加賀美アッコの練習画

アッコちゃんは赤塚不二夫先生の漫画『ひみつのアッコちゃん』に登場する女の子で、鏡の国の女王様からもらった「テクマクマヤコン」という呪文を唱えれば何にでも変身できる魔法の鏡を持っています。今回のイラストは、アッコちゃんが魔法の鏡の力でロボットに変身して元の姿に戻れなくなったという設定のアナザーストーリーです。

改造絵日記(11月10日)「機械人形化ひみつのアッコちゃん」
改造絵日記(11月13日)「機械人形化ひみつのアッコちゃんⅡ」
改造絵日記(11月14日)「機械人形化ひみつのアッコちゃんⅢ」
改造絵日記(11月15日)「機械人形化ひみつのアッコちゃんⅣ」
改造絵日記(11月16日)「機械人形化ひみつのアッコちゃんⅤ」
改造絵日記(11月17日)「機械人形化ひみつのアッコちゃんⅥ」
改造絵日記(11月18日)「機械人形化ひみつのアッコちゃんⅦ」
改造絵日記(11月21日)「機械人形化ひみつのアッコちゃんⅧ」
改造絵日記(11月23日)「機械人形化ひみつのアッコちゃんⅨ」
改造絵日記(11月24日)「機械人形化ひみつのアッコちゃんⅩ」
改造絵日記(12月1日)「機械人形化ひみつのアッコちゃん11」
改造絵日記(12月5日)「機械人形化ひみつのアッコちゃん12」
改造絵日記(12月8日)「機械人形化ひみつのアッコちゃん13」
改造絵日記(12月12日)「機械人形化ひみつのアッコちゃん14」
改造絵日記(12月16日)「機械人形化ひみつのアッコちゃん15」
改造絵日記(12月23日)「機械人形化ひみつのアッコちゃん16」

☆pixiv
ひみつのアッコちゃんロボットハート(その1)
ひみつのアッコちゃんロボットハート(その2)
ひみつのアッコちゃんロボットハート(その3)
ひみつのアッコちゃんロボットハート(その4)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「アッコ、そんな恰好じゃ恥ずかしくて外に出れないだろう。俺が必ず服を取り戻してやるからな」
「う、うん…お願いね。大将だけが頼りよ」
アッコは昔バレエを習っていた時にレオタードを着ていたこともあったので、それほど恥ずかしい恰好と感じていたわけではなく、どちらかと言うと衣服よりコンパクトを取り戻しに行きたかっただけなのですが、大将にそう言われて(そうか…男子の目からは女子がこういうレオタードみたいな格好をするのはすごく恥ずかしく感じていて人目が気になるように見えるのね。それなら協力してもらうためにはそう思わせておいた方がいいかも)と考えました。
「実は私、以前からね、大将にはちょっと感謝していたことがあるのよ」
「えっ、アッコが俺に?」
「そう。私お転婆だし、わりとそそっかしくておっちょこちょいだから、本来ならもっと陰で悪口を言われていたんじゃないかと思うのよ。でも、大将が必ず私よりも大きなヘマをしでかしてくれるから、私のヘマってあんまり目立たないのよね。それにみんなが怖がっている大将とガンガン対等に言い合えるから、大将の抑え役みたいに思われて一目おかれていたりするの。私がクラスで浮かずにいられるのは大将のおかげだと思ってるのよ」
「…………それって褒めてるのか?」
「うん。良く喧嘩もするけれど、そういう意味では最高の男友達だと思ってる」
目の前でレオタード姿の可愛い女の子にそう言われて、大将はすっかりのぼせてしまいました。
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アッコと大将が体操部部室の近くの木陰から覗くと、レオタード姿の女の子が1人立っているのがちらりと見えました。
「やっぱり体操部員が部室の前で見張っていたわね。どうしよう?」
「アッコ、ここは俺にまかせとけ」
大将が手にした長いものをほうり投げると、ものすごい悲鳴が上がり女の子はどこかに飛んで逃げていってしまいました。
「何をしたの、大将?」
「ヘヘヘ…途中で見つけたヘビを捕まえて、それを投げつけたんだ。女の子って大体ヘビは苦手だろ」
「まあ…気をつけてよ。毒ヘビだったらどうすんの?」
2人は見張りがいなくなった体操部部室のドアに駆け寄りました。
「ありゃ、鍵がかかっていてあかないや」
「大将、ドアの上の小さな窓が開いてるから、そこから入れるわ。衣装もレオタードだし、氷室冴子先生の『クララ白書』みたいね」
「何だいそりゃ?」
「有名な少女小説よ。読んだことない?」
「この俺が少女小説を読むわけないだろ」
「それもそうね。大将はドアに手をついてそこに立っといて。私は肩の上にのってそこから小窓をすり抜けるわ…ちょっと遠いわね。悪いけれど、お尻を押して私を持ち上げてくれる?」

「ええっ?レオタードのお尻を!?」

「構わないわよ。減るもんじゃなし」

「だってこれってセクハラになるだろ?」

「本人が嫌がるからセクハラになるのよ。私がいいって言ってんだから」
アッコが小窓を抜けて、体操部部室の中に入ると、部室の机の上にアッコの衣服とともにお目当てのものが置いてありました。
「あった、あった。私の大事なコンパクト。これさえあれば百人力。今日はもう遅いけれど、明日になったらあいつら、とっちめてやるわ!」

アッコは室内の椅子を組み合わせて適当に土台を作ると、小窓から顔を覗かせ、心配げな顔の大将に人差し指と親指で丸を作ってOKのサインを送りました。

「見張りが戻って来るかもしれないから急ぐわよ。頭を下にして小窓から飛び出すから、ちゃんと受け止めてよ、大将!」

「ええっ?お、おい!」

大将の体にレオタードの布地に包まれた柔らかい肉体が勢いよく覆いかぶさり、2人は勢い余ってアッコを下にする形で地面に倒れました。

「重いわね、大将…少しはダイエットしたら?」

「ごめんごめん…って俺が謝るところか?そもそも出る時は内側から鍵を開けて出られたんじゃないのか?」

「そういえばそうね。相変わらずそそっかしいわ、私……でも大将の左手も相当そそっかしいわよ。一体どこ触ってんの?そこはさすがにダメでしょ!」
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「ありがとう大将。すごく助かったわ。今日という今日はすごく感謝してる」
「服が無事見つかって良かったな、アッコ。それじゃあ着替えて帰ろうぜ」
「大将は赤点の補修はもういいの?」
「へへへ…今日はもういいや。明日補修の補修をしてもらうよ」
「それじゃあ、もう着替えなくてもいいわ。このまま一緒に帰りましょ!」
「ええっ!?服着替えなくてもいいのかよ。その恰好恥ずかしいだろ?」
「ふふふ…恥ずかしいけれど、大将はこんなレオタード姿のあたしと一緒に帰りたいんじゃない?」
「ええっ…」
「今日限りのサービスよ。私からの感謝の印…まあ、また明日からは元どおりの喧嘩友達に戻るつもりだけれどね」
それ以来、大将は何を見てもアッコに見える(大抵の場合、実は本物のアッコの変身だったりしますが)恋わずらいの症状をみせるようになったのでした。

『ひみつのアッコちゃん(Wikipedia)』

【今回描いた絵】