2508:(緊急レポート 続編)コンデンサマイクが光でノイズを発生する。 2nd | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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管理人Shinは知財保護において個人による「特許」のようなものを好まず、「全公開」を旨とします。(巻末詳細)

 

 

 TODAY'S
 
(緊急レポート)コンデンサマイクが光でノイズを発生する(続編)

 

問題は、とその調光(脈動光=フリッカにあり、PWM調光のLED光が非常に危険であるということです。

(まさかのSCR調光のLED光ならさらに深刻です)

 

 

 

前記事2507:「コンデンサマイクが光でノイズを発生する」

は衝撃をもって関連業界および個人に一気にひろがりました。

 

 

案の定、あれほど「電磁波、EMC問題ではない」と繰り返し述べても半分の方には伝わりません。

 

それでも、それでも「照明からの誘導や電磁波が・・・」と続き、

「配線が近い」「何か勘違いしてないか」とか、「光もまた電磁波」だから・・・と続く。

 

しかし、ご自分でLEDライトをあてて、マイクの前で振って試した方は「電磁波」論など一瞬で吹っ飛んで、ゾッとした驚きに変わります。

 

「経験則にない常識外れな事柄」は受け入れにくく、総じて突飛な事実を伝えるにはガリレオガリレイの「それでも地球は回っている」と言い続けるような気持ちでした。

 

 

 

そして事態は動きました。

 

 

 

  「pon」さんによるこのコメントが扉をひらいてくれた

ponさんのコメントをそのまま使わせていただきました。 (管理人 Shin)

(本掲載はponさんのご了解のもと公開しています)

 

pon

いつも素晴らしい記事をありがとうございます。
今回の記事興味深く拝見いたしました。
私が思うにこれはEMC関連が原因ではなくマイクユニットで光電効果が起こっているのではないでしょうか。
光電効果は磨いた金属板等に光を当てると金属板から電子が飛び出す、もしくは帯電した金属板に光を当てると金属板の電荷が失われるというものです。
たしかドイツのハルバックスが発見したと思います。
学生のときは禁止帯や伝導帯など授業でやっていましたがすっかり失念してしましました。

 

 

  Shin

 

>ponさん

ハルバックス効果「Hertz-Hallwachs Effect」または「Hallwachs Effect」はこの現象に最も適合していると思います。
紫外線を相手にした効果ですが、5000°K などの白色光はすべてのスペクトル光を含んでいますので、説明がつきます。
コンデンサマイクで発生する不可解な現象は、仮定とはいえ、十分に説明がつくと思います。ありがとうございます。


Shin

 

 

pon

再度コメントさせていただきます。
この光電効果は物理現象として発生しますので完全になくすのは素材から見直す必要があると思います。
産業では光電効果によって発生する電子は必要ですがマイクでは逆に不必要なものですね。
原因は光が当たる事なのでマイクユニットに当たる光の量を減衰させるのが一番手軽な方法かと思います。
その意味ではパナソニックのWM-61Aなどはユニット前方に黒い不織布が貼られています。
これと同じように音波の伝搬に影響の少ない不織布などをユニット前面に設置するというのが私達には対策しやすいかもしれません。
以上は光電効果ですが熱により電子が飛び出してくる現象も・・・・・・・・・・・・

 

03月05日 13:27

 

 

 

  Shin

 

>ponさん

続いてありがとうございます。
今回の記事は近年にないほど、すでに5000回と多くのかたに読んでいただいております・・・・・・・・・・・・・・
文献にもあるMEMSマイクの光電作用以外、いままで、マイクのノイズ原因として話題となったことのない今回の現象は、この光電効果で説明がつきます。対策についてもこちらの実験の通りです。

 

 

 

以上がコメント欄でのやりとりです。(・・・は省略部分)

 

 

 

 

 

「物性問題」へ明確に導いて頂きました

多くの方の推測群から唯一抜け出して、このプロセスの真理に切り込んでくださった「pon」さんの見解はこの問題解決への画期的な考察となりました、感謝にたえません。

地獄で仏、とはこの事ではないかと思えるほどです。

 

 

ザックリ言えば

金蒸着フィルムを含めた「磨き上げた金属振動版」を持つコンデンサマイクは脈動光を受けるとノイズを発するという事です。単に光だけではノイズにはならず、この「脈流光=フリッカ」つまり「変調された光」が電気ノイズに変換されるということです。

 

ノイズ防止には「光の当たる面積を減らす」ことと「光を弱めるまたは遮断する」こと。

 

 

(プロセス)

負帯電した金属に紫外線を当てると負電荷が抜け落ちる(電子が飛び出す)。あるいは「磨いた金属に紫外線をあてると電子の移動が起こる」。

量子力学の「ハルバックス」が1887年ころ発見した(Hertz-Hallwachs Effect)による。

 

 

上記をノイズの原因、と仮定し、可聴域でそれが起これば確実に可聴信号となる。

可視光と紫外線の関係では、「白色光」では紫外線を含むすべての光スペクトラムを含むため、この仮定で今回の現象はすべて説明できる。

 

したがって、この可能性が最も有力です。(Shin)

(これ以上は他の専門機関での研究考察が必要ですが、現在ここまで判明しました)

 

 

 

  マイク取扱いのノイズ対策視点を変えなければならない

マイクロホン回線のこれまで解決できなかった事例はGNDループや不明の「誘導ノイズ」が殆どで、シラミつぶし的に対策をとっても、どうしても解決に至らない新旧のホールが現実に存在します。

 

 

「劣悪ホール」などと呼ばれて録音環境として有名・無名に恐れられている現場が存在します。

 

 

そんな現場のいくつかは、1000Lux以上に照らされた調光照明によるステージの光環境に三点吊マイクを向けることによって調光ノイズを拾っている可能性があるのかもしれない。

実験ではあきらかにノイズ発生が見られ、マイクをTV画面に向けただけでも発生するものがあり、それは誰も否定できません。

 

 

また、従来型電磁的(EMC)ノイズ障害と複合して発生している可能性がかなりあるかもしれない、ということでもあります。

 

 

このややこしさとして次のことがあります。

1.誘導やGNDループで起こり得るものと同じノイズ信号である。

 

2.トランスを使用しても何も変わらない

 

3.光なので光源、マイクともにシールドしても意味がない。

 

4.調光による発生を仮定した場合、電気的ノイズと、光学的ノイズとでは対策法が異なる、しかし照明を止めればどちらの場合もSTOPする。

 

5.直接光と壁面などの反射光の位相の反転による干渉で、思いがけなくノイズが増減するスポットが発生する。

 

 

 

 

 

光ノイズを意識したマイク録音を

 

 

 

 

1.マイク選び:使用マイクがこの20本の中にある時、それぞれの条件でのノイズランクが参考になります。

従来の名機がLED照明下では役に立たなくなるかもしれない。

 

 

異常なければ良いですが、例えばノイズ混じりの4006Aならば、OKTAVA 012C-480BC-391B や ProbeⅡinf Lzの方が光ノイズには遥かに強く、安全であるのは目に見えてわかります。

 

ShinのMEMS型ProbeⅡinf Lz 」「Probe-T inf」「ProbeⅡ kw」なら光ノイズに非常に強く、音質的にも優れたものとなるでしょう。

 

もともとShinはMEMSマイクの音穴を正面に向けていませんので、ProbeⅡ、ProbeⅡLz、Probe-TICS-40730使用機は「1/2音穴部」を下向きにすることでこの現象を回避できます。

 

 

 

2.クラシック録音では徹底して嫌われる「ウィンドスクリーン」はコンデンサマイクにとって、単に「風よけ」ではなく、「光りよけ」としてもっと活用すべきアイテムだと思います。これは「黒色」に限ります。

 

 

3.録音マイク環境はゲネプロまでに完成させ、光ノイズはゲネプロの中で完全クリアーさせる。(マイク交換を含め)

 

 

 

 

マイクロホンメーカーには

ここではじめて判明した事実はマイクロホンメーカーにとっては寝耳に水かもしれません。

メーカー各社にとって、この現象の露呈はあらたな課題となりました。

 

光ノイズプロセスを排したダイアフラムの開発や新たなとりくみが必要になってきたのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

自作マイクでは

どんな場合も自己責任です、さらに研究してください。

 

(MEMSマイク)

1.MEMSマイクでは別途 記事:2313をご参考にしてください。

 

2.絶対に「マイクカプセル扱い」してはならない。

「垂直装填」、「物理的音響ポート」を具備して使うことが肝心、かつ必要に応じてウィンドスクリーンを使う。

 

3.構造上、光ノイズに敏感な機種とそうでない機種がある。

Infineon IM73A135V01は光ノイズは比較的小さく、Knowles SPM0687LR5H-1は光に対してほぼ不感です。

 

4.光ノイズに強いか弱いかはLEDテストを必ずおこなって、その程度を確認することが必須。

 

 

 

(他の自作マイク)

1.音穴形状では出来る限り穴径の小さなものが光ノイズは少ない。さらに10mm未満のECMカプセルでは光の影響はケタ違いに小さい。

 

 

2.大口径カプセルや1/2インチクラスではウィンドスクリーンが  決定的な対策法になる。

 

 

 

  「舞台照明」「照明機材」とホール管理に今求められること

ホリゾントの色を変えていったとき、「白」で原因不明ノイズに悩まされた、という報告もあります。

 

リップル(脈動)を含んだ照明光は隣にいる音響には致命的になることがある。

 

適正な「照明」と「音響」の関係は車の両輪であり、とくに照明制御側からの歩み寄りが求められると共に、LED照明機材の総合的完成度の向上が求められます。

 

 

 

さいごに

 

1816年に発明されたコンデンサマイクロホンは100年以上経過してもまだまだ進化の過程にあります。

 

以上

 

 

 

 

 

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虹 おしらせ

MEMSマイク使用、話題のProbeⅡ Probe-T  L-730mems など、読者のみなさまからのご注文により優秀機種の手づくり製作・領布を承っておりますのでお問い合わせください

またFetⅡなど純正WM-61Aのファンタム式パナ改マイクも継続中です。

 

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