、自分の見解を記述しています。

 

1964年から、本格的に立石班以外の捜査班も登場したため、

担当捜査班名も併記する。

 

【1968年】4-6月

 

 

○04/03  (第336回)春の亀裂(未収録回)

#336  春の亀裂【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

・立石班

・wikiによると当作の立石班は、立石主任以下、橘部長刑事、荒牧・森田・岩井田・松山の4刑事である。(R5.9.8、実見してwikiの正しさが実証された)

・ゲスト出演の湊まさゆきは歌手であり、歌手・神戸一郎の実弟。

・ゲスト出演の川上大輔は【第3回再放送】でも時折ゲスト出演、歌手の川上大輔とは同姓同名の別人である。

・(追加・R5.9.8)

ゲストの日野麻子と湊まさゆきは、約1年後の#400 警察官【スペシャルセレクション】でも共演することになる。

・(追加・R5.9.8)

天野利彦監督の特捜隊4作目の演出作品。刑事ドラマの点では、当作以前の作品より、一日の長がある。ただ波があるのは見逃せず、安定感を見せるのは、三船班が登場する時期まで待たねばならない。

 

○04/10  (第337回)鈴の旅路(未収録回)

#337  鈴の旅路【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

・立石班

・リスト特捜隊に、讀賣新聞引用あらすじ有り。

・リスト特捜隊のレギュラー陣には、かつては「岩上瑛」「轟謙二」「南川直」「波島進」「鈴木志郎」「綾川香」とあった。しかし、R5.4.5時点ではwikiにならい、以下のように改定されている(レギュラーに「林寛」とあるのはゲスト出演である)。

・そのwikiによると当作の立石班は、立石主任以下、関根部長刑事、佐久間・桃井・香取・内藤の4刑事であり、(第335回)死の手錠(未収録回)で初登場の3人を、上手く混成させている。(R5.9.15、実見してwikiの正しさが実証された)

・愛媛県八幡浜でのロケ作品。(第344回)光る愛の海(未収録回)と2本撮りか?

・ネット検索したストーリーによると、映画監督、俳優、それぞれの思いを描いたドラマであるが、このプロットは脚本・監督は違えど#121 けだもの【スペシャルセレクション】(収録回)を応用したものといえそうである。

(追加)R5.9.15

・男優・林寛(1971年12月22日逝去)の特捜隊出演の代表作。「栄光と挫折」を経験した元映画監督の悲哀を上手く演じており、主役級(準主役級)の扱いとしては新東宝映画「明治大帝と乃木将軍」(1959年)以来ではないかと推察される。なお、林寛の遺作は#530 懐しのメロディー 殺し屋(本放送・1971年12月29日)となる。

 

○04/17  (第338回)狂った季節(未収録回)

#338  狂った季節【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

・立石班

・検証本185頁にストーリー概略、リスト特捜隊に讀賣新聞引用あらすじ、「加茂良子」の注記、ほぼ全出演者が配役名とともに記載有り。

・wikiによると当作の立石班は、立石主任以下、橘部長刑事、荒牧・森田・岩井田・松山の4刑事。リスト特捜隊のレギュラー「加茂良子」「湊俊一」「山口千枝子」「市川夫佐惠」はゲスト出演、「村上不二夫」は準レギュラーである(R5.4.5時点)。

・また、リスト特捜隊のレギュラーには桃井刑事(轟謙二)とあるが、wikiやネット検索ストーリーでは桃井刑事ではなく森田刑事(北原隆)とあるため、後者に従う。

(R5.9.21、実見してwikiの正しさが実証された)

・かつて、YouTubeに当作の一部映像がupされていたが、精神障害者のさぶちゃん(浅草陣太)の描写がショッキングだったこともあり、削除されたのかもしれない。

(追加)R5.9.21

・「掲示板特捜隊 3」では、怪奇大作戦 第24話「狂鬼人間」(本放送・1969年2月23日)との酷似が書きこみされている。しかし、「60分もの」「30分もの」、あるいは「心理的発症」「機械的発症」の違いも有り、じわじわと怖さを伝える点を評価するなら、当作に一日の長がある。

・その反面、刑事ドラマとしての瑕疵が見受けられるのも事実であり、その点を考慮すると、当作は(+)から(-)までの揺れ幅が大きい作品ともいえる。詳細は、本篇拙稿(2023年11月30日更新)を参照されたい。

 

○04/24  (第339回)愛情山脈(未収録回)

#339  愛情山脈【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

・立石班

・検証本185頁にストーリー概略、リスト特捜隊に讀賣新聞引用あらすじ、「岩城力也」の注記、ほぼ全出演者が配役名とともに記載有り。

・wikiによると当作の立石班は、立石主任以下、橘部長刑事、荒牧・森田・岩井田・松山の4刑事である。なお、リスト特捜隊のレギュラーには桃井刑事(轟謙二)とあるが、wikiやネット検索ストーリーでは桃井刑事ではなく森田刑事(北原隆)とあるため、(第338回)狂った季節(未収録回)に従い。後者を優先した。

→(R5.9.25、実見してリスト特捜隊は誤りと確定した。ここで改めてwikiの正しさが実証された)

・山梨県東八代郡石和町(現・笛吹市石和町)でのロケ作品。

・ゲスト出演の磯部玉枝は、特捜隊初出演。当作の約2年後、「燃えよ剣」(NET、本放送・1970年4月1日-9月23日)の#10,17,21,25での土方歳三(栗塚旭)の愛人・お雪で印象的な役柄を演じたが、「新・だいこんの花」(NET、本放送・1972年1月6日-6月29日)を最後に、女優活動を停止しているとのことである。

(追加)R5.9..25

・本篇拙稿の通り、元持栄美脚本・龍伸之介監督のコンビ作品としては、 #462 幸せになりたい(未収録回)と並ぶ傑作作品と評価出来る。その理由等も含め、詳細は本篇拙稿を参照されたい。開始約12分弱の内容だけでさまざまなことが語れるほど、当作の面白さには厚みがあると評しても良い。

 

 

○05/01  (第340回)霧のような女(未収録回)

#340  霧のような女【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

・立石班

・検証本186頁にストーリー概略有り。

・wikiによると当作の立石班は、立石主任以下、関根部長刑事、佐久間・桃井・香取・内藤の4刑事である。(R5.9.30、実見してwikiの正しさが実証された)

・上記ストーリー概略によると、約5年後に#592 霧の中の 焼死体(未収録回)でリメイクされ、当作は原型作になる。監督は、「原型作=北村秀敏監督」から「リメ作=伊賀山正光監督」に代わっていることもあり、未見ゆえに当作の出来を観てみたい思いを抱く。

・歌手デビューまもない冠二郎の、特捜隊初出演作品。

・ゲスト出演の岩本多代(2020年8月17日逝去)は、特捜隊初出演。当作の約3年前、「新選組血風録」(NET、本放送・1965年7月11日-1966年1月2日)の#23,25では、近藤勇(舟橋元)の妻・つねを演じていた。NHKの大河ドラマで抜擢されるのは、当作の約3年後の「春の坂道」(本放送・1971年1月3日-1971年12月26日)まで待たねばならない。

(追加)R5.9.30

→・当作がDVD収録されたので観賞、そしてリメ作を再度視聴したところ、リメ作の方が「霧」を強調していることで、ミステリアスな雰囲気を醸成するのに成功、原型作(当作)の無駄な肉を削いだ印象であり、ラスト場面を除けば「リメ作>当作」と評価出来る。ただヒロインの妖艶さは、当作の方が秀でており、「黒い乳房」「女獣」の小畑絹子を想起する。詳細は、DVD本稿拙稿を参照されたい。

→・当作とリメ作の共通出演者は、レギュラーでは仲原新二、伊沢一郎、ゲストでは水木梨恵、武田一彦であるが、実見したところ当作での武田一彦は見い出しにくい。

 

○05/08  (第341回)夕映えの中に(未収録回)

#341  夕映えの中に【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

・立石班

・検証本187頁にストーリー概略、リスト特捜隊に讀賣新聞引用あらすじ有り。

・wikiによると当作の立石班は、立石主任以下、橘部長刑事、荒牧・森田・岩井田・松山の4刑事である。(R5.10.03、実見してwikiの正しさが実証された)

・ゲスト出演の岩崎美智子は、後年テレビ東京「レディス4」(1983年5月2日からの放送)にて、高崎一郎・小林節子と司会をしていたことで著名。

→(追加修正、R5.10.03)

上記の岩崎美智子表記はリスト特捜隊からとったものだが、実見すると「岩崎みち子」であり、また「京マリ」なる出演者は表記されていなかった。参考資料にあった記述が誤りであったものか?

・当作の脚本は五条勢津子・寺森満(奥中惇夫)、監督は奥中惇夫であり、ネット検索したストーリーから、#317 秘められた怒り【スペシャルセレクション】(収録回)(脚本・菊地一隆弥、監督・奥中惇夫)に相似している箇所がある。監督が同一のため、五条勢都子オリジナルに(撮影で)手を加えた可能性も有る。

→(追加修正、R5.10.03)

実見したところ、どちらかというと、ラストも含め#318 怪奇の家【スペシャルセレクション】に相似していた。よって、上記箇所に取消線を引く。その相似箇所は、撮影で追加されたのか、脚本にあったのかは不明だが、その箇所は従前どおりとした。

→(追加)R5.10.06

・特捜隊ならではの粗はあるものの、刑事ドラマ、人間ドラマの面でも及第点に有り、ライト感覚のジャッロ作品として傑作の域にあると感じられた。また、本篇拙稿でも触れた通り、脚本の五条勢都子は小川記正のPN(プセウドニーモ=変名)の可能性が有り、相性の良い奥中惇夫監督との組合せが奏功した作品ともいえる。

 

○05/15  (第342回)女と宝石(未収録回)

#342 女と宝石【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

・立石班

・検証本の187頁にストーリー概略、冒頭に本放送日の毎日新聞記事コピー。リスト特捜隊に讀賣新聞引用あらすじ、上記の毎日新聞記事(時価1億円相当の宝石を小道具として撮影に臨んだことで話題になった)引用有り。

・wikiによると当作の立石班は、立石主任以下、関根部長刑事、佐久間・桃井・香取・内藤の4刑事である。(R5.10.08、実見してwikiの正しさが実証された)

・なお、リスト特捜隊のレギュラー陣には、「岩上瑛」「轟謙二」「南川直」「波島進」「鈴木志郎」「綾川香」とあり、さらにゲスト出演者で「生井健治」と混乱をきたしていた(R5.4.5以前)。R5.4.5時点では、レギュラーに「小笠原弘」が含まれているが、ゲスト出演である。

・上記ストーリー概略から、神奈川県相模湖周辺でのロケ作品と推察される。

→(追加)R5.10.06

・天野利彦が監督昇進してからの5作目にあたる。人間ドラマの描写がやや甘く、作品に物足りなさを覚えることになったのは否めない。これをフォローしたのが、ゲストの佐竹明夫の強烈なキャラで、何とか佳作ライン近くまで届いた印象である。詳細は、当稿拙稿を参照されたい。

 

○05/22  (第343回)夢の崩れるとき(未収録回)

#343  夢の崩れるとき【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

・立石班

・検証本188頁にストーリー概略、リスト特捜隊に讀賣新聞引用あらすじ有り。

・wikiによると当作の立石班は、立石主任以下、橘部長刑事、荒牧・森田・岩井田・松山の4刑事。(R5.10.13、実見してwikiの正しさが実証された)

・リスト特捜隊のレギュラーに「石浜朗」とあるがゲスト出演である。

・ゲスト出演の高毬子は、特捜隊初出演。当作の翌年、「プレイガール」(本放送・1969年4月7日-1974年9月30日)の#006-136で、ルナ子を演じている。

・ネット検索したストーリーから、静岡県西伊豆の松崎町ロケ作品と推察される。

→(追加)R5.10.15

実見したところ、会話では「伊豆の松崎」と出てくるが、ロケ自体は西伊豆まで出張はしていない。

(追加)R5.10.15

・特捜隊の個性でもある粗は存在するものの、コンパクトにまとめられた佳作クラスの小品。ただ、特捜隊を、【第1回再放送】から観続けてきた人、当作がまったく初見の人、すでに【第3回再放送】から観続け、遡って当作を観た人、で佳作評価から大幅に伸ばすか、小程度にとどまるか分かれる内容である。

 

○05/29  (第344回)光る愛の海(未収録回)

#344  光る愛の海【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

・立石班

・検証本188頁にストーリー概略、リスト特捜隊に讀賣新聞引用あらすじ有り。

・wikiによると当作の立石班は、立石主任以下、関根部長刑事、佐久間・桃井・香取・内藤の4刑事。(R5.10.16、実見してwikiの正しさが実証された)

・リスト特捜隊のレギュラー陣に、「明星雅子」「江見俊太郎」とあるがゲスト出演である。

・ゲスト出演の明星雅子は特捜隊初出演。宝塚歌劇団から大映女優となり、当作出演時はフリーの立場だった。当作の約2年後の、#451 雨の中の慕情(未収録回)での自由奔放な役柄は印象的。

・リスト特捜隊では、元新東宝女優・高倉みゆきの特捜隊最終出演作とされる。

・香川県高松市、丸亀市でのロケ作品。 (第337回)鈴の旅路(未収録回)と2本撮りか?(R5.10.16、実見して2本併せての四国ロケと判明した)

(追加)R5.10.16

・実見したところ、四国2本撮りの両作品とも、人間ドラマに重点を置いた感が強い。時代の趨勢で、刑事ドラマ一辺倒では、視聴者のニーズを掴めないと感じたからか、カラー作品の時代になり方向性を変えようと考えたからか、興味ある傾向である。

 

 

○06/05  (第345回)濁った大都会の天使(未収録回)

#345  濁った大都会の天使【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

立石班+藤島主任  立石班+藤島班 

・リスト特捜隊に讀賣新聞引用あらすじ、「日高吾郎」の注記有り

・wikiによると当作の立石班は不明確ながら、立石主任以下、橘部長刑事、荒牧・森田・岩井田・松山の4刑事に加え、出演者名で「中山昭二」とある。中山昭二は #327 続 蜜月旅行【スペシャルセレクション】(収録回)以来の出演だが、役柄はそのときの「藤島捜二係長」なのか、当作に一番直近の現存回である#407 雨の中の女【スペシャルセレクション】(収録回)での「藤島捜一係長」なのか、それとも通例通りの「藤島主任」なのかは、【第2回再放送】未見ゆえに現状では不明。

→(追加)R5.5.13

コメント欄うっきんさんより、中山昭二は「藤島捜一係長」とオープニング表記され、笠原刑事(註・こちらはエンディング表記)とともに別件の事件をあたっていたという設定と教示されたことで、これは藤島班の捜査とみなせるため、捜査班形態は「立石班+藤島班」と訂正した。

ということは、ネット検索ストーリーによる(第348回)嵐の中の恋(未収録回)では「藤島捜二係長」表記(註・「一方殺しの動機を掘り下げるために藤島捜査2係長が被害者の自宅を訪ねる」とある)の問題も含め、(第390回)愛の防風林(未収録回)での「藤島捜一係長」のオープニング表記まで同一だったのかという課題が残るが、この点は後日精査のうえ改めて記述する。

→(追加)R5.10.23

実見したため、以下のように、最終確定。

 ●当作の捜査班は、立てこもり事件を所轄署(東赤羽署)の捜査班(統括官、小杉刑事)が対応していたところに、立石班(立石主任、橘部長刑事、荒牧・森田・岩井田・松山の4刑事)に合流するが、別件の麻薬事件を張り込み中の藤島班藤島捜一係長、笠原刑事)が、すでに到着済みで所轄署に協力していた設定である。

 ●中山昭二レギュラーとしては、

藤島捜二係長《 #327 続 蜜月旅行【スペシャルセレクション】

藤島捜一係長《当作・#345  濁った大都会の天使【スペシャルセレクション】

→藤島捜一係長《(第348回)嵐の中の恋(註・【スペシャルセレクション】のVol.7に収録)》

→藤島捜一係長《(第354回)昿野を馳ける女(註・【スペシャルセレクション】のVol.8に収録)》

 の順であり、当作が藤島捜一係長に異動した第1作目とみることも可能である。

 ●当作では、笠原刑事が「藤島」に「係長」と呼びかける場面もある。

→(追加)R5.10.27

#348  嵐の中の恋【スペシャルセレクション】で実見したところ、表記は「藤島捜一係長」であり、ネット検索ストーリーによる「藤島捜二係長」表記(註・「一方殺しの動機を掘り下げるために藤島捜査2係長が被害者の自宅を訪ねる」とある)は、劇中ナレーションの解釈の違いと思われる。

→(追加)R5.10.27

なお、 #327 続 蜜月旅行【スペシャルセレクション】では「藤島捜二係長」、#345  濁った大都会の天使【スペシャルセレクション】(当作)では「藤島捜一係長」である。しかし、その間に異動等のあったエピソードは見当たらない(註・上記で、笠原刑事が「係長」と呼ぶ場面があるのみ)。

・リスト特捜隊のレギュラー「日高吾郎」「浮田佐武郎」はゲスト出演、「村上不二夫」は準レギュラーである(R5.4.5時点)。

・なお、中山昭二の「ウルトラセブン」レギュラー期間は、1967年10月1日-1968年9月8日である。

またwikiによると、エンディング表記には「笠原刑事(伊達正三郎)」「小杉刑事(真弓田一夫)」とある。ネット検索すると、笠原刑事は出演場面が少ないようであり、立石班所属なのか、「藤島」配下での登場かどうかは、【第2回再放送】未見ゆえに現状では不明。小杉刑事も、演者が三島耕→柴田秀勝と続いた3代目小杉刑事なのかも不明。これを反映してか、リスト特捜隊では「伊達正三郎」をレギュラーにしている(「真弓田一夫」はゲスト出演、R5.4.5時点)。

・コメント欄うっきんさんより、笠原刑事は藤島班所属、真弓田一夫演じる小杉刑事は所轄署刑事であり、過去の特捜隊小杉刑事(初代=三島耕、2代目=柴田秀勝)とは無関係であることを指摘されたので、取消線を引く。(追加・R5.5.23  実見したところ、うっきんさんの指摘が正しいことが明らかとなった)

上記での不明点が多いことから、(第348回)嵐の中の恋(未収録回)を、便宜上(一時的に)「立石班+藤島主任」とする(R5.10.28に実見したところ、「立石班+藤島班」と訂正したため、上部に取消線をひく)

・なお、伊達正三郎の「ジャイアントロボ」レギュラー期間は、1967年10月11日-1968年4月1日である。

・当作は、約5年後#629 美しく生きたい(未収録回)でリメイクされた、原型作である。両作に出演の美弥たか子は、原型作(当作)ではある人物の愛人、リメ作ではトルコのマダムを、それぞれ別役で演じている。

(追加・R5.10.23)

・実見したところ、刑事ドラマとしては。原型作・リメ作とも一長一短あるが、人間ドラマの点ではわずかながらもリメ作に魅かれたことも有り、「リメ作 ≧ 原型作」の評価となる。詳細は、本篇拙稿を参照されたい。

 

○06/12  (第346回)若者の橋(未収録回)

#346  若者の橋【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

・立石班

・検証本189頁にストーリー概略、リスト特捜隊に讀賣新聞引用あらすじ有り。

・wikiによると当作の立石班は、立石主任以下、関根部長刑事、佐久間・桃井・香取・内藤の4刑事である。(R5.10.25、実見してwikiの正しさが実証された)

なお、かつてはリスト特捜隊のレギュラー陣には、「岩上瑛」「轟謙二」「南川直」「波島進」「鈴木志郎」とあり、ゲスト出演者に「生井健一」「綾川香」とあった(R5.4.5以前)。R5.4.5時点では、レギュラーに「綾川香」が加えられ(「生井健一」は変わらず)たが、「西川敬三郎」「松川純子」はゲスト出演、「村上不二夫」は準レギュラーである。

・ゲスト出演の井沢八郎(2007年1月17日逝去)は歌手で、特捜隊初出演。当作の約4年前の「あゝ上野駅」のヒットは著名。

(追加・R5.10.25)

・探偵小説「カナリヤ殺人事件」(ヴァン・ダイン原作のファイロ・ヴァンスものの第2作)に影響を受けたと思われる作品。ただ映像化の難しさもあるのか、トリック見破りの検証に「粗というよりもボーンヘッドに近いもの」があるのが欠点。ただ、全体としては、「刑事ドラマとしてのアリバイ、犯人探し、人間ドラマとしての男女の機微が描かれ面白い部類」といえる。

 

○06/19  (第347回)ゆきずりの女(未収録回)

#347  ゆきずりの女【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

・立石班

・リスト特捜隊に讀賣新聞引用あらすじ、「松風はる美」の注記有り。

・wikiによると当作の立石班は、立石主任以下、橘部長刑事、荒牧・森田・岩井田・松山の4刑事。リスト特捜隊に、レギュラー「松風はる美」「山崎猛」とあるのはゲスト出演である。(R5.10.27、実見してwikiの正しさが実証された)

・「掲示板特捜隊 6」やネット検索のストーリーから、当作は、約5年後#630 声なき女 ある娼婦の詩(未収録回)でリメイクされた、原型作である。両作に出演の藤本三重子は、リメ作では主人公のホステスを演じている。原型作(当作)では、そのホステスを演じたのは、藤本三重子か松風はる美のいずれかということしかわからない。

→(追加)R5.10.27

実見して、藤本三重子が原型作・リメ作とも、主人公のホステス(同役)を演じたことが判明したため、上記の一部分に取消線を引いた。

(追加・R5.10.27)

・リメ作を佳作以上の出来とすれば、原型作は傑作に近い出来であり、高いレベルでの「原型作 > リメ作」の評価。田中秀夫監督が、ストーリーに重点を置いた技巧溢れる人間ドラマとして仕上げ、藤本三重子が過去に傷を持つ哀しいホステスを抒情的に演じたものである。これをフォローしたのが、被害者を演じた野々村潔で、当作はこの3人によって成り立ったといっても良い。

 

○06/26  (第348回)嵐の中の恋(未収録回)

#348  嵐の中の恋【スペシャルセレクション】  VoL.7の収録回

立石班+藤島主任   立石班+藤島班

・wikiによると当作の立石班は、立石主任以下、関根部長刑事、佐久間・桃井・香取・内藤の4刑事に加え、出演者名で「中山昭二」とある。ネット検索したストーリーから、役柄が「藤島捜二係長」と判明。立石班所属として登場したばかりの3刑事(関根・佐久間・香取)、古参の立石班刑事(桃井)、特捜隊復帰後は立石班所属の刑事(内藤)という設定から、藤島捜二係長は立石班への単独アシストの可能性が高いとみられるため、便宜上「立石班+藤島主任」とする

→(追加)R5.10.28に初観賞、上記の全面的改定が必要のため、全文取消線を引く

実見したところ、当作の立石班は、立石主任以下、関根部長刑事、佐久間・桃井・香取・内藤の4刑事に、藤島捜一係長が藤島班刑事(川田信一)と立石班捜査に協力する設定てあった。よって、「立石班+藤島主任」「藤島捜二係長」を、「立石班+藤島班」「藤島捜一係長」と完全訂正する。

・なお、リスト特捜隊のレギュラー陣には、かつては「岩上瑛」「轟謙二」「南川直」「波島進」「鈴木志郎」「綾川香」とあり、ゲスト出演者に「生井健夫」とあるなど(R5.4.5以前)、混乱をきたしていた。R5.4.5時点では、レギュラーに「笹川恵三」とあるが、ゲスト出演である。

・ゲストの高石かつ枝は、特捜隊初出演。ネット検索から、当作のストーリーは病院を舞台としたものである。この点で、1962年、松竹映画にて「愛染かつら」リメイク(脚本:富田義朗、監督:中村登、出演:岡田茉莉子・吉田輝雄)の際、主題歌「旅の夜風」を担当したことや、主人公の看護婦の役名が「高石かつ枝」であることから、当作に抜擢されたと考える。

(追加)R5.11.1

・前述した松竹映画「愛染かつら」ではないが、戦前松竹版の「暖流」を意識した構成のもと、天野利彦監督が特捜隊を手の内に入れつつあると思わせる作品。「思いがけない拾い物の逸品」の印象が強く、歌手・高石かつ枝の起用が大きくプラスに働いたと考える。詳細は、本篇拙稿を参照されたい。

 

 

以上のようになります。

「ウルトラセブン」「ジャイアントロボ」が終了または終了に近づいたこともあり、「藤島主任」を演じた中山昭二、笠原刑事を演じた伊達正三郎が特捜隊に復帰する雰囲気が漂うキャスティング作品が目立ちます。

あるいは、後年リメイクされる原型作もいくつかあり、#284 こどもの暦【スペシャルセレクション】(収録回)以降のカラー作品も定番化したこともあり、ある意味良作に恵まれた時期ではないかという印象です。

ただ、自分自身が未見のため確定した見方とはいえず、やはり、未見の作品を観賞・視聴したい思いに駆られます。。。