【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』
<あらすじ>
『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』
その言葉と共に、六甲山の高取神社で
「神様」という存在に、接続してもらった私。
前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さまの
子狐眷属の姿も確認できるようになり、
奇妙な共同生活(?)が始まっていた。
***
続きです。これまでのお話。
海中から空を見上げたような波打つ雲。
そんな空を私は事代主神さまの空と呼んでいる。
雨の天気予報が曇りになって、で到着時はこんな青空も見えていた。
でもコトシロヌシという神様は雨や雪で包む神。
コミュニティバスで美保関を目指しての移動中は、大粒の雨が一瞬降った。
そして3度目の美保神社。
一泊二日の美保滞在。
ご祈祷は二日目の朝にすることにして、まずは到着のお詣りに。
冬で寒さをしのぐためか、ぐるりと神幕が張ってあり、
拝殿と森のコントラストは見えない。
前回「西宮神社さまと繋がりたいです」とお願いした後に、
絵馬奉納と『西宮神社 若えびす獅子舞保存会』へのご縁を頂いた私。
まずはその事へのお礼参りから。
菊「……事代主大神さま。こんにちは。
西宮神社さまとのご縁つなぎ、ありがとうございます」
想像していた以上の "現実" を頂き、満たされた想いで拝殿に立っていた。
夢
大きく
ひるむ事なく
菊「……………"ひるむ事なく"」
夢かあ……。
私は届く事代主大神からの言葉を咀嚼していた。
それを待っていた
それを待っている
菊「……それ? それが待つとは……」
思い出したのは、西宮神社の獅子頭と、
八重事代主命の狛犬。
数十年ぶりに蔵の中から出てきた神獣たち。
その神獣たちが ”出番" を待っている……という事なのかなと思った。
風で神幕が膨らむ。
菊「…………」
最初にここに立った時は、本殿が遥か遠くに感じた。
でもこの日は違った。
なんだかとても、近い。近く感じる。
その距離は全体と同じ
私が近くなったという事
3度目だし
菊「そうですね。もう3度目です」
そうだ。今回でここに立つのも3度目。
全体と同じというのは、神域全体という意味かな。
何気なく繰り返していく参拝の中で、
神様は近くなっていくんだろうな……
初日は大鳥居そばの喫茶クリフネさんで、お茶タイム♪
一緒にお参りしたkanaさんとニコニコと楽しんだ♡
そして二日めの朝。
美保神社は毎日、朝夕の2回
「朝御饌祭」「夕御饌祭」というお祭りをされています。
同じ内容をされているのかと思っていたら、
朝は大祓祝詞を奏上されていました。
西宮神社の『万度祓』で何度も奏上してきた大祓祝詞。
ところどころ暗記している部分を一緒に上げさせて頂くことができて、
なんとも清められた始まりの時間でした。
そしてまた青い空。
その清々しい空の下、kanaさんと一緒にご祈祷をお願いしました。
ご祈祷を待っていると、ハッピ姿の男性が社務所に……
kanaさん「素敵なはっぴですね」
菊「ほんまに!」
という事で、たまたま二度目にまたその方が来られた時に、
素敵なはっぴですね♪ と声をかけたら、
「餅つきがあるので良かったら一緒にどうぞ!」とお誘い頂きました✨
そして朝一のご祈祷。
もちろんお願いしたのは「神恩感謝」
ご祈祷が始まって、自分の番の時にまた思いました。
伝えたのは「神恩感謝」なのに……
三嶋大社の時と同じように、溢れんばかりに「守護と福授け」の言葉がありました。
菊「……………」
大好きな美保神社での朝の時間。
そこに居られる事。
神と対面できている事。
全てに改めて感謝した。
ゆっくりでいい
ここのように
期限を決めるのではなく
関わりたいと思う者の気持ちは、ゆっくり受け止めていくのもいい
菊「…………」
なんとなく、
事代主大神の伝えたい事が分かった気がした。
ご祈祷が終わって、御朱印をお願いしたりして時計を見ると、
もうお餅つきの時間が過ぎていた!
菊「わーーーー✨やってはる!!」
一旦宿泊した美保館でチェックアウトして、
すぐに戻って参加させて頂いた♡
その場でお餅をつき、そして小さく千切られた白いお餅を、
『クロモジ』という木の枝に付けていく。
kanaさんとめっちゃ笑いながら、お持ち帰りサイズで作らせて頂いた♪
途中で普通サイズのつきたてお餅を食べさせてもらったり、
クロモジ茶も振る舞われたり♡
地元ケーブルTVの取材まで受けましたー♪
目指すは久具谷社。
ガマの神様を祀る御神域だが、豪雪でお社が倒壊していた。
4月に行った時は、土台や崩れた灯篭だけがあった「跡地」だった。
その久具谷社が12月に再建したと、
読者さんからコメント欄でお知らせを頂いていて……
菊「………!」
目に入ったのは、想像を大きく超える大きさの真新しい拝殿……。
そこに繋がる参道も、きちんと整えられていた。
菊「………さすが美保神社さま……
摂社末社でもこんなレベルなんだ……」
出来立ての美しい木肌を見上げながら、kanaさんとお詣りした。
一輪だけ咲いていた椿を見て、
八重事代主命を思い出した。
感激しながら下山したら、
餅花が由緒ある通りに飾られていた。
それはとても美保関に似合っていて、優しくて美しかった。
美保神社・拝殿前の狛犬はとても可愛らしい。
菊「ほんと、可愛いわ……。
あ。本殿の狛犬さまに日が射してる」
拝殿からは遠いけど、本殿にも狛犬がいる。
あんな風に、神様のすぐそばで守護するのが狛犬のお役目。
八重事代主命の狛犬たちも、あの場所に置いてあげたい。
自然にそんな風に強く思った。
だんだん帰りのバスの時間が近づいてきた。
天気予報通りに雨が降ったら、山の中の
久具谷社にお参りするのは難しいなと思っていたけど、
お天気にも恵まれた。
ここを離れるのはめっちゃ寂しい!!と思っていたら、
一緒にいたkanaさんが「また来る気満々なので♡」と何度も仰ってくれて!
その力強い言葉のおかげで、帰り際に泣くことはなかった……
はずだったのですが……
菊「…………なくなってる」
さっきまでそこにあった『餅花祭り』の風景。
それが夢みたいに消えていました。
菊「……………」
そのガランとした風景を見たら、楽しかった『餅花祭り』が
実は夢だったんじゃないんだろうかと……
狐につままれたように、
神様が楽しい思い出をくれたんじゃないかと
そんな風に思えて、急に泣けた。
色紙の『事代主神と鯛』で、後に売れた分に少し足して、
今回は一万円を納めてきました。
美保神社さまは『御造営協賛金』として、
いつでも受付をされています。
ここのようにゆったり募る方法もあるんだよっていうのを
事代主大神は伝えて下さいました。
そしてそのたくさんの気持ちで
新しく復活した、
森に鎮まる “神の居場所” も見せて下さった。
《続く》
*2018年冬の連載『コトシロヌシ』はコチラです。
*2019年春の連載『ヒルコノミコト』はコチラです。
*2019年秋の連載『留守神様』はコチラです。
毎月8日あたりに清高稲荷社境内・参道のボランティア掃除を実施中♪
次回は3月8日(日)。
もちろん菊田も参加します♡
お時間、ご予定の合います方は是非ご参加頂ければ幸いです。
集合場所:清高稲荷社境内
開始時間:13:00〜14:00の一時間程度
『御影カード』配布しています♪
★清高稲荷大明神blogはコチラです♪→【高野山】〜清高稲荷大明神〜