イラスト：並行世界の機械人形化少女・加賀美アッコⅤ

加賀美アッコは赤塚不二夫先生原作のアニメ『ひみつのアッコちゃん』に登場する女の子で、鏡の国の女王様からもらった「テクマクマヤコン」という呪文を唱えれば何にでも変身できる魔法のコンパクトを持っています。これは、コンパクトの力でロボットに変身したアッコが元の人間の姿に戻れなくなってしまうという設定のアナザーストーリーです。

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以前アッコが校外マラソン大会で、大将にやる気を出してもらおうとコンパクトの力でバニーガールに変身した時に、その話を後で聞いたシッポナに「アッコちゃん、小学生なんだからいくらなんでもそんな扇情的な格好はちょっと…」と苦言を言われたことがありました。
『扇情的な格好ってどういう意味？』
『男の子を衝動的な行動が抑えられないようなエッチな気持ちにさせる恰好ってことよ』
『そうかなあ…水泳の授業の時の水着とそんなにかわらないと思うけれど…』
『でも、アッコちゃんは、その恰好が大将を発奮させると、言い換えれば興奮させると思ってやったのよね？』
『うん…まあそれはそうなんだけれど…』
『その可愛い顔で普段より胸をかなり大きくして刺激的なコスチュームで迫ればどんな男の子もイチコロでまいっちゃう…てことを意識的か無意識的か自然に行うのがアッコちゃんのこわいところよ』
『……それはそうと、なんで普段より胸をかなり大きくしたって知ってるの？』
『単にそう思っただけよ。胸が小さいのはアッコちゃんのコンプレックスだから』
『……い、いや、そんなことは、まったくありもうさん…』
『動揺のあまり言葉遣いが変になってるわよ』
『……ごめんなさい。正直に言えばそこわりとコンプレックスでした…生まれてきてすみません…トカトントン…』
『……そこまで卑下しなくてもいいわよ。アッコちゃんに注意してほしいのは、あんまり異性に扇情的に迫るのは禁物ってこと。ただでさえアッコちゃんは無意識に異性を誘惑する魔性の女なんだから。でも何かあった時に泣くのはメス…いや女の子だっていうことは忘れないでいて。オス…いや男はみんな脊索動物門脊椎動物亜門哺乳綱食肉目イヌ亜目イヌ科イヌ亜科イヌ属オオカミだと思って、用心するぐらいでちょうどいいの』
『分類細かい…』
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「ピポポポポッ！男ノ子ニ扇情的ニ迫ルナッテイウ・シッポナノ言葉モワカルケレド・デモヤッパリ男ノ子ガ喜ンデクレルト・嬉シイ気持チモ正直アルカラ・難シイワヨネ…ピキュ～ン！」
「ピーッ！ドウシマシタ？サイバードールＡＫＫＯ１３２NOサン」
「ピポポポポッ！イヤ・チョット自己ノレーゾン‐デートルノ確認ヲ…ソレヨリ遅クナッタケレド・感謝ノ気持チヲタップリ込メテ・コレヲ返スワネ…ピキュ～ン！」
そう言ってアッコはピースケにお金を渡しました。
「ピーッ！５０００円モ？ソンナニハイタダケマセン！」
「ピポポポポッ！イイノヨ・昭和ノサラ金ダッタラ・ソレグライノ利息ハ軽クツクワヨ…計算シタコトナイケド…ピキュ～ン！」
「ピーッ！私ハタダＡＫＫＯ１３２NOサンノ・喜ブ顔ガ見タカッタダケデス・本来ナラ・１０００円モ返シテモラウ必要ハナインデスガ…」
「ピポポポポッ！ナチュラルニ女ヲ泣カセルセリフヲ言ウワネ…ソンナ男ノ子ニハコウヨ…ピキュ～ン！」
突然顔を近づけてきたアッコに不意打ちでキスをされたピースケは天にも昇る気持ちで大喜びしました。
「ピーッ！感情回路ガ興奮デ発熱シテシマイマシタ…冷水ヲオ願イシマス…」
「ピポポポポッ！アラヤダ・大袈裟ネエ…ホッペタニキスシタダケナノニ…コウイウトコロガ魔性ノ女ナノカシラネ…水道ハドコナノ？ピキュ～ン！」

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「ピーッ！コレデサイバードールＡＫＫＯ１３２NOサンヲ・バーチャルデートコースニゴ案内シマス」
と言ってピースケは、研究室の隅に置いてある黒い箱を指しました。
「ピポポポポッ！コレ・ピースケクンガ・自分デ作ッタノ？…ピキュ～ン！」
「ピーッ！私ノ給料デ部品ヲ買ッテ・ソレヲ組ミ立テテ作ッタラ・１００年タッテモデキマセン…博士ガ・自分ガ使オウト思ッテ・自分ノ母校カラ・無理ヲ言ッテ借リテキタンデスヨ」
「ピポポポポッ！博士ノ母校ッテドコ？…ピキュ～ン！」
「ピーッ！バカ田大学デス」
「ピポポポポッ！ソノ名前ノ大学ガ実在シテイルッテ・今ハジメテ知ッタワ…ピキュ～ン！」
「ピーッ！博士ハアア見エテ・母校デハ名士扱イナンデス…今日モ母校ニ講演ニ行ッテルカラ留守ナンデス」
「ピポポポポッ！話ハ戻ルケレド・コノ箱ノ中ニ・バーチャルデートコースガアルノ？…ピキュ～ン！」
「ピーッ！コノ箱ハアクマデ情報端末デ・バーチャルデートコースノアル・仮想現実空間ニアクセススルノニ・必要ナモノナンデスヨ…トイウワケデＡＫＫＯ１３２NOサン・オッパイ出シテクダサイ」
「……………………ナンカ良ク聞コエナカッタンダケレド…モウ１度言ッテクレル？ピポポポポッ！ピキュ～ン！」
「ピーッ！ＡＫＫＯ１３２NOサン・オッパイ出シテクダサイ」
「ピポポポポッ！ソリャイキナリキスヲシテ誤解サセタノハ・私モ悪カッタト思ウケレド…男女ノオツキアイッテ・キチント段階ヲフムモノダト思ウノヨ…イキナリオッパ…胸ヲサワル関係ニ至ルニハ・オ互イソレナリノ信頼ガ…ピキュ～ン！」
「ピーッ！スミマセン・説明不足デシタ…仮想現実空間ヘノ情報端末ニ接続スルタメノ・胸部ノ情報コネクタ接続口ヲ出シテクダサイ…胸部下部ノメタリックプレートヲ開ケルト・出テクルハズデス…女性型ロボットハ・大体ソコナノデ…」
「ピポポポポッ！最初カラソウ言エ！…イヤ…ピースケクン・モットワカリヤスク言ッテネ…アラ・本当ダワ・ココガ開クト・情報コネクタノ接続口ガ出テクルノネ…デモココニ情報コネクタヲ差シ込ムノッテ・ナンカチョット悪趣味ナ感ジ…他ニモウチョット良イ接続口ハナイノ？」
「ピーッ！ソレナラＡＫＫＯ１３２NOサンノヨウナ女性型ロボットノ場合・股間ノ情報コネクタ接続口ガ・モット高速デズット大容量デスヨ…ソコニ挿入シマスカ？」
「……………………実ハ胸部接続口ホド趣味ノ良イモノハナイッテ・前カラズット思ッテイタノヨネ…他ノ選択肢ナンカ全然考エラレナイグライ…モウコレシカナイッテ感ジ…コレニ決メタワ…思イキリグイット行ッチャッテ…ピポポポポッ！ピキュ～ン！」
「ピーッ！ソレデハＡＫＫＯ１３２NOサンノ胸部情報コネクタト・仮想現実空間ヘノ情報端末ヲ接続シマス…」

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「ピーッ！ソレデハＡＫＫＯ１３２NOサンノ胸部情報コネクタト・仮想現実空間ヘノ情報端末ヲ接続シマス…」
ピースケがそう言ったとたん、アッコは自分が突然ピースケと一緒に途轍もなく高い塔の天辺に立っているのを知り仰天しました。
「ピポポポポッ！エエッ！何コレ！？魔法？超能力？何デイキナリコンナトコロニイルノ？ソレニコンナ高イ場所ナノニ・手スリモ全然ナクテ怖イ！落チタラ死ンジャウ！…イヤ…壊レチャウ！誰カドウニカシテ！…ピキュ～ン！」
「ピーッ！ＡＫＫＯ１３２NOサン・大丈夫デスヨ」
「ピポポポポッ！アッ！ピースケクン！落チ着イテ！…ピキュ～ン！」
「ピーッ！ドウ見テモ・落チ着ク必要ガアルノハＡＫＫＯ１３２NOサンノ方デハ…私タチハ今・情報端末ヲ通ジテ・仮想現実空間ニイルンデスヨ…」
「ピポポポポッ！エッ！嘘！？ダッテ仮想現実空間ッテ・本物ソックリナンデショ？コレッテ本物ジャナイ…本物ソックリト本物ハ違ウワヨネ…ピキュ～ン！
「ピーッ！ナンカ言葉ノ定義アタリデ堂々巡リシソウナノデ・チョット空ヲ見上ゲテイタダケマスカ？」
「ピポポポポッ！エッ？一体空ニ何ガ…アアッ！太陽ガ３ツアル！シカモ黄色イ太陽ト赤イ太陽ト青イ太陽…一体ドウイウコト？ココハ別ノ惑星？異世界？…ピキュ～ン！」
「ピーッ！感覚的ニハ区別ガツカナイホド・アマリニモ現実ソックリナノデ・ワザトアンナ風ニ太陽ノ数ヲ増ヤシテ・区別ガツクヨウニシテルンデスヨ…私タチノ体ハアノ研究室カラ一歩モ動カズ・感覚ダケガ情報端末カラノ情報ヲ受ケ取ッテ・別ノ世界ニイルヨウニ錯覚シテイルンデス」
「ピポポポポッ！ワカッテキタワ…スルト私ノ本当ノ体ハ・コノ世界ニイルコノ体デハナク・研究室ノ中ニアッテ・情報端末ニ接続シタ間抜ケナ格好ノママナノネ…ピキュ～ン！」
「ピーッ！間抜ケナ恰好ハ余計デスガ・マアソノトオリデス」
「ピポポポポッ！スゴイワネ！チョットリアルナ体感ゲーム程度ヲ想像シテイタノデ・コレホドトハ思ワナカッタワ！コレハ期待デキソウ！興奮シチャウ！！…デモコノ世界デ何ヲシテモ・外ノ本当ノ体ハ動カセナイナラ・コノ世界カラハドウヤッタラ出ラレルノ？ピキュ～ン！」
「ピーッ！私ノ方ハ外ノ体ニ感覚ヲ少シ残シテマスノデ・情報端末ヲ操作シテ切リ替エガ可能デス」
「ピポポポポッ！フーン・ソレジャアモシ・ピースケクンガ変ナ気ヲ起コシテ・コノ世界カラ私ヲ置イテ出テイッテシマッタラ・私ハコノ世界ニ閉ジ込メラレテ・２度ト出ラレナイッテコトネ？ピキュ～ン！」
ピースケはハッとしました。アッコにひょっとすると自分が２度とこの世界から出られないかもしれないという不安を与えてしまったかもしれないと思ったのです。
「ピポポポポッ！冗談ヨ！ピースケクンガソンナコトスルワケナイジャナイ…信用シテルワヨ！…ソレジャアコノ仮想現実空間ヲエスコートシテイタダケマスカ？私ノ王子様…ピキュ～ン！」

『ひみつのアッコちゃん（Wikipedia）』

【今回描いた絵】