舌癌は癌全体のわずか3%。
父の闘病中に、何度も何度も「舌癌」というワードで舌癌患者ご本人やそのご家族の方の手記やブログを検索しましたがほとんど出て来ませんでした。
当時はたとえネガティヴな内容だったとしても、なんでもいいから情報が欲しかったのです。

少しでも「誰かの世界を参考に出来ると有難い」と思う方がいるなら書くべきだと思いました。

とはいえ病気の話はどうしても暗い話になります。
興味のない方や、癌の話で辛い気持ちになってしまう方はご覧にならないでください。

よろしくお願い致します。



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父は舌癌でした を最初からお読みになりたい方はこちらからどうぞ。

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2011.10.20
父の病院に着き、面会の受付をしていると主治医に呼び止められました。 


「今週中に会わせたい人がいたら会っておくように。 
お父さんがやり残した事があればさせてあげて。
外出は本人の希望があれば車椅子ででもぜひ。 
外泊は娘さん一人じゃ大変かと思うけど、出来ればさせてあげたいね。

急変しても延命はしないつもりです。
息を引き取った時に魂が天に昇るわけではないので、最期に立ち会えなくても大丈夫。 
痛みで辛い時間を過ごすのは有意義とは言えないので、意識が朦朧としたり眠ってしまうことが多くなっても痛みから解放してあげましょう。 

なんとなく、覚悟はできていた?」 


覚悟ってどこに売っていますか? 



最期を迎える前に、やり残したことはなんだろう。 

「もうすぐ最期だから、何がしたい?」
なんて聞けません。 


17日、外出してよかった。 
犬に会わせてあげられてよかった。 

残りはあと何日? 
わたしはなにをしてあげられるんだろう。




廊下の隅で涙が止まるのを待ち、泣き腫らした目のまま病室へ。

いつも通り「来たよー」と声を掛けると、モルヒネで朦朧としている父がわたしの顔を見て「ごめんな」と。

そして「ここにいたら死ぬのを待つだけだ、他の病院で何か治療が出来ないか聞いて来て」と言われました。





続きます。