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2024年1月追記
このテーマは後年さらに深めた関連記事が有りますのでご参考ください。
お役立ち度 ★★★★★
「接触不良」なんて死語になっていたはずだけど・・・
プラグをジャックに挿したら信号が通じてあたりまえじゃないか!
だってそうだろ、金属同士つながったら、そりゃ電気だもん 流れるさ・・・
学校で習う「常識」、それが間違いのはじまりだ。
「金属同士接触させれば電気を流す」・・・本当ですか? そんな事誰が決めたんでしょうか、「流れません」と答えたら×ですか? 本当にそうですか・・・・・・・・・?
ミニプラグ(ステレオタイプはさらにひどい)で、「あれっ接触が悪いカナ」と抜き差した。
「片耳の音が出なくて、プラグを抜き差ししたら直った。・・・誰でも経験するあのイヤな接触不良、こいつは一体何だ?
ましてやココからマイク電源でも取ろうものならハチャメチャだが・・・
某A社や某B社の「高級品」ならダイジョウブという人も居たりするが、そういうのは「目クソ・鼻クソ」の差程度の話、
試しにそれを使って「プラグインパワーのマイク」で重要録音中にマイクのミニプラグにさわってみる自信がありますか?・・・
↑こんな部品に「信頼性」など微塵もない、音がでたらそーっとしておくだけだ。
これは構造上の問題、金の無垢材のプラグとジャックにでもしない限り絶対に問題を起こす。Shinさんは最初から信用していない。
特にこの円筒形のジャックなど内部寸法・勘合具合など最初から話にならない不良品。
昨年、こんないいかげんなパーツをめぐったトラブルで身ぐるみはがされそうになった経験を持つ私。
この規格は「小型単投プラグ」として1950年頃からあったが、当時ここに差し込まれるのは「クリスタルレシーバー」 が主だ、非常にインピーダンスが高く電力を必要としない、差込ジャックが多少接触悪かろうがお構いなく「正常な音?」を出す。
このタイプのプラグ・ジャックで不具合が生じ始めたのは1950年代後半、「トランジスタラジオ」の普及により「音は良いが保存性の悪いクリスタルレシーバ」から、レシーバ(イヤホン)の差込でSPと簡単に切り替えられる耳孔型マグネチックレシーバ(8Ω前後)に変わったころから現れ始めた。
特に1979年SONYウオークマンの登場以降この問題がクローズアップされ始めた。
それまでは、大型ヘッドホンを使った音楽鑑賞はあったがあくまでもスピーカに対する消極的な代替、イヤホン・レシーバのたぐいをメインにしてステレオ音楽再生を楽しむ文化は世界のどこにも存在しなかった。
使用されたプラグ・ジャックもウオークマンでは従来のT・S形式を3極のステレオタイプ(T・R・S)とし、オープンエアの小型ダイナミックヘッドホンでの鑑賞スタイルとし、それがファッションの一部になったことは歴史的エポックとして有名である。
ところが、こんな小さいプラグ・ジャックをT・R・Sとして「電力を扱い、3点接触としたことでリスクは増えた。インピーダンスも32オーム前後」、当然ながら不具合は誰でも経験しながらみんなあきらめていた。
規格もあいまいなまま、国内外各社からカセットステレオと小型オープンエアヘッドホンがあふれ、「接触不良」の機会は益々増えた。
【1つ目は形状・寸法不統一の問題だ】
この「ステレオミニ」の規格は世界的には全く統一されていないので僅かな位置ズレ、勘合具合が問題を起こす。
JIS規定はされたものの市場の様子はハチャメチャ、これでは片手落ちだ。
【2つ目はやっかいな化学と物理に挟まったこれだ】
同種であれ異種であれ2つの金属間には電流を流すと界面障壁が存在する。
①酸化皮膜 (空気・・・酸素が引き金)
②異種金属接触腐食・ガルバニック腐食・局部電流腐食 (水分などが引き金)
どちらでもない場合でも金属組成の違いを乗り越えてもう一方に電流を流すためには非直線領域を通過する必然性からほぼ半導体を介して接続されるようなもの。
これはアノード電位、もう一方をカソード電位という固有の金属固有の単極電位の違いにより必然的に存在するが、テスターなどでこの電位を確認することは出来ない。
しかし2種金属間で必ず発生するプロセスだ。
それでもプラグを回転させたり、傾けたりするとキレイに聞こえるポイントがある、そんなこんなで時が流れた。
次の悪魔のシナリオは1992年鳴り物入りで誕生した「MD」録再機だ、これには「プラグインパワー」方式が初めて採用された外付けマイクが奨励され、このチャチな「ステレオミニプラグ」に直流が供給されてしまった、SONYは二重の誤りをこの世界に持ち込んでしまったのだ。
その後、それに輪をかけたのはWindowsPCの急速な普及だ。
「サウンドブラスター」のマイク入力にこのプラグインパワーが採用されてしまった。
ECMの接続法としては従来になく簡便なため、この方法は一気に普及してしまった。
しかし位相問題を考えてほしい。
【これは悲惨な最悪プロセスだ】
直流を重畳(ちょうじょう)させれば当然ひどいことになる、一般に云われる「プラグインパワー」タイプのマイク入力方式(ミニプラグ・ジャック使用)はユーザー全員が不具合を経験する欠陥方式。
「部品不良だ」と片付けようとするが、そうならば元々ミニプラグ・ジャックというパーツの存在そのものが「不良」だ。
これらはどんな高級なプラグ・ジャックを使おうが確実に「接触部の不安定」は強烈な雑音として現れる。
しかも対策法は原理的にありえない、使いたければ使うだけ、クレーム・返品禁止の世界。
もう1度云う、「A社のものB社のものならプロが認める高信頼性だから大丈夫」などというのは幻想は必ず裏切られる。
プロは個人的に使うことはあっても商用・本番では使いません。
(□yaide電気、ノイトリック、アンフェロール、みな50歩100歩です)
あなたはこんな接触部に大切な信号を委ねられますか?
こんなイイ加減な電気接触でまともな信号伝送などできるはずがないでしょ。
こんなモノに「プラグインパワー」だとかいって直流を重畳したらどうなる?
そーーっとしておいても、いつか導通はなくなる・・・それが原理原則だ。
小学校で理科のお勉強したよね・・・
【最後に「一般型パナ改」の問題点】
プラグインパワー形式ではないが、バッテリーBOXからECM電源を供給する「一般型パナ改マイク」もまさしくそうである。
パナ改の優秀性は誰しも認めるところだが、このままのシステムでは完璧を狙うことはできない、さりとて理想のステレオミニプラグも有り得ない。
【そして】
一般パナ改マイクにはこのような致命的欠点があるので「何がなんでも進化させねばいけない」、と私を「ファンタム式パナ改マイク」の実用化へ突き動かした大きな原因となったと云ってもよい。
その結果「ファンタム式パナ改マイク」はこの問題を完全に解決したばかりでなく、高電圧でFET差動回路を動かす為オペアンプICでは得られない高音質を以って一般型パナ改マイクでは手の届かないところまでグレードアップした別物に仕上がり、音響現場、演奏者、マイクロホンメーカー、クラフト・ファン、研究者の間で噂のマイクとなっている。
2種金属同士も「面接触」として「接触面積」を増やせば「多点接触」となり接触不良リスクは桁違いに減少できる。
接触面積の点で、超ミニプラグ・ジャックよりもミニプラグ・ジャックが、 ミニプラグ・ジャックよりフォンプラグ・ジャックがそれぞれ接触不良の点では有利ではあります、
しかし、このような点接触のプラグ・ジャックに比べ面接触であるXLRコネクタの高安定という歴然とした差となって現れるのです。
ミニXLRコネクタですらミニプラグなどとは比較にならない安定性です。
その昔、電電公社への機材納入の際「立会い検査」(受け入れ検査)が有り、前日は110プラグを「鹿角粉」で磨いていたのを思い出した。
それでも納入後しばらくすれば「障害」は確実に発生する、これは宿命だ。
ミニプラグに限らずこれは「単投プラグ・ジャック」の宿命的欠陥である。
銀のリッツ線、LC-OFC線を使ったプラグケーブルを求めてジタバタしてもプロセスが違うから何の役にも立ちません。
高級金メッキプラグや有名メーカー品を使うのは、自由だが「プラグとジャック」で一対である以上信頼性を求める事だけはお門違いだ。
以上
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