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前回の記事からの派生ネタです。
▶無添加&ナチュラル系洗濯洗剤の成分を比較してみよう!-石けん系・非イオン系などの選び方-
ホントは各製品についてもっと詳しく書きたかったのですが
この状態でも5000字くらい書いているのでさすがにこれ以上は長過ぎ…ということで色々説明を端折りました(^_^;)
あと製品の紹介はできるだけ個人的な偏見はなしにできるだけフラットな視点で皆さんにも読んでもらいたいなと思って居ますので
僕の個人的な意見は最小限にとどめて書いたつもりです。
ただ今日はしっかり僕の意見を明記しておきたいと思います。
◎「石けん系洗剤」は敏感肌やベビー用の洗濯に適しているのか?
前回記事でやはりとても反響があったのが
「石けん系の洗剤って敏感肌やベビー用にはあまり良くないの?」
というコメントが多数寄せられました。
これについてはブログを長く読んで下さっている方にとっては既におなじみかなと思いますが、
僕は石けん系の洗濯洗剤は敏感肌やベビー用の洗濯に適しているとは考えていません。
色々な要素を複合的に考えると、
敏感肌やベビー用として考えるならむしろあまり選ばない方が良い洗剤のひとつだと考えています。
というのにはいくつか明確な理由があります。
理由①石けんは「石鹸カス」が残りやすく衣類残存しやすい
石けんは全ての洗剤の中でも非常に特異的な性質を持った洗剤(界面活性剤)です。
色々特殊な性質はありますが、中でも洗濯洗剤として致命的なのが
『石けんカス』
というものが残りやすいことです。
石けんで洗濯してみたことがある人なら一度は悩んだことがあると思いますが、
洗濯後に衣類に白っぽい粉末状の物質が残ってしまうことがあります。
これが「石鹸カス」です。
正式名称としては「金属石けん」といった方が正しいのですが、
簡単に言うと水道水中の金属(ミネラル)分と石けんが反応して固体として析出してしまったものです。
(あとで簡単な実験をお見せするのでそちらで実物も見られます)
非常に水に溶けにくい物質でそのまま触れても皮膚刺激になったりはしませんが、
汗をかいたりすると汗の中に含まれる酸性物質などと反応して金属石けんが溶け出してしまうため
これが原因で肌刺激になったりします。
実際昔アトピーがひどかった時に石けん系を使っていたことがありますが、
後述するその洗濯のめんどくささとは裏腹、特に肌にやさしいという印象はありませんでした(^_^;)
むしろいつも通りかそれ以上に痒いぞ…と思ったこともしばしば…。
理由②衣類の異臭・洗濯槽のカビ・洗濯機の故障の原因になりやすい
また、石けんカスが原因で他にも色々トラブルが起こりやすくなります。
よくあるのは洗濯後の衣類の異臭ですね。
石けんカスなどが残存すると、同時に石けん成分も衣類に残ることになります。
石けんの非常に優秀な特徴として「生分解性」といって微生物の分解性が良好な性質があるのですが、
これは裏返すと微生物が繁殖しやすいということになります。
そのため石けん洗濯をした衣類は臭いやすいと言われています。
上手に洗って残像量を抑えられればこれは発生しにくくはなるものの、
通常の洗濯洗剤に比べて臭いが出やすいのは難点です。
(これは非イオン系や両性イオン系よりも顕著です)
また同様の理由で洗濯槽のカビが発生しやすいのも問題です。
カビが発生しやすく、さらに金属石けんが洗濯機内部に堆積していくと
これが原因になって洗濯機が故障しやすくなることもあります。
このようなデメリットを改善するために過炭酸ナトリウム(粉末酸素系漂白剤)を併用しろという人もいますが、
過炭酸ナトリウムは強力な漂白剤で、
粉末残留しやすいため衣類に残ると重大な皮膚刺激要因になります。
▶万能洗剤?オキシクリーン・酸素系漂白剤の主成分【過炭酸ナトリウム】の正体とは
肌のためにと石けんを使っているならこれは本末転倒です。
理由③洗濯にコツが必要で多忙な主婦・子育て中にはお勧めしにくい
またこれも非常に問題があると思っている要素で、
石けんの洗濯には色々とコツと手間が必要です。
こちらのページを見て頂くと分かるのですが…
▶石けん洗濯の達人 (石けん洗濯の達人~洗濯機でのふだんの洗濯を上手に~)
石けんは通常の洗剤類と違って水質による洗浄力の減退が凄く大きい成分なので、
それに応じて色々な手間暇をかけて洗濯する必要があります。
予洗いしたりお湯を使わないといけなかったり洗剤を予め溶かしたり洗濯中に泡が立っているのか確認して継ぎ足したり、
また上述の理由から洗濯槽や微小ゴミ用ネットなどが汚れやすいためそれを頻繁に洗浄しなければならないなどなど…
(ちなみに上のやり方に加えて柔軟剤の代用として「クエン酸」を加える方が質感も良くなるし色々残留物も減りやすくていいですが、毎度水に溶かさないといけないのでこれもこれで手間がかかる。)
こんな面倒な洗剤を忙しい主婦&子育て中の皆さんに無理強いすることは僕には出来ません。
しかも上に書いたように石けんは普通に皮膚刺激になるし洗濯機も壊れやすいし別にこれだけの手間をかけるメリットってそんなに無いんですよね…。
理由④使用量が通常の洗剤より多くなりがちなので環境負荷が少ないとも言いにくい
また環境のことを配慮して石けんを使う人もいますが、
これも今ではかなり微妙だと言われています。
というのも、、
石けんは上述したように水質との関係で洗浄力が減退しやすく、
また低濃度になっても洗浄力が著しく低下してしまうため
通常の合成洗剤に比べて1回の洗濯に必要な洗剤の使用量が非常に多いのです。
前回持ってきたアイテムを例にすると、
使用推奨量が
無添加さらさ(界面活性剤27%)は30Lあたり23mlで、
そよかぜ石けん(純石けん35%)は45mlです。
濃度がより高いにも関わらず石けんの方が約2倍量の洗剤が必要になります。
同じ濃度で比較すると生分解性が良好で環境負荷が優しいのは石けんですが、
倍量になってしまうとそれが怪しくなる部分がありますし、
(多分二倍くらいならそれでも石けんの方がまだ分解しやすいと思いますが)
金属石けんが出るとそれが魚類のエラ呼吸を阻害してしまうなどの問題も指摘されています。
また、洗剤の合成に使用する油脂の使用量も倍量増えてしまうので、
その分木々の伐採量の増加に繋がるとも考えられます。
ゆえにエコの観点からもイマイチ環境配慮とは言いにくいのですよね。
結局色んな尺度から考えて、
現代の科学水準では合成洗剤と石けんでは押し並べて石けんの方が環境配慮型の洗剤とは言えなくなっているのです。
それよりもむしろ低濃度で洗浄力を発揮してくれる現代の進化した合成洗剤の方が環境負荷が少ないと結論する研究者も多いです。
◎「石けん」は敏感肌やベビー用に最適な洗濯洗剤とはいえない
ですので総合的に判断して、現状では敏感肌やベビー用として一般的な合成洗剤より石けんの方が優れているというのは難しいと僕は思っています。
ただ、市販されている洗浄力第一に考えられた合成洗剤の多くは漂白剤や酵素、柔軟剤などの皮膚刺激になりやすい添加物が多いのでこれが衣類に残って皮膚刺激になる場合が多いです。
柔軟剤を使わないとゴワつきも解消しないため、これも問題なので、、
僕としては柔軟剤が不要な非イオンor両性イオン界面活性剤が主成分で添加物が極力少ない洗濯洗剤が最も肌にやさしくベビー用にも適していると考えています。
このような洗剤も全くデメリットがないわけではないのですが、
石けんのそれと比較すれば余裕で容認できますし対策も簡単です。
(これについてのお勧めは次回まとめますね。)
それでも「石けんが好きだ!」という人もやっぱりいると思いますので
敏感肌やベビー用に比較的使いやすい石鹸洗剤を見抜くマル秘テク
を最後に紹介して終わります。
◎「石鹸カスが残りにくい石けん洗剤」を見抜く簡単テクニック
まず色々な石けんのデメリットの中でも最もお邪魔虫なのは「石鹸カス」です。
石けんカスが残るから石けんが衣類に残ったり洗濯機に詰まったり色々悪さをするわけです。
つまり、石鹸カスさえ残りにくければ石けんのデメリットは比較的解消されると言えます。
(とはいえ限界はあるので完全解消されるわけではありません)
以下では「石けんカスが残りにくい石けん洗剤」を見分けるための簡単テクニックを紹介してみます。
まず「石けんカス」の実物に関してなのですが、
あまり意識したことのない人も多いと思いますが、絶対に誰しもが一度は見たことがあるはずです。
ここに「精製水」を入れたビーカー(左)と、「水道水」を入れたビーカー(右)×2を用意しました。
精製水には一切の金属成分などは含まれていません。限りなく純水に近い水です。
石けんカスは先ほども書いたように、
「水中の金属成分(ミネラル)と反応して出てくる」ので、
つまり精製水では発生しません。
皆さんは、『石けんは水に溶かすと白く濁る』と思って居る人が結構いらっしゃると思います。
しかし、実はそれは間違っています。
石けん成分30%の「アラウベビー」を使いまして、
ご覧の様に全く濁りません。
そう、実は石けんは純水に溶かすと白く濁らないものなのです。
金属成分が存在しないので、キレイに水に溶けられます。
しかしこれを、金属成分を含んでいる「水道水」に溶かすと…
この『白い濁り』こそが、何を隠そう『金属石けん』そのものです。
白い濁りは金属成分と石けんが合体して出来た白色粉末が水中に漂っているから白く見えるのです。
この状態で洗濯するから、これがそのまま衣類に残ってしまうというわけ。
大体の石けん洗剤は、このような感じで「水道水」に溶かすと白く濁ります。
しかし中には、水道水に溶かしても白い濁りが出にくいものがあるのです。
では次に同じく純石けん35%の「そよ風石けん」を約20ml、水道水に溶かしてみましょう。
ご覧のように、そよ風石けんはミネラルを含んでいるはずの水道水に溶かしても、
白い濁り(金属石けん)が発生しません。
同じ水道水に溶かしているのに、2つを比較するとこれだけの差があります↓。
どちらが衣類残存しやすいかは火を見るより明らかだと思います。
なので、僕なら両者で比較するなら
「そよ風石けん」の方が敏感肌やベビー用に使うには適していると判断します。
つまり、石鹸カスが残りにくい石けん洗剤を見分けるテクニックとは…、
『水道水に溶かして白く濁るかどうかを見る』
これだけです!
白く濁るものは石鹸カスが残りやすいもので、石鹸のデメリットが出やすいです。
濁らないものは石鹸カスが残りにくく、石けんのデメリットがある程度解消されていると判断できます。
ちなみになぜそよ風では金属石けんが発生しない(しにくい)かというと、
これはそよ風石けんに含まれている「キレート剤」という成分の効果です。
洗濯洗剤の背面には1%以下の成分は書かなくて良いので他にも成分が入っている場合があります。
こちらは公式ホームページで開示されているそよ風石けんの全成分表です。
こちらの『EDTA-4ナトリウム』というのがキレート剤の成分名称なのですが、
これは「金属封鎖剤」といって、水中の金属成分を優先的に捕捉して石けんと反応しない状態にしてくれる成分です。
これは一応添加物の一種なのですが、
化粧品の洗顔石けんなどにも普通に使われている成分なので、
肌に刺激になるものではありませんし、とても安全性の高い成分です。
(※ただし体質や肌質に合わない人もいるので、100%安全というわけではありません)
金属成分を水に溶けやすい状態にしてくれて、
金属石けんの残留を防いで異臭やカビの繁殖、洗濯機の故障をある程度予防してくれます。
石けんのデメリットの多くをこれの配合だけでかなり改善できるため、
石けん洗剤の場合はキレート剤の配合は基本的に不可欠です。
入っていないものと入っているものでは、肌への影響なども大きく違います。
ただし、
キレート剤はあまり高濃度で配合すると生分解性が低いので環境への負荷が増えます。
なので石けん洗剤でも入っているものは1%以下と微量配合です。
キレート剤は入っている分しか金属成分を無力化できないので、
元々地域的に水道水のミネラル分が多いと完全に無力化出来ない場合もありますし、
水道水の量を増やせば足りなくなることもあります。
ゆえに
入っているからと言って石けんのデメリットを完全解消できるとは言えない
という点にはくれぐれもご注意下さい!
以上、敏感肌・ベビー用の洗濯における石けん系洗剤についてのかずのすけの見解と、
比較的扱いやすい石けん洗剤を見分けるテクニックの紹介でした!
皆様の参考になれば幸いです(*^_^*)
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