2507:(緊急レポート)コンデンサマイクが光でノイズを発生する。(非電磁波問題) | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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管理人Shinは知財保護において個人による「特許」のようなものを好まず、「全公開」を旨とします。(巻末詳細)

 


 

 TODAY'S
 
このショッキングな事実を信じられますか?

「MEMSマイクの光電作用」は 記事:2313でご報告済み、今回は一般コンデンサマイクについてレポートします。

 

 

 

しかし、信じても誰も救われることのない極悪プロセスです。

 

結論として残酷な事実だけを突きつけてきました。

 

(無断転用厳禁)©2009ー2025 Shin's PA workshop. All rights reserved.

(実験結果および、図表・データ・写真の無断窃用は固くお断りします)

 

 

 

 

「電磁波」問題ではありません

 

「電磁波」などと関連付けて考えられがちですが、それとは真っ先に明確に切り分けることから始めた実験です。

 

電磁波・電界・磁場・磁界などEMC的な「電磁的ふるまい」とは一線を画す物理現象であることは、実験結果からおわかりいただけます。

 

答えは1つですので、皆さまの持ち場での活発な議論と何よりもご自身での簡単な実験が、この謎を解き明かす重要ポイントになると思います。

 

くりかえしますが、「電磁的」な想定を持ち出すと、問題解決の「迷路」に侵入し、結論も原因も別方向に飛んでいってしまいます

それは、たとえれば「接触不良じゃないの?」と同列です。

よろしくお願いいたします。 (Shin)

 

 

 

(極悪である理由)

1.電気的ノイズときわめて混同しやすいがあくまでも光ノイズ

2.コンデンサマイクだけの現象である。

3.点灯方式・調光方式を変えない限り対策はできない。

4.調光光は従来型照度計では測定できない。

5.どんなに静かな空間でも発生する。

6.アースしても、シールドしても防げない。

7.マイクロホンに対し光を遮断すれば止まる。

8.マイクロホンの向きを変えれば止まる

8.照明を切れば止まる。

 

 

 これを知ってしまうと思いも寄らずやっかいなことになる。


 

 

 

 

コンデンサマイク20本の光ノイズ検証実験

下表は 記事:2313と併用すると、より実態がわかります。

 

★電気・電磁プロセスではありません

物理的遮蔽物=黒色の厚下敷きによる光の遮断を適宜追加して確認しており「電磁的=EMC」障害とはプロセスが明確に異なります。

 

(値は筆者による10段階相対評価です)

 

 

これ以外のあらゆるコンデンサマイク共に大同小異であると推察します。

 

この表はJpeg画像です。

クリック拡大又は「名前を付けて画像を保存」が可能です。

 

 

 

テストに使用したコンデンサマイク

業務用コンデンサマイク20本

これ以外、あらゆるコンデンサマイクとも大同小異であると推察します。

 

 

 

 

(調光ノイズ PWM調光の実態)

PC画面は 20Hz~100kHzを表示

★電気・電磁プロセスではありません

 

調光光を受けて盛大にノイズを発生する SONY C-38B

 

 

 C-38B

「LEDライト(調光モード)によって実験を行いました」

青丸の部分、PWM調光波、267Hzのファンダメンタルを持ち、可聴域に多くの高調波を含むひずみ波。第9調波が2350Hzという可聴域の中心を汚す極悪ノイズを観測した。(振幅巾:50dBp-p、画面上の小さな数字1~9は高調波の次数です)

 

:「ーーンというトガリを持った音。

そしてマイクの向きを光からわずかでもそらせば消える。

黒下敷きを挟めば完全に消える。

 

つまり、電気的なノイズではなく、光由来のノイズである重要な証しです。

このことは繰り返し述べても、また「電磁波が・・・」という話にすり替わってしまいます。

 

 

 

 

(C-38Bで検出された267Hzノイズの基本波波形)

マイク出力に現われた積分波ノイズ。LEDライトのPWM調光波による波形、つまり「調光光」をマイクロホンが拾っていることが容易にわかります。

 

 

 

 

STEP.1調光(PWM調光)LEDライトテスト

 

「LEDライト(調光モード)によって実験を行いました」

PC画面は 20Hz~100kHzの広帯域を表示しています。

 

 

SONY C-38B 

冒頭のレポート参照

 

 

 

 

AKG C-451B おなじみシゴイチもこの通り

*20cm点 点灯 21,000lux   調光(測定不能)

 

 

 

AKG C-414XLⅡ  JAZZの優等生だって撃沈。

*20cm点 点灯 21,000lux   調光(測定不能)

 

 

DPA 4006A     クラシック録音の雄もあっけななく破綻

*20cm点 点灯21,000lux   調光(測定不能)

 

 

 

 

STEP.2未調光LED電球テスト①


2種類(パナソニック・アイリスオーヤマ)のLED電球光を10cmの距離で当てた定番マイク4本の出力波形グラフは20Hz~100kHzの広帯域を表示しています。

 

 

他のマイクについては冒頭のEXCEL表を参照

 

 

 

 

STEP.3未調光LED電球テスト②

 

グラフは 20Hz~100kHzの広帯域を表示

測定上同一距離で指示値をLux換算した

パナソニック (受光点照度:5900lux)

アイリスオーヤマ(受光点照度:4800lux

 

 

・したがってパナソニック、アイリスオーヤマ両者の間にはこのわずかな差があることを前提とします。

 

・電球とマイクロホンとの距離 約10cm)

 

 

 

① SONY C-38B

 

(パナソニック)  

ザワツキを感ずる

 

 

 

(アイリスオーヤマ) 

「ジリジリ」音

 

 

 

② AKG C-451B

 

(パナソニック)   

ややハムっぽくザワツキを感ずる

 

 

(アイリスオーヤマ) 

「ジリジリ」音

 

 

3.AKG C-414XLⅡ

 

(パナソニック) 

「ジリジリ」音

 

 

(アイリスオーヤマ)  

ハムを感じる

 

 

 

4.DPA 4006A

 

(パナソニック) 

ややハムっぽい「ジリジリ」音

 

 

(アイリスオーヤマ) 

ハム音+「ジーーー」

 

他の定番業務用コンデンサマイクについては冒頭の表のとおりです

 

 

 

 

 

 

実験に使用した道具類

 

 

1.「LEDライトテスト」用

 

AMAZON  300lm LEDライト

 

 

 

 

 

2.「LED電球テスト」用

 

①パナソニックLED電球60W型       ②アイリスオーヤマLED電球60W型

・PanasonicパルックLED電球60W型7W  810lm(調光対応)

・IRIS OHYAMA LED電球60W型9W  810lm(調光対応)

 

 

アイリスオーヤマ品はパナソニックの半額以下。

品質も良く多用されている。

これ未満の価格帯に無名C国製やDAISO製品が存在している。

 

 

3.照度測定用

 

「MINOLTA AUTO METERⅢ」を使用した。

ただし(PWM調光されたLED光は測定できないことがわかった)

 

露出計は丸い玉の受光部を平面受光部に交換して使用。

指示値「EV」(Exposure Value)はLux換算して表記しました。

 

iphoneの「Lux Meter」を併用したが、敏感・不安定過ぎるため測定断念。

安定性、信頼性が高く長い実績を持つ撮影用「露出計」を採用。

 

 ここで従来型の「照度計」ではLED調光光(PWM調光)は測定できないことを知った。未調光でのみ照度測定した。

 

 

 

 

STEP.4考察1

「ECM」は光ノイズに強く、「DCバイアス型」は弱いのではないか、という考え方について。

 

冒頭の表の「形式」で分かる通りそれは当たりません。

 

C-451Bや4006AはECMなの?という疑問・・・調べました。

 

それは多くのユーザーがメーカーの営業戦略により正しく伝わってない、すなわちメーカーの狙い通り「誤解」しているだけです。

 

DPA社は1992年、B&K社からの独立創業時から一貫してECM専業メーカーです。

 

AKG C-451BやC-391はECMそのものです。 C-480Bのカプセル(CK-61)はECMにDCバイアスを与えてブーストした複合バイアス型です。

 

 

(ECM「エレクトレットコンデンサー型」の呼び変え例)

「プリポラライズド型」、「セルフバイアス型」、「セルフポラライズド型」、「固定電荷型」、「内部極化型」

 

これらは英訳すれば、また名称からすべて「エレクトレット型」(ECM)とわかります。

 

 

※ 関連の検証実験が記事:2126にあります。

 

 

 

STEP.5考察2

MEMSマイクではその物理的内容から「光電作用」の害を意識してまいりました。

ところが、一般コンデンサマイクでその発生が事実として現れてくると少し話は変わってきます。

 

「物性的プロセス」でも考えてみた。例えば「金蒸着」とダイアフラムベース材の高分子フィルム間の電気的現象とか・・・

 

しかし、記事:2202で紹介したC-451EBのダイアフラムを「キッチン用アルミホイル」で張り替えた「CK-1」 (YOUTUBE動画はこちら)

 

これが3年経った現在、本テストを進めながら同時確認したが、相変わらず安定した性能は3年前と変わらず、そして金蒸着フィルムの「純正CK-1」と変わらず「光ノイズ」を発するではないか。単なるキッチンホイルなのに・・・

 

 

 

今回の実験では概して「大口径」またはそれに近いものほど光に弱く、「音穴の小さいカプセル」が光に強いようです。

それはMEMSマイクでも同様であるので同じ土俵に持ち出した。

 

ATM35以外、小型のクリップオン、ラベリアマイクではノイズは皆無に近い。それは音穴の大きさ、受光面積に比例するのかもしれない。

 

 

 

(大小さまざまなコンデンサマイクエレメント)

これで参考になるだろうか

 

 

 

500lux程度から影響が出始めますが、ステージ照明の照度は1000lux~万lux台となります。

また、直射光だけでなく「反射光」によってもその影響が確認され、更にはとんでもない方向にその「干渉光」かもしれないノイズが観測された。

 

 

各現場にどれほど影響が出ているのか、出ていないのか現段階では不明です。

ホール3点吊回線のコンデションがしばしば問題となるが、EMC的な電気・電子的な障害だけでなく、明るいステージに向けたマイクの光電作用でノイズを発していることはないのか・・・

 

特に今回の実験で、オフマイクの定番 DPA 4006Aが「光に弱いマイク」に分類できたことはたいへん気になるトピックです。

 

 

舞台照明のLED化が現在進行形である今、出来る限り多くのデータで事実をもって警告を発するために今回の長めの記事となりました。

 

筆者の単なる思い込みでここまでは書けません。

できるかぎり定番マイクで試験本数を増やし、精度を上げた。

 

個人による研究実験のため、装備・実験環境の不十分なところはお許しください。

 

最後に繰り返し申し上げなくてはならないこと。

ここではコンデンサマイクの「光学作用」を問題にしているわけですので。「電磁波問題」とは明確に分けてお考えください。

 

 

課題・おねがい

この記事を参考にされた現場のエンジニアの皆さまから本件に関するご意見やお話をいただければ幸いです。

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(次編に続きます)

 

 

 

 

 

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