舌癌は癌全体のわずか3%。
父の闘病中に、何度も何度も「舌癌」というワードで舌癌患者ご本人やそのご家族の方の手記やブログを検索しましたがほとんど出て来ませんでした。
当時はたとえネガティヴな内容だったとしても、なんでもいいから情報が欲しかったのです。

少しでも「誰かの世界を参考に出来ると有難い」と思う方がいるなら書くべきだと思いました。

とはいえ病気の話はどうしても暗い話になります。
興味のない方や、癌の話で辛い気持ちになってしまう方はご覧にならないでください。

よろしくお願い致します。



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父は舌癌でした を最初からお読みになりたい方はこちらからどうぞ。

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2011.3.23
この日から父の放射線治療が始まりました。

土日祝日以外の毎日、片道1時間ほどかけての通院です。

車で送り迎えしようか?と聞くと、「お前といるとストレスになるからいらない」と言われました。

地震の翌日から、もうほとんど会話もなく過ごしていました。

イライラさせないように、必要最低限のこと以外は話し掛けないようにしました。

お互い自室にこもり、食事の時くらいしか顔を合わせなかったので私は父の変化に気付く事が出来ませんでした。






2011.3.25
放射線3回目を終えて帰ってきた父から、とても小さな声で「月曜日から入院になった」と言われました。


その日、放射線治療を終えて帰ろうと廊下を歩いていたら、偶然担当医に会ったので挨拶をすると…

担当医は父の顔を見て驚き「何その顔!?何喋ってるか聞き取れないよ!ちょっと口の中見せて!」と廊下で立ったまま見せたんだそう。

そして「このままじゃ窒息する!月曜日に入院して喉に穴開けなきゃ…!」と言われたそう。

父は、「嫌だな、嫌だな」とブツブツ言いながら部屋に入ってしまいました。



先日の放射線治療の説明の時…

放射線で喉が腫れるかもしれません。
手術で1度穴を開けているので、次回開けたらもう閉じられません。
まあ、舌癌や咽頭癌の人で喉に穴が開いていても日常生活を普通に送っている人はたくさんいますから。

と、言われました。


父は温泉が大好き。でも喉に穴が開いていたら肩まで浸かることは出来ません。

毎日ネブライザーで吸入して痰が固まらないようにしなくてはなりません。

痰の出方にもよるけど、カニューレを週に2〜3回は交換しなくてはならない。

そんな生活になったら嫌だな、と言ってからまだ10日も経っていないのに。


喉に穴を開けるのは父の気持ちを思うと辛いけれど、入院する事に関しては少しホッとしてしまいました。

入院すればきちんと栄養を考えた食事を出してもらえる。

食べられなければチューブで入れてもらえる。

何かあった時にすぐ対応してもらえる。


それから、ひどい娘だけれど…

父がイライラしないように気を遣い続ける事に疲れていました。

「こんなもん食えるか」「これはガンのエサじゃないのか」「なんでもっと食べやすく出来ないんだ」「ちゃんと調べて作ってんのか」

毎日「ごめんなさい」と言い、深いため息をつかれる事に疲れていました。

それに、ものすごく大きなイビキの音が止まる度に、息をしているのかを確認にしにそーっと行くこともしなくて良くなる。

そう思ったらホッとしてしまったんです。


翌朝、父から「月曜日は家族と一緒に来いって言われたからよろしく」と言われ、嫌な予感がしました。





続きます。