オイルクレンジングには石油系界面活性剤が入っているから肌に悪い? | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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「オイルクレンジングには石油系界面活性剤が入っているから肌に悪い」


というまことしやかな噂があるそうです。



『クレンジングオイル』は昔から「肌への負担が強い」と言われて敬遠されがちのアイテムですね。

実際に市販で安く売っているクレンジングオイルはとても洗浄力が高く、

「使用後はバリバリに肌が乾燥してしまう」という話はよく聞きます。



僕も実験用に幾つか持っているのですが、

まさか自分の顔に使ってみようとは到底思えないようなものばかりです…(^_^;)




なのでかずのすけも

市販でよく売っているクレンジングオイルなんて絶対におすすめしません。


実際に全然良くないものが多いのです。

 





しかし、それは「界面活性剤がどうのこうの…」という話では全くありません。

むしろ

クレンジングの良し悪しを判断する上では界面活性剤などほとんど無関係です。



また、確かに安いクレンジングオイルは良くないものが多いのですが、

かずのすけが推奨するクレンジングの種類はオイルタイプです。笑


「わけわからん!」と思う方も居られるかもしれませんので詳しく説明していきましょう。





◎クレンジングの良し悪しに界面活性剤はほとんど無関係!


まず冒頭でご紹介した都市伝説の話ですが、

これは実際には全く根拠が無いデタラメ話です。



前回の記事でも扱ったように

クレンジングには基本的にすべて同様に界面活性剤が配合されています。
 

 


リキッドやミルクでもクリームでもオイルでも、

まぁ担う役割は違っているとはいえ同じく界面活性剤は入っています。


ちなみに【リキッド】や【ミルク】には

・ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル
・イソステアリン酸PEG-8グリセリル


などが主に使われていて、

【オイル】や【クリーム】には

・トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル
・テトラオレイン酸ソルベス-30


みたいな名前の界面活性剤が入っています。
(ややこしくてすいません;)




ただどれが石油系だ?と言われても正直なんとも言えません(^_^;)


多分ヤシ油脂肪酸~ってやつは「ヤシ油」って書いてますので植物由来ですが、

それ以外は全部石油系かというとそうとも言い切れません。

そもそも『石油系界面活性剤』の定義は非常に曖昧です。



一般的には「石油から作られた界面活性剤」という意味なのだとは思いますが、

界面活性剤の性質を語る上でそれが『一体どの原料由来』かという話は全く意味のないもので、

今では石油だろうと植物油だろうと全く同じ物質が作れる時代ですから

名前でそれらを判断することは出来ないのです。


 

つまり由来で考えればリキッドでもオイルでも石油由来の界面活性剤が入っている可能性は十分にあるため、

それを理由にオイルクレンジングばかりを貶めるということは出来ないでしょう。





また別の考え方で由来はこの際置いておいて、

石油系界面活性剤=

ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Na、ラウリルベンゼンスルホン酸Na、オレフィンスルホン酸Na…


などの一部の洗浄用界面活性剤を指すという定義の仕方もあります。


これらの界面活性剤は安価なシャンプーや衣類用洗剤、食器用洗剤などに配合されているもので、

確かに比較的強めの皮膚刺激があります。


ですからあまり品質の良い洗剤とはいえないものなのは事実です。

もしこの類の界面活性剤が大量に入っているようであれば、

クレンジングとしては是非避けて通りたい商品ということになるでしょう。



しかしもし石油系をこの定義でとらえた場合は、

クレンジングにはこの類の界面活性剤はほぼ入っていないと考えて結構です。


そもそもクレンジングでは「発泡」する必要が無いので、

こういった洗浄用の【陰イオン界面活性剤】は用いられません。


上記で記載しているものも、

その他のクレンジングの主要な界面活性剤はほぼすべて【非イオン界面活性剤】という類のもので、

皮膚刺激性などが非常に弱く、肌への負担はとても小さいのです。



よって一般の消費者がクレンジングを選ぶ際には、

界面活性剤を基準に考えることはまず出来ないと思って頂くべきでしょう。



リキッドでもオイルでも、そこにはさほどの差は無いのですから。




実際には非イオン界面活性剤でも構造等から皮膚への負担を考慮することは可能で、例えばPEGの付加モル数(「トリイソステアリン酸PEG-○」の○の数字)が小さい方が分子構造が小さく、その分皮膚への浸透作用が高い=刺激の懸念があるということが言えます。なので界面活性剤の性質を引き合いに出せば、リキッドタイプやミルクタイプの方が分が悪いと言えるでしょう。ただ非イオン界面活性剤の刺激は陰イオン界面活性剤等と比較するとすべて無視できるようなものなので、あえて比較する意味もないということです。





◎クレンジングオイルの品質は「オイルの種類」によって決まる



そこで、

なぜかずのすけがメイク落としには「オイル」を勧めるか、という話ですが、

それは非常に単純な話で、

メイクは油ですから油で落とすのが最も効率的だからです。



リキッドやミルクは界面活性剤オンリーの力でメイクを落とさなければならないため、

洗浄力が乏しく使用量も増え、しっかり落とすには摩擦も必要になります。

そうなると肌への負担も相応に増えるということになります。






ですがだからといって安いクレンジングオイルを使うのはオススメ出来ません。


かずのすけがなぜ安いクレンジングオイルはダメと言っているかというと、

それは界面活性剤がダメなのではなくて主成分の「オイル」がダメだからです。




例えば手元にあった安いクレンジングオイル代表でこちら2つを紹介すると、

 

image


どちらとも主成分に「ミネラルオイル」というオイルを使用しています。

 

 

 

 

 

 


この「ミネラルオイル」ですが、

特にこの油自体に肌への刺激とかがあるわけではありません。

成分自体はとても安全で安心の成分なのですが…、


クレンジングとして使用した時には注意が必要です。。



「オイル」と言っても世の中にはいろんなものがありまして、

【油脂】【エステル】【ワックス】【高級脂肪酸】【高級アルコール】【炭化水素油】【流動パラフィン】【シリコーンオイル】…

すべて「オイル」の一種ですが実はそれぞれ性質が異なっているのです。
(この詳しい話はまた別の機会にしますね^^;)



その中でも「ミネラルオイル」は特にオイル同士の混ざり合いに優れており

主成分が油であるメイク成分のクレンジングに非常に特化している反面、

肌に必要な皮脂分などの油分も同時にクレンジングしてしまうのです。



これをオイル同士の混ざり合いの性質をもう少し弱めたものを主成分のオイルとして使用すれば、

クレンジングオイルでも肌に低負担のものを作ることは十分に可能であり、

実際にそういったアイテムも既に商品化されています。


そしてこの究極系がかずのすけ推奨の『油脂系クレンジング』ですね。


詳細は昔のものですが以下記事に譲りたいと思いますm(_ _)m

究極のクレンジングの条件




◎クレンジングを選ぶときは界面活性剤なんか忘れていい



化粧品の性能は最も配合量の多い成分に最も左右されます。


クレンジングオイルの主成分は「オイル」であって界面活性剤ではありません。

なのでオイルの性質に最も左右されるのです。



ネット情報を見ているとホントに、

「クレンジングオイルには界面活性剤がなんたらかんたら…」

とか言って「オイルはダメ!」の一点張りみたいな記事も多いですが、


実際にはクレンジングの選別には界面活性剤なんてほとんど何の役にも立ちませんよ。



まぁかなりマニアになって成分解析も板について、

さらなる特性とかを読み解く段階に来れば界面活性剤を見てみてもいいですけど、

かずのすけですらクレンジングを解析するときは界面活性剤なんてあんまり見てません(^_^;)



ちょっと前の解析でも、一切界面活性剤に触れなかった商品もあったはず…(苦笑)



ですから、

「界面活性剤は怖いよ怖いよ」

っていう時代遅れの誤情報にそそのかされて折角の商品選択の幅が狭まってしまうというのは、

とても勿体無いんじゃないかなぁと僕は思うのです。






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