無添加&ナチュラル系洗濯洗剤の成分を比較してみよう!-石けん系・非イオン系などの選び方- | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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昨日はかずのすけ新刊の「秒でわかる!最強の家事 -暮らしは、化学でラクになる!-」の発売日でした!!

 

ご購入下さった皆様、本当にありがとうございます!(*^_^*)

 

ぜひ日々の疑問の解決&年末年始の時間つぶしにもご活用頂けると嬉しいです!!

 

 

今日はこちらの発売記念も兼ねまして、

 

最強の家事 PERT2「洗濯の化学」から

 

本の内容を活かしながら実際に商品の成分を確認してみよう!

 

という試みをやってみようと思います!(^_^)ゞ

 

 

 

 

肌や衣類、環境に優しい洗濯洗剤をお求めの方にはとても参考になる内容になると思います!

 

 

 

 

◎無添加&ナチュラル系洗濯洗剤の成分を比較してみよう!

 

 

というわけで恒例の製品比較記事ですが、

 

「洗濯洗剤」の比較はこれまでやってるようで…やっていないんですよね。

 

 

ただ洗濯洗剤がどういうものがあるのかとか、

 

かずのすけのお勧めの洗濯洗剤の選び方みたいな話は既に扱っているので、

 

洗濯洗剤、生活用品系記事のまとめ

 

良かったらこちらから気になる記事を探して頂けると良いと思います!

 

 

 

今日はそこから派生しまして、

 

表題にもありますように…

 

『無添加&ナチュラル系洗濯洗剤』

 

をいくつか集めてみたのでこれらを比較していきたいと思います!!

 

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まぁ、「無添加」「ナチュラル」といっても厳密な定義があるわけではないので

 

完全に僕の個人的なイメージで選んでみたのですが…(^_^;)

 

 

買ってきたものを書きだしてみますね!

  1. そよ風 せっけん
  2. アラウベビー洗濯用せっけん
  3. ピジョン ピュア
  4. ヤシノミ洗濯洗剤
  5. ハッピーエレファント
  6. 無添加さらさ
  7. エコベール洗濯用
  8. 気になる成分無添加洗剤

 

 

 

結構有名どころを集めてみたので、

 

もしかしたら皆様がご利用になっているものもあるかもしれません!!

 

 

 

◎「最強の家事」を使って洗濯洗剤を見分ける方法

 

 

では最初に準備として、

 

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最強の家事の73ページを開いて下さい!

 

 

 

ここには「家庭用洗剤に含まれる主な界面活性剤一覧」というのが載っています。

 

食器用洗剤なども含めて、家庭用洗剤に含まれるほとんどの界面活性剤をまとめています。

 

 

 

次に開いて頂くのは85ページ

 

 

 

ここには洗濯洗剤を大きく分けると大体この「3つの種類」に分けられるよ!という内容が書いてあります。

 

 

 

洗濯洗剤は基本的に全て「界面活性剤」が主成分になっていますので、

 

この主成分の界面活性剤の種類から、その特性を大まかに分類することが出来るのです。

 

 

 

基本は界面活性剤の種類に合わせて

 

「石けん系」「陰イオン系」「非イオンor両性イオン系」の3パターンに分類できます。

 

 

 

 

基本的な特性をざっと書いておくと、

 

<石けん系>

・皮脂や垢への洗浄力が高く、クエン酸等で中和して上手く洗うと弾力のある仕上がりになる。

・「石鹸カス」が残留しやすく、硬水で泡立ちにくく、弱アルカリ性のため天然繊維が洗えない。

・石鹸カスが残留すると皮膚刺激になったり、異臭の原因に。

 

<陰イオン系>

・洗浄力が高く、硬水でも泡立ち、石けんカスが残らない。中性なら天然繊維も一応洗える。

・繊維が静電気をおびてごわつくためふわふわにするには柔軟剤が必要。

・天然繊維も洗えるが、徐々に風合いが損なわれる。

・刺激になりやすい成分がいくつかある。

 

<非イオン&両性イオン系>

・皮脂や垢への洗浄力はイマイチだが、非常に低刺激で静電気を帯びないため肌に優しい。

・柔軟剤なしでもごわつかず、中性~弱酸性の場合は天然繊維を洗える&繊維を痛めない。

・殺菌効果が低いためニオイが出やすい。(漂白剤併用や乾燥機を利用すると良い)

 

 

 

というわけで、

 

僕のお勧めとしては「洗浄力」を求めるなら色々洗剤を混ぜた陰イオン系や石けん系が良くて、

 

「肌への刺激や環境への配慮」などを考慮すると非イオン系or両性イオン系がお勧め

 

ということになります。

 

 

 

 

 

 

 

そういうわけで、

 

今回持ってきた洗剤をこれらに当てはめるとどうなるのか?

 

…を実際に見ていきますね!

 

 

 

 

◎完全な「石けん系」は『そよ風せっけん』と『アラウベビー』の2つ

 

 

まず「そよ風石けん」「アラウベビー」の成分を見ると、

 

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いずれも『純石けん分』というのが主成分ということになっています。

 

そよ風が脂肪酸カリウム脂肪酸ナトリウムの混合石けん(35%)。

アラウベビーが脂肪酸カリウム30%になっています。

 

 

 

 

 

石けんには色々呼び方があって「高級脂肪酸塩」「脂肪酸ナトリウム」「脂肪酸カリウム」などなどありますね。

 

家庭洗剤系ではほぼ「純石けん分(脂肪酸○○)」みたいな風に書いてあります。

 

カリウム石けん(脂肪酸カリウム)は水に溶けやすいので、これらの液体石けんの主成分になっています。

 

 

 

古くは「石けんは肌にやさしい」「環境に良い」と言われていたのですが…、、

 

今ではあまりそうとも言えなくなってきています。

 

 

石けんカスがでやすい特徴から衣類残存性が高いことや、

 

洗濯に必要な1回の使用量が多いので原料に使う油脂も沢山消費します。

 

 

また洗濯洗剤としてうまく使うのもやや難しい玄人向けの側面もあります。

 

 

個人的には現代では色々な洗剤が開発されている状況で固執して使う必要があるか?というと疑問に感じています。

 

 

 

 

あと最後にちょっと気になったのは、

 

そよ風石けんは合成香料が加えられています。

 

アラウは天然精油が入っています。

 

 

石けん成分で無添加イメージがある割には香りはしっかり付けてきてるんですね。

 

洗濯洗剤は無香料が良いと思う人も増えてきているので、

 

僕はちょっと「う~ん?」と思ったポイントです。

(一応合成よりは天然の方が匂いは残りにくいです)

 

 

 

 

◎『ピジョン ピュア』『ヤシノミ洗濯洗剤』は「非イオン混合タイプの石けん系」

 

 

次に、

 

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赤ちゃん用洗剤の「ピジョンピュア」

 

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こちらは「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」「純石けん分」というのが主成分です。

 

また注目ポイントとしては『7.6%』と界面活性剤濃度がかなり薄いです。

 

洗濯洗剤だと界面活性剤が薄いと洗浄力が落ちてしまうので、濃度が薄いのはあんまり嬉しいことではありません。

 

 

メインの成分は「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」で、非常に低刺激の非イオン系洗剤なのですが…

 

 

非イオン系の特徴として、

 

「陰イオン系合成洗剤」や「石けん」などが一緒に入ってくると

 

そちらの特性の方が強くなってしまうため、


他の洗剤が混合されると非イオン系のメリットはほとんど失われてしまいます。

 

 

石けんなどを混ぜれば洗浄力は上がるので、それは良いことですが

 

繊維へのダメージや肌刺激などは上がってしまうということになります。

 

 

なのでちょっと器用貧乏な感じの商品になってしまっているかも。

 

 

 

「ヤシノミ洗剤」も似たような感じになっていますね。

 

 

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非イオン系の「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」と「ポリオキシアルキレンアルキルアミン」に、

 

純石けん分(脂肪酸カリウム)が加えられています。

 

 

ピジョンピュアと同じく非イオン混合タイプの石けん系です。

 

 

 

ただ決定的に違うのは、ヤシノミの方が界面活性剤濃度「32%」と非常に高濃度です。

 

1回の使用量目安も少なくてコスパはこちらの方が良さそうですね。

(あとで値段も書きますがこっちの方が使用量を考えると大分安いです)

 

 

あといずれも「無香料」なのはすごくポイントが高いですね。

 

 

 

成分的には非常に似ていますが、どちらか一方を選べと言われると

 

濃度が高くてコスパの良いヤシノミ洗剤が良いかなと思いました。

 

 

 

 

◎『ハッピーエレファント』『エコベール』『さらさ』は「陰イオン系の混合合成洗剤」

 

 

 

次にちょっと皆さんのイメージと違うかもな、と思ったのはこの3つの商品。

 

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100%天然由来原料で安心、肌にやさしい洗い上がり~

 

と書いてある「ハッピーエレファント」ですが…

 

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主成分が「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」という成分です。

 

それに「アルキルポリグルコシド」+「ソホロースリピッド」といういずれも非イオン系の成分が配合されています。

 

 

「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」はシャンプーで有名な「ラウレス硫酸ナトリウム」のことです。

 

洗濯洗剤だとしたら比較的上質な成分になるのですが、

 

かといって別に凄く良い成分というわけでもありません。

 

 

「石油系界面活性剤不使用」とありますが、その昔石油系界面活性剤の代名詞として使われていた洗剤のひとつです。

(今は植物油脂で作ってるだけで…、成分は同じモノ)

 

 

アルキルグルコシドとソホロースリピッドが主成分だったら凄く良かったのですが、

 

こちらは恐らく1%程度の添加で、基本の洗浄はラウレス硫酸ナトリウムがやっていますので

 

入っていたとしても特に意味はありません。

 

一般的な陰イオン系かなという感じです。

 

 

弱アルカリ性なのでおしゃれ着も洗えないし、陰イオン系なので柔軟剤も必要になります。

 

濃度も9.2%と薄めで、香料も天然精油が入っています。

 

 

 

 

「無添加さらさ」

 

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これもアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(ラウレス硫酸Na)主成分ですね。

 

石けんも入っているので、石けんカスの残留も気になるところ。

 

「酵素」が入っていますので、繊維残留すると皮膚刺激になりやすいです。

 

ちなみに普通に合成香料も入っています

 

 

一番気になるのは巧みに名前を隠している『LAS』ですよね。

 

 

「LAS」は最強の家事の本文で触れているのですが、

 

『直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム』という成分の略称です。

 

 

決して毒物というわけではありませんが、

 

陰イオン系洗剤の中でも残留性が比較的高く皮膚刺激も強いので、

 

今ではあまり洗濯用洗剤にも配合されないようになってきています。

 

 

これをさらっと配合しているあたり「無添加?」って感じです。

 

 

 

 

実際に「無添加」なのは漂白剤・着色剤・蛍光剤の3つだけで、

 

実は結構色々入っているんですよね。苦笑





そして個人的にかなり微妙だなと思ったのが

「エコベール」です。

 

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13%と界面活性剤濃度は低めですよね。

 

10%超えなのでまぁマシなのですが、、

 

 

主成分は非イオン系の「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」で、これは良いです。

 

ただし、次に入っているのが特に良くない。

 

 

LASと同様かそれ以上にあんまり入っていて欲しくない成分ですね。

 

「アルキル硫酸エステルナトリウム」です。

 

 

 

 

これは非常に紛らわしいのですが、

 

「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」と「アルキル硫酸エステルナトリウム」は別物です。

 

「エーテル」が入っている方が『ラウレス硫酸ナトリウム』で、今では国内のシャンプーなどにも使われている成分です。

 

しかしエコベールに入っているこの「アルキル硫酸エステルナトリウム」は「ラウリル硫酸ナトリウム」という成分のことで、

 

 

最も残留性が高く、最も皮膚刺激の強い合成洗剤です。

 

 

国内ではほぼ使われることが無くなっている洗浄剤の一種です。

 

個人的にはLASより避けたいやつですね。

 

ラウレス硫酸ナトリウムと名前が似ているのは、ラウレスがラウリルを改良して作られた成分だからですね。

 

 

 

 

 

あとは石けんも入っているので石鹸カスの残留も気になるし、

 

香料も普通に入っているし(恐らく合成香料)…。

 


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ラウリル硫酸ナトリウムは最も最古の合成洗剤なので30年前から同じ成分なのかもしれませんが、

 

どう考えても「人と地球に優しい」は現代的には言い過ぎかなと思います。


まぁ海外の製品なので、向こうではラウリル硫酸ナトリウムを主成分に使っていないだけでも賞賛ものなのかもしれませんね(^_^;)

 

 

 

 

◎唯一の完全非イオン系は『気になる成分無添加洗剤』のみ

 

 

最後に、

 

もしこの8商品の中から1つだけ選んで使えと言われたらこれを使うな、と思ったのが

 

ファーファさんの『気になる成分無添加洗剤』です。

 

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ちゃんと本体を買っていなくて本当に申し訳ない気持ちでいっぱいですが…(苦笑)

 

 

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これは非イオン系の「ポリオキシアルキレンアルキルアミン」と「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」の2成分のみでした!

 

 

なので唯一の完全「非イオン系」です。

 

濃度も30%と結構高めで、香料も入っていません。

 

他の酵素や着色剤や漂白剤やなんだかんだも色々入っていません。

(「抗菌剤」がちょっと気になる成分ですが…)

 

最も無添加率が高いと僕は思います。

 

 

 

ただ一点難点があるのは、液性が「弱アルカリ性」になっています。

 

これは恐らく洗浄力を高めるためなのだと思いますが、

 

弱アルカリ性だと絹やウール、カシミヤなどは洗えないのでその点が残念。。

 

 

 

 

◎無添加&ナチュラル系洗濯洗剤の成分まとめ

 

 

というわけで今回の8商品を比較してみた結果がこちらです。

 

 

個人的には赤ちゃん用とか無添加系、環境配慮、繊維ダメージとかを考えるのであれば

 

弱酸性や中性の非イオン系or両性イオン系が一番お勧めなのですが、

 

 

よく知られている無添加系やナチュラル系だとそういうのはほとんどありませんでした。

 

中には普通の洗濯洗剤と大差無いものもありましたし、

 

ほぼ全部弱アルカリ性もしくは陰イオン系とかなので脆い繊維を洗えないものばかりでした。

 

 

 

というのも、こういった洗剤は大体「洗浄力を高くする」ことを優先で作っているので

 

あまり肌刺激や繊維負担を重要視していないのですよね。

 

 

もし肌に優しい非イオン系などを探す場合は「おしゃれ着用洗剤」などで調べた方が良い物があります。

 

 

ただしおしゃれ着用洗剤もかなりの落とし穴がありますので…、、

 

それについても後日記事にまとめたいと思います!




では本日は以上です!


 

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