【ご注意】
★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリもOKです。
ただし記事から得た情報の利用公開については出典・引用をあきらかに、管理人の指示に従ってください。
ProbeⅡ(ICS-40730使用)はブッチギリの高音質と低雑音な素質は多くの方を刺激、支持され、MEMSマイクが自作マイクの一ジャンルとして本格参入できた第1号機と認識しております。
自作マイクファンの間でこのサイトの記事を参考にされProbe II をモデルにした作例が急増しており、うれしい事実です。
ProbeⅡkw (KNOWLESバージョン) 試作品
ProbeⅡは同じものを作ろうとした場合いくつかの難所が有り、みなさまそれぞれ苦労されているのが見え、これは何とかしなければいけないと思いました。
妥協のない音とスペックで、よりサイズの小さいMEMSマイク機種は現時点(2022年1月末現在)皆無に等しいですが、かねてより調査を継続していました。
気になるモノは入手して評価を続け、Invensense ICS-40730互換できる品種としてKnowlesの「PM0687LR5H-1」を選び出して、ProbeⅡ形状で試作しました。
またProbeⅡに使用した特殊な極薄ステンレスパイプも一般市販品で出来ないかが悩みの一つでした。
(難所・ハードル)
1.手半田付けの問題は「プレヒート」で100%救済できます。
2.ステンレスパイプ 6Φ t=0.2はネッで注文入手可能だがベラ高い。
3.ステンレスパイプ 6Φクラスにメッシュ包みのMEMSマイクを仕込む難しさはそれを内径にストレスなく通過させる難易度は不可能に近いほどハンパではありません。
これらを解決する為、より小型で扱いやすい同一クラスの他社製品がないか引き続き各メーカー、各品種現物を取り寄せ続け、「これならイケる」というMEMSマイク品種が発見できました。
それはMEMSマイクの世界シェア1位の「Knowles」(ノウルズ)社の中から見つかりました。
品種は少し前のモデル「SPM0687LR5H-1」です。
(ご注意)
※入手はMOUSERやDigikeyなどからの個人輸入以外ありません、国内では一切入手できませんのでご注意ください。
国内で「シリコンマイク」「ICマイク」として販売されているMEMSマイクは10年前の残骸につきこのサイトで扱っているMEMSマイクとは月とスッポンほど違います。
Knowlesであっても、ここでの品種は「SPM0687LR5H-1」限定であり、国内にはありません。
◎ 2022年2月現在 国内で販売されているのは廃棄品や10年前の残骸、アレは別物です!。
(参考記事)
※最新機種であっても「Infinity」「CUI」社製など他社製品では今のところ(2022年1月末現在)採用できるモノが見当たらないなどMEMSマイクの品種厳選が命です。
今後現れる可能性は高いですが読者の皆様でこのクラスのMEMSマイクが発見されましたらぜひご連絡ください。
※輸入代行を行っているパーツ店に注文して入手は可能ですが金額が高くなり、MEMSの扱いに慣れていない方は必ず「破壊」を経験します、それは授業料と考える必要があります。
したがって2本ペアのマイクを作るためには2個3個では足らず最低10個は必要になることを前提で利用するならば結構ですが、MOUSERやDigikeyを利用する方が結果的に安く早い
Knowles社の「SPM0687LR5H-1」について
(まずはf特から)
これなら双方ほぼ同等でしょう。
(他スペックの特徴)
Knowlesの「SPM0687LR5H-1」はS/Nが70dBとICS-40730の74dBとの差はあるものの実際には同等と割り切っても問題なしとした。
AOP(最大耐音圧 10%THD)は130dBとICS-4730の124dBを凌駕。
コレ使えます。
(実装のしやすさ)
ICS-40730の厚さ3.5mmに対し「SPM0687LR5H-1」は1.15mmと薄く、フロントメッシュ込みで市販の6Φパイプ(内径5Φ)を通過させて仕込みやすいことは大きい。
ProbeⅡkw の試作記録
Knowles「SPM0687LR5H-1」線出し・処理
このマイク部Ass'yを6ミリパイプの内径5.5ミリに通すのはやはりそれなりに根気が必要です。
しかし必ず通りますのでパイプ先端まで竹串を使って誘導します。
パイプ内及び先端構造
「ProbeⅡ」 との構造上の違いはステンレスパイプの内径とMEMSマイク品種だけです。
(管内共鳴防止)
★ 管内共鳴防止のため脱脂綿を密に装填して吸音処理します、 万一これを省くとひどい目に遭います。
また綿の質・量によって音質はかなり変わります、そしてMEMSマイクの音穴はパイプの前ツラからやや顔を出す程度にするのをおすすめします。
回路図
回路は高品位・短距離用のおなじみ、FETの「Shinさん回路」です。
差動出力型のMEMSマイクは片出力(シングル)で使う方が「単独マイク」目的にはあらゆるファクターが優れています。その場合、使用しない逆相側はオープンのままにします。
(実際にMEMSマイクメーカーのデーターシートで確認できます、常識が正しいとは限りません)
MEMSマイクではVddにデカップリングコンデンサを加え、MEMS電源(Vdd)のインピーダンスを下げています。
すべての信号はこの実績豊富なコンデンサのふるまいに由来しますので音に直結します、やたらなケミコンでは性能を発揮できません。
※「マイクロホンの音質」はそこに使用された高級パーツではなく最も質の低いパーツの音質になることは知られている通りです。
(音質)
Invensense ICS-70730代替としては同格の音質・品位を持ち、「ProbeⅡ」ラインのマイクとして試作は成功しました。
(お願い)
※みなさまの作品でShinの類似形状のマイクを「ProbeⅡ」、「ProbeⅡLz」、「ProbeⅡkw」とストレートに呼ぶ事はご遠慮ください。
以上
★ 本記事の無断ネット盗用は犯罪です。
おしらせ
fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb など、読者のみなさまからのご注文により人気機種の製作領布を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作します)
MEMSマイク使用、話題のProbeⅡおよびFetⅡmemsも同様にリリースしています。
モノ作り日本もっと元気出せ!
【おことわり】
★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。
★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。
★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。
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