舌癌は癌全体のわずか3%。
父の闘病中に、何度も何度も「舌癌」というワードで舌癌患者ご本人やそのご家族の方の手記やブログを検索しましたがほとんど出て来ませんでした。
当時はたとえネガティヴな内容だったとしても、なんでもいいから情報が欲しかったのです。

少しでも「誰かの世界を参考に出来ると有難い」と思う方がいるなら書くべきだと思いました。

とはいえ病気の話はどうしても暗い話になります。
興味のない方や、癌の話で辛い気持ちになってしまう方はご覧にならないでください。

よろしくお願い致します。



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父は舌癌でした を最初からお読みになりたい方はこちらからどうぞ。

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2011.4.4
早朝父からメール。
13時に外出許可をとったから午前中に来てと書いてあったのでお昼前に病院へ。 

お湯で濡らしたタオルで体を拭き、久しぶりに洋服に着替えて外へ。 
窓からすぐそばに見える公文書館に行きたかったみたいなんだけど、残念ながら休館でした。 

せっかく外出許可をもらったしお散歩しようかと一緒にブラブラ。 
桜も少し咲いていて、風は冷たいけど気持ちよかった。 

サイゼリアでお茶したり、駅前のドンキで首元を隠せるストールを探したりして2時間程で病院へ戻りました。

まだしゃべってはいけないので、身振り手振りを理解するのが難しかったけれど笑顔が見られたから良かった。

しゃべれるかどうかわかるのは翌日。
お許しが出たら明後日来てと。





2011.4.6
発声のお許しが出たので、兄と病院へ。
兄と病院へ行くのは1月の手術以来、。 

この日からしゃべれるようになったので、たくさん笑顔が見られました。 
以前買って行って喜ばれたクロワッサンと前日に焼いたチョコレートケーキを持って行った。 
どちらもおいしいと喜んでもらえてよかった。 
たわいもない話をして笑って楽しかった。 

この日から放射線治療が再開されるはずだったけど、月曜日からになってしまった。 
抗がん剤との併用での効果を期待してのことだそう。 
でもこの何も治療していない間にもガンは進行しているんだ。 

同じ舌癌の人で、手術は怖いから放射線と抗がん剤の治療を年末から受けている同室の人と話をしたんだそう。 
腫瘍マーカーが正常値に戻ったと喜んでいたと。 

「俺も手術なんてしないで初めから放射線浴びてたらこんなことにはならなかったのかな。」と悲しそうな顔で言っていました。 
「いまさらどうにもならないけどね。」と溜息。 兄もわたしも何も言えず、ただ胸が痛くなった。 

悲しい雰囲気のままでいるのが嫌で、
「親子のスキンシップー!」なんて言いながら父に寄りかかった。 
重いとか暑いとか言われながらも笑い合って、子供の頃を思い出した。 
隣で兄が笑っていて、その隣にいるはずの母がいない。 そのうち父も…と考えたら泣きそうになった。

明日も来るねと言ったら、そんなに毎日来なくていいよと言われてしまった。
でも副作用で辛くなる前にいっぱい一緒に笑いたい。 
食べられなくなる前に、好きなものを食べてもらいたい。 
明日も笑顔が見られるよう、わたしも笑顔でいられるようにしなくちゃ。









続きます。