※ この記事は公開から13年以上経過していることにご留意ください。
2024年1月追記
夏に続き、さんしん(沖縄三線)の収音について考える機会がありました。
今回もまたエポックになるかもしれません。
ご希望によりさんしん用としてfetⅡi の製作を承ります
アタック音の綺麗なナチュラルなこの音は本物。
ファンタム式パナ改はこちらから http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10712274133.html
fet Ⅱ についてはこちらから http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10465233115.html
fet Ⅱのクリップオン専用機は http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10755581297.html
それぞれご参照ください。
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◎fetⅡは感度の高いマイクである為「PAD」のない普及卓使用の場合、強く弾く傾向の唄者ではピーク超えし、「Trim」では追いきれない場合がある」という技術側・唄者の現場意見をもとに後日開発したのがクリップオン専用機 「fetⅡi 」 です。
さんしんのクリップオン専用マイクとしては技術者・唄者の意見による調整がされ、素晴らしい結果を出す「fetⅡi 」をお薦めします。
→ 1102 :ファンタム式パナ改マイク fetⅡi 「instrument」 でご紹介しております。
2012年1月 追記
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(ちゃたんのホテルで求めた絵はがきを使用)
さんしん(沖縄三線)各部の名称
【ShinさんのさんShin】
今回はさんしんピックアップ・マイクに絞って考えてみたところ思わぬ結果となった。
さんしんにサウンドホールはなく、音の共鳴構造と弦の材質がギターなどとは異なっている。それに伴いピックアップ手法も決してギター同様ではない。
「三味線の先祖」だから同じような収音でいいだろう、だからリボンマイクかMD-441とか・・・と思ったら大間違い、さんしんには本土の三味線独特の「ビビリ音」を出す「サワリ」という機能がないので収音法もマイクも大きく異なる。
スチール弦ではない為、電磁ピックは使えないがピエゾの使用はある。この場合、ギターで問題になる点はさんしんでも同様の課題となる。
これら「マイク(ピックアップ)内蔵さんしん」の場合ピックアップ手段(方式)による音色の違いが極端に出るようです。
※さんしん用ピックアップ・マイクについては沖縄を中心に専門工房があり、特徴ある音とそのパフォーマンスを競っておられる現状があります。
Shinはその皆様と競争するつもりは全くありませんので、最も簡便でないPA手法で臨みます。
【ファンタム式パナ改マイク fetⅡ をさんしん用クリップオンとして】
さんしんの演奏家である先輩より、fetⅡのクリップオン使用に興味がある旨の話がありました。
早速、自分で演奏しながらテストを行ってみました。
(fetⅡ マイクロホン)
超小型・汎用性の高い無指向性高音質マイクです。
(fetⅡ をセットした場所とその音色について)
さんしん各部の呼称は記事一番上のイラストをご参照ください。
①胴とティーガの間に挟んだ場合:
案外ナチュラルな音、無指向性であることに留意し音量決めをおこなう
②ウマのウラ側(猿尾側)にマイクを挟んだ場合:
音量は出るがコモッた違和感を感ずる
③猿尾に取り付けた場合:
ややコモリを感じ、これも音量をあまり上げられない
④クリップオンセッティング:
堂々たる音色、音量もかなり上げられる、圧倒的にナチュラルな「さんしんの音」
(ホルダについて)
AT8418クリップホルダ =(ATM 35用のクリップホルダ)はfetⅡ にジャストフィット。
AT8418 クリップホルダは比較的安価で汎用性があり、10φの超小型マイクまでセット可能、これは使えます。
ルックスはこんな感じになります
収音部(マイク)はWSの奥まで押し込みます。
マイク(fetⅡ)をWSより外した様子
fetⅡ をクリップオンセットしたさんしん、たいへん美しい楽器です。
(結果) ◎想像以上の好結果です。
一部のダイナミックの仕込み型のような「バタバタ」とした音が付いて回ることも、チーガに貼ったピエゾのような中高域のピークも無く、ウマに仕込んだピエゾのコモったような音も一切ありません。
絃と胴と爪音の響きが美しくバランスを保ったナチュラルなさんしんの音色。
さんしんへの「クリップオンマイク」の使用についてはライブや一部放送で用いられているが、さんしん用途の優秀なクリップオンマイクは価格もやや高く、限られた演奏者が使用する機材のように思われる。
そんな中、今回fetⅡ をさんしん演奏用クリップオンマイクとしてご案内致しましたが、この路線はかなり現実的なのではないかと感じています。
ちなみにクリップオンの定番AKG C-419(現519)を試した限りでは絃アタック音(爪音)に「ペチャッ ペチャッ」と「パイ投げ」のような異音が伴い、やや堅めの音になる。
これは本土の三味線にSM58などをONであてた時、同様の異音を発することがあり、「津軽三味線」では全くひどい事になるがそれとそっくりである。
さんしんでも三味線でもこの「ペチャペチャ現象」は「高調波ひずみ」であろう。
アタック音の特に強い「さんしん」と「津軽三味線」で目立ち、さらに超オンマイクにしたことで一層増加するものと理解できる。
両者(C-419とfetⅡ)を比べた場合ではさんしん独特の情感・ディテールの表現ではfetⅡ の音が非常に好ましく私は感じます。
機会をあらためて、うちなーの専門家のご意見もいただく予定にしています。
(のちにご意見をもとにfetⅡi を開発し、ステップアップさせました)
(考察)
少し前からクリップオン・マイクの製作を考えていたが、クリップオンというハンドクラフトの選択肢は良く考えるとハードルが高く、ハンガーのクリップを使ったもの、ダイソーのプラスチッククリップなどで試作したが、完成度が低く、試行錯誤はするものの結局モノにはなっていませんでした。
これを打ち破ることができたのはAT8418 クリップホルダの存在です。
実現できない壁が有っても、何か想い続けているとちょっとしたヒントや情報で「ガラッ」と状況が変わってしまうのが素敵なところです。
無指向性であるfetⅡ がどこまでクリップオンマイクとして有効か、とても心配していたが、案ずるより産むが易し。
※未発表の単一指向性カプセル使用マイクを含め、楽器用クリップオンマイクの新しい可能性をさらに探っていきたい
2011.1.7追記
fetⅡ をさんしんのクリップオンマイクとして、沖縄の専門家(演奏家・音響家)にテストして戴きました。
「中低域が充実し、さんしんと相性が良い」というご意見をいただきました。
また、現場サイドからの貴重なご意見・期待を込めた要望を頂きましたので一つ一つ実現させてまいります。
年末、ご多忙にもかかわらず大変有難うございました。
さんしんのクリップオン専用マイクとしては、その後上記のご意見により調整され「fetⅡi 」として完成しました。
→ 1102 :ファンタム式パナ改マイク fetⅡi 「instrument」 でご紹介しております。
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