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※管理人Shinは知財保護において個人による「特許」のようなものを好まず、「全公開」を旨とします。(巻末詳細)
NEW Two Wire Project
(目的)
二線式伝送でECMやMEMSマイクの能力を余すことなく引き出して、3線式と変わらないパフォーマンスを得る方式をめざします。
仮称:「Coaxi System」
primo em272
primo em273
em272
emm273
マイクロドットコネクタ
STEP.1まずこの話がキモになります
プラグインパワーの功罪
「プラグインパワー方式」が存在し、MDレコーダのマイクとして採用されて以来、ECMの超簡易方式として民生用途で定番のマイク方式として圧倒的シェアを維持してきました・・・が、
今ではレコーダはXLR入力の高品位録音機があたりまえとなり、ミニプラグ・ジャックによる「プラグインパワー」方式は民生用フィールドレコーダでも消滅に近い。
筆者はこの類似方式によって発生した重大問題(避けられない欠陥事故)をきっかけに当サイトではこの方式を絶対的禁忌としています。
「接触不良、異種金属間電位の問題、点接触」、これに電圧でも印加・重畳すれば金属電極はさらに「酸化が助長され」、酸化膜による接触不良は一気に進む。
(ミクロ領域で電気分解のような現象が起きるのかもしれない)
また、この方式には確たる国際規格もなく、勘合の保証もない。
さらにピン数が増やされて、当然のように問題を引き起こしています。
また、メス側機器メーカー指定のマイクならまだマシなのだろうが、最悪なのは一般入力を兼ねる場合、マイクでは必ず「逆相」を余儀なくされる。
このためか、ポータブル録音機やオーディオインターフェースからは駆逐されました。
デジ1眼やミラーレス1眼など、まだ残っているプラグインパワー機により、YOUTUBEあたりでは耳を塞ぎたいほど「逆相音声」、
「LR逆相」であふれており、「そんな音声でオーディオ、特にマイクを語る姿を見ると実に情けない」。投稿本人はこれに気が付かないのか、と思えるほどですが、やはり分からないのでしょう。
音楽でこれをやられると脳内をかきまわされるほど、LR逆相PAのド真ん中に座った心地で逃げ出したくなる。
★ご存じですか? プラグインパワーは逆相システムです。
ドレイン出力であるため「バックエレクトレット型」では「逆相」、古い形式である「膜エレクトレット型」なら「正相」となる。しかし今のECMは99%が「バックエレクトレット型」ですので、もはや前世紀の負の遺産としか言いようがありません。
(下図の通りです)
背電極(バックプレート)からの「正相」はドレインから「逆相」出力されます。
どちらにしても、「プラグインパワー」対応マイクアンプは高品位を求めていないため、「民生用」か「それなり未満」です。
「ややこしくてメンドクサイ」というかたもそうでない方も、このブログを読んでくださる方なら「欠陥プラグインパワー」から一刻も早く足を洗うべきです。
しかしビデオ撮りにも盛んに用いられるようになった「デジ一眼レフ」から「ミラーレス一眼」になってもカメラボディのマイク入力はまだまだminiジャックのプラグインパワーが標準・主流。これが原因で多くの「逆相音声動画」を生み出し続けている。
他方式へ置き換えを強く望む。
STEP.22W(ワイアー)のマイクカプセル動作
まず、ECM方式(バックエレクトレット or 膜エレクトレット)と「相」の関係を考えて取り組みます。「ちょいちょいと仮半田でもして簡単に音を出そう」なんて考えないことです。この点、「プラグインパワー」のいい加減さとは対極にあります。
ドレイン出力になりますので高感度です、ひずみ率との兼ね合いで、許容最大SPLはソースフォロワ比約10dB以上不利になりますがEM272はドレインOUTでも122dB/SPL (3%THD)を許容します。
データシートを参照の上、3線式のEM273などと両者を使い分けるのが良い選択となると思います、またEM272は分解調査の結果、「3線改造」は絶対にできない構造が確認されました。
EM273 or EM173でのテストが待たれます。

作ってみた S/N 80dB小型マイク
自作マイクの音質と外観は最優先事項です。
外観上、手作り感を廃していますのでメーカー製品に見えるかもしれません。
手作り感皆無のフォルムと最高の音はShinの最優先事項です。
「自作ですから」の甘えは微塵もありません。
(ファンタムアダプター)
ノイトリック NC3-MXXB採用にて「DPA」と同一外観となった、この為あえてブッシングカラーをグレーにして見分けを容易にした。
上の両者、中身はまったく異なりますが、DPA側出力相を反転すれば相互互換ができる内容になっています。
どちらもノイトリックNC3-MXXBを母体としており、右側のDPA製ファンタムアダプタ「DAD-6001BC」には「DPA」ロゴがうっすら見えるだけです。シールを貼りましたがどう見ても同一、ニセモノを作るつもりはなく紛らわしいので、Shin製はブッシング色をライトグレーにしました。
DPAはアクティブ素子なし「直結型回路」、Shin製は「Lz回路」で、回路はまるっきり違うが音質は同じ、よく聴くとあきらかにShin製に軍配が上がります、これが「Lz回路」の実力です。出力インピーダンスはどちらも実測約100Ωと、この2台比較してみると面白い。
回路図
300m延伸可の「Lz回路」使用
※ この回路図は筆者が3年前、所有の現物から起こした回路図(非正規)です。
現物の出力Zは実測でも100Ω程度ですが、この回路を踏襲すると問題なく動作しますが、出力Zが800Ω前後になるため、現物回路トレースのどこかに誤りがあるはずです。
カプセルの内容が不明確なため、中身はブラックボックスにしました。
また、ECM出力位相が(HOT)であるため、考えられることは下記どちらかです。
①バックエレクトレット型ではなく膜エレクトレット型使用
②インピーダンス変換に「P-ch FET」使用のソース出力
このどちらかだが、最大許容SPLの大きさを考えると、②の可能性が大である。
これまで2W(2Wire)はできる限り避けてきたが・・・
ひょんなきっかけで2W(2線式)ラベリアマイクを作ることになった。何とか3Wにしたいが、それだけはならず・・・2W必須。
それがキッカケで、以前から一度使ってみたいと思っていた「マイクロドットコネクタ」をはじめて使うチャンスにめぐまれた。
絶対に使いたくないのがあの不安定な「ミニプラグ・ジャック」、これはこのブログ開設当初からの掟でもある。
となればミニXLRか、いやどうせ2Wなら今回はDPAやAKGで信頼性折り紙付きの「マイクロドットコネクタ」だ。
というわけで2W伝送の雄、これを初めて使うことにした。
お手本ならDPA 4060の「DAD6001」現物から起こした回路(非正規)がある。全体構造だけは学ばせていただきました。
今回の「ファンタムアダプタ部」はDPAやAKGと完全に互換性があるが、AKGの「MDPA」はSN比・ダイナミックレンジの点で3つの中で最劣勢。
材料さがし
1.マイクロドットコネクタ
てか、「マイクロドットコネクタ」ってどこで手に入る?
成田屋に似たのがあった。JTS ( ジェーティーエス ) / 801C3B、
これを流用すればマイク側は良いか・・・と。
これが見事はずれた。
「マイクロドットコネクタ」とはパーツとして一体なんぞや、と当てずっぽうにRG-17コネクタケーブルを入手、5000円近い、しかしこれがぴったり適合することがわかった。「5Mマイクロドットコネクタ」と呼ばれたり、ミニチュア同軸コネクタの中から出てきたりするが名称が一貫としない。
販売先も現在 Aliexpressに頼らざるを得ず、例の「正式名称を特定しない表記」から塾考して、ムダを承知で買い集めた。正解率は50%だった。
正解だった例 1(オス)
正解だった例 1(オス)
正解だった例 2(メス)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B74QZ49B?ref_=ppx_hzsearch_conn_dt_b_fed_asin_title_1
SMAコネクタはマイクロドットコネクタはそっくり、いや一回り大きいけど同一形状ですから、これまた現物を前にしてもわかりづらい。
マイクロドットコネクタとSMAコネクタ、互換性はありません。
今回の製作したマイクのファンタムアダブターはDPA 4060およびAKG LC617MDでコネクタの互換はもちろん、動作上も完全互換使用できることを確認しました。「マイクロドットコネクタ」はその信頼性ゆえ、他メーカー他機種でも使用が広がっています。
2.マイク筐体
Shinさん名物「合体ワザ」
「切ったり貼ったり」、「二個いち」ではおさまらず、相当ひねくってマイク筐体1個にしているのが分かると思います。
さらに考えればニコイチまでは可能、この辺を考えるのは楽しいと思います。
結果、同一「EM272」使用の海外メーカー製品には内容でも外観でも負けていません。
このマイクの構成
さいごに
Primo「EM272」はPUIの「AOM-5024-HD-R」で互換できますが許容音圧やダイナミックレンジのいま一歩及ばない点などあります。
どちらもSN比80dBの世界を味わうには十分です。
「マイクロドットコネクタ」のマイクを実現する目的で迷い込んだ「2W」という不利に条件を絞り込んだ難しさは新たな何かを開くかもしれない。
世界、有数のメーカーが業務用途であえてこれを採用するのには3Wのソースフォロワにはない、何か決定的長所があるはず。
それを探しにでかけます。
以上
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おしらせ
MEMSマイク使用、話題のProbeⅡ Probe-T L-730mems など、読者のみなさまからのご注文により優秀機種の手づくり製作・領布を承っておりますのでお問い合わせください
またFetⅡなど純正WM-61Aのファンタム式パナ改マイクも継続中です。
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