2112 :「プラグインパワー方式」の矛盾と功罪 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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! 「プラグインパワー方式」の矛盾と功罪  ドクロ 

 

クローバーこのサイトではミニプラグ・ジャック使用の欠陥方式、プラグインパワー」方式を完全否定します。 

と Shinは冒頭宣言していますが、なぜそこまで?

 

コロナ禍中、YOUTUBEをはじめ、小規模な「配信」モノが増えるなか、あまりにも「逆相音声」がはびこっているからです。

 

 

 まず 「プラグインパワー」方式には確たる国際規格もありません。

古典的な「接触不良」という言葉を現代に引きずり出し、使ったユーザー100%にそれを経験させた「功績」は大きい。

 

 ミニプラグとミニジャックの致命的・先天性欠陥、それに加えてサイエンスを無視した直流重畳の「電蝕」、つまり「異種2金属の点接触構造に直流供給」、など常軌を逸したシステム。

 

 

起源

民生用録音メディアがカセットからMDになったとき、「専用マイク」として販売されたのがキッカケというのが筆者の記憶の範疇です。

 

自作マイクとしては、この「専用マイク」を分解してみたら「エッ」と思うほど何にもない・・・「これなら自分でも簡単に作れる」

とあちこちで始めたのが実態です。

 

 民生用としては「これが1番簡単」とばかりにもてはやされ、その欠陥システムは当然安く、「100円マイク」の語源ともなった。

しかし・・・

同時にそのすべてのユーザーが接触不良を必ず経験し、そして「逆相」問題と、 欠陥×欠陥×手抜き もうメチャクチャな話。

 

 

2009年の記事から

 

 

 2Pモノ、 3Pモノ、 3Pステレオ、さらに4P、5P・・・その接続回路のバラバラさで、動くか動かないかは「個人責任」の世界とまで成り下がっています。こんなもの消滅すべきだと、Shinもずっと言い続けています。

 

SONYはメーカーとしてたまりかねたのかこんな案内を公開しています。

  プラグインパワーとは・・・SONY

メーカーとしてでここまでハッキリ書くのは世界でもめずらしい事例です。

しかし過去をたどれば自らの首を絞めるのか肝心なその弊害説明にまでは及んでいません。

 

 

 

 

 

さて、ここからが本題です。

 筆者の耳は「相」に対し動物的に敏感であることはこれまで経験してきた通りですが、この本題はその「相」の問題にあります。

一歩まちがったり、軽く考えていると命取りとなります。

 

(下記2例は最近私がメーカーに指摘した「逆相」事例です)

 

 一つ前の「2111」の記事で 新発表のコンデンサマイクの逆相問題。

 (CPの激安「ラージダイヤフラム」マイクCM3を分解・テストしてみた)、の製品「CM3」はなんと発売10日目、このサイトで指摘後4日目に急遽販売停止されました、逆相出力では商品になりません。

後日、「逆相」であり商品の回収・返金などの案内が届きました。

 

 ※MEMSマイクの優秀品種の1つであるOUT表示が(正)(逆)誤表示だった。

 MEMSマイク、INVENSENSEのICS-40730の「OUT PUT」が+・ー逆表示であることを発見指摘した。

このため、世界のWebに散らばったDATA SEETの訂正に至り半年間、現在も懸命に訂正進行中です。

メーカー公式の「DATA SEET」に従い機器設計したメーカーへの対応問題が気になります。

 

メーカーにとって、どちらも想像を絶する金銭負担と手間、落とした信頼の回復努力を必要とし、「逆相」商品は致命的結果を招きます。

 

 

 

(これはプラグインパワー、代表的な3Pと2Pの回路例です)

AMP側で正相に直すために相互連携の必要あり。

 

(A)(B)それぞれのマイクは「逆相出力」ですのでマイクAMP側は「逆相」入力をデフォルトにしなければなりません、マイク内の正・逆関係は上図の通りです。

 

 

 しかしこのAMPに別ソースの信号を入れると「逆相出力」されてしまいます。

 

 

バックエレクトレットECMのドレイン出力は逆相だ、ということをお考えになったことはありますか。

 

 案外多いのは「そんなことどっちでもいい」とか「使えればいい」という意見です。

そういうかたは「勝手にすれば・・・」とは言えません、そんな意識では他人とかかわる音声を扱う資格がないからです。

 

 

 

 

 

(なぜ?)

ECMには2種類の方式と2種類の回路があることがその理由です。

 

(方式)

①バックエレクトレット型ドレイン出力・・・(逆相)

②膜エレクトレット型ドレイン出力・・・(正相)


(回路)
①ドレイン出力・・・(位相反転)
②ソース出力・・・(非反転)

 

 

つまり、バックエレクトレット型で正相出力するためにはソース出力、
膜エレクトレット型で正相出力するためにはドレイン出力する以外ありません。


 また、今のECMはすべて「バックエレクトレット」型、と思われがちですが、それは違います。

 

 

 

クローバー フォーリーフ社の仕様書をお借りしますので現状をご覧ください。

 非常に丁寧な記載で各々の「エレクトレット方式」=「膜バックエレクトレット」の別、および「位相・極性」の欄はどんな信号が出力されるかの記載があります。

 またドレイン出力とソース出力の「最大入力音圧/ひずみ率」の点に注目ください。

 

 

① (UEB-0600)・・・バックエレクトレット型 ドレイン出力
https://www.four-leaf-mic.com/datasheet/UEB-0600spec.pdf

 

② (EC-H0600)・・・膜エレクトレット ドレイン出力
https://www.four-leaf-mic.com/datasheet/EC-H600spec.pdf

 

③ (UEB-5261)・・・ バックエレクトレット ソース出力
https://www.four-leaf-mic.com/datasheet/UEB-5261spec.pdf

 

④(UEB-5200)・・・バックエレクトレット ドレイン出力

https://www.four-leaf-mic.com/datasheet/UEB-5200spec.pdf

 

以上が実態です。

他ではまず見られないメーカーとしての良心が見え感動します。

 

 

筆者は「非プラグインパワー」を旨としていますので、「それならどうしたらいいんだ」にはいっさい関知しません、ただ一つ言えるのはプラグインパワー方式は「どうしようもない」ということ。 

 

 上記仕様pdfの中からドレイン出力の圧倒的な劣性ぶりも十分に数値比較できますので読みとっていただき、今後ECMの選択とインピーダンス変換回路はいままでの「思い込み」を捨ててもう一度最初からお考えください。

欠陥方式は消滅すべき、ただそれだけです。

 

以上

本記事の無断ネット盗用は犯罪です。
 

 

おしらせ

fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb  など、読者のかたからのご注文により人気機種の製作領布を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作します)

FetⅡmems、およびProbeⅡ(Mems)マイク使用も同様にリリースしています。

 

モノ作り日本もっと元気出せ 

 

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