(改正案)

第八章 枢密院


第九十条 枢密院は、国会で可決された法律および内閣の発する政令が、天皇によって公布される前に、憲法に適合するかしないかを審査する権限を有する。

 枢密院の審査に基き、憲法に違反すると判断された法律および政令は、公布されることがない。


第九十一条 枢密院の顧問官は、内閣総理大臣若しくは国務大臣を経験した者のほか、法曹資格を有する国民の中から、選挙に基いて、天皇により任命される。

 枢密院の定数および選挙に関しては、法律により定める。


第九十二条 過去四年以内に政党および政治団体に加入していた経歴を有するものは、枢密院の顧問官になることができない。


第九十三条 枢密院の顧問官の任期は十年とし、その任期中は、審査により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。

 審査に関する事項は、法律でこれを定める。

③ 枢密院の顧問官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。


第九十四条 枢密院は、第六十条の二項の規定に基き、内閣に求められた場合、国会の機能の一部を代行する。


第九十五条 憲法裁判所は、枢密院の顧問官を裁判官とし、枢密院に設置される。憲法裁判所は、通常の司法権から独立し、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを裁判する権限を有する。

 憲法裁判に関する事項は、法律でこれを定める。