【目次】

(0)序:理系学生の会社研究の盲点

(1)荏原製作所はどんな会社で、どんな職種の新卒募集をしているか?

(2)機電系・土木・建築系を採る工夫と、国は学生を増やす努力を!

[付録] 荏原 畠山美術館と上杉謙信(霜は軍営に満ちて)

(0)理系学生の会社研究の盲点

P: 前回は、新卒・既卒を問わず、自治体が機電・土木・建築系の人材を採用する動きが、ますます活発化している状況を、ご友人のZくんとチェックしました。※1

ただ、東京都内の自治体だと、機電系より土木・建築系の方が足りない印象で、たとえば東大和市は経験者対象ですが、建築技術の通年採用を始めています。

 

D:  上のページを見ると「建築技術」の関連先が、都市づくり課、管財課なのはわかりますが、都市基盤課(道路など)や下水道課でのニーズもあるんですね。

P:  建築を勉強中の学生だとインフラ関係の会社は、土木の縄張り? と考えてあまり会社研究の対象にしないでしょうし、一方、土木関係の学生でメーカー志望というのも少ないのでは?

D: 機電(機械・電気電子)だと、いわゆる”ものづくり企業”ならどこからも需要があることを、学生も知ってますから幅広く企業研究しますが、土木・建設・建築だと、専門コンサル会社(例)までは意識しても、メーカーは…。

P:  たとえば三菱電機でも、「プラント建設統括部」で、

インターン募集をしてましたね。

ちなみに、三菱電機で、12の事業領域があるんですよ!

D:  三菱電機だと知名度がありますが、メーカーの多くは、「○○? えっ、なんの会社?」と言われがちです…。

P:  以下で取り上げる「荏原製作所」も、失礼ながら筆者もDくんも「社名を聞いたことがある」レベルでしたが、新卒募集のHPの「職種紹介」で、職種ごとに「知識を生かせる専攻」の案内をしてくれていて、とても分かりやすかったので、今回、Dくんとみていきたいと思います。

 

(1)荏原製作所はどんな会社で、どんな職種の新卒募集をしているか?

P: 荏原製作所の原点はポンプ製造で、いまも、建築・産業設備向けの機械や、エネルギー関連(タービンなど)、水、廃棄物関連の製品を多く作っていますが、実は、半導体製造装置のCMP装置(化学機械研磨装置)で世界シェア2位、排ガス処理装置なども手掛けています。さらに、新規事業で
水素事業/航空宇宙事業/エコ・GX事業/マリン事業/バイオ事業

なども。

D:  自社の技術と事業を、周期律表形式にまとめたページ

https://www.ebara.com/jp-ja/technical-personnel/

がユニークですね!

 

(図:上記ページより、部分を引用)

そして、「職種紹介」のページでは、機械・電気が「データサイエンス」なども含めて、たいていの職種に対応しているのが分かりますし、土木・建築だと「施工管理」で活躍できそうですね。

P:  日立製作所もそうなんですが、荏原製作所も、いわゆる「ものづくり」だけでなく、設備建設などを総合的に手がけているようですね。
ポンプを使った排水機場・浄水場などの社会インフラ設備や、廃棄物焼却プラントなどのプラント・機場を建設する事業の「施工管理」に、土木・建築の専門知識が必要だと。

D:  機電・土木・建設系のどれもに関係がありそうな新規事業として、水素発電向け液体水素昇圧ポンプの開発が面白そうですね。

P: さらに、この水素事業が航空宇宙事業ともリンクして、新しいプロジェクトも生まれつつあるようです。

こういう新規事業には、多様な専攻の人材、ただし「今ある現実を疑い、試してみて、新しいものを生み出していく。そういう個の探究心による突破力」を求めているようなので、新規事業に興味のある方はチェックしてみては?

 

(2)機電系・土木・建築系を採る工夫と、国は学生を増やす努力を!

D:今回は、他社の「機電系・土木・建築系を採る工夫」が聞けるというPさんの誘い文句だったんですが。

P:まずは、オーソドックスな「奨学金返還支援」の話題です。

公的機関、たとえば東京都だと、今年(令和7年度)から、東京都内の自治体(都・区市町村)に採用された職員むけの、奨学金返還支援事業をはじめました。

D: 支援は、返還額の50%、上限が150万円(学士)・225万円(大学院)ですか。
P: 企業の「代理返済」については、下記のページに334企業の一覧が載っています。
 

この「代理返済」では、企業が日本学生支援機構などに、直接返済します。

D: 支援の上限や期間は、各企業でずいぶん違いますね。

差額は、社員が負担するわけですが、仮に上限150万円・5年間として、年30万円の出費が抑えられるわけですから、ありがたいですよ。

P:  当ブログ監修者のSさん(地方国立大学・文系卒)から以前きいた話では、1980年代だと地方銀行や地元有力企業の奨学金をもらって、そのままその企業に就職した知人が何人もいたそうで、いわば「暗黙の了解」だったそうです。

D: 上の記事と同じサイトに、「企業・民間団体の奨学金【採用無関係】一覧」と、わざわざ【採用無関係】とあるのが、逆に…。

 

P: 別のサイトの情報だと、ソニー、電通、ニトリ、キーエンス、コカ・コーラ、三菱UFJ信託などの有名・有力企業が、財団を設置=別組織で、給付型奨学金を実施しています。

 

D: その中には「青田買い」を狙ったものもあるかも? と。

P: 優秀な学生と接点をもつのが就活ならぬ企業の「採活」?の第一歩で、Dくんの会社は機電系のリクルーター採用をしているわけですが、荏原製作所は「リファラル採用」をしています。

 

上の記事は、2021年の記事でこのときは新卒と中途で18人。

現時点(25/12)では、リファラル採用の対象は「キャリア採用」になっていますが、これは数年前に、いろいろな会社の新卒と先輩社員との間の「就活ハラスメント」問題が報道された影響かな。

自治体も、機電系・土木・建築系の「既卒採用」を強化していますので、Dくんの会社も、検討してみては?

D: そもそも、自治体は機電系・土木・建築系がそんなに人手不足なら、自治医科大学のように、全国の自治体(都道府県)が協力して、機械/電気電子/土木/建築などの専門人材を育成すべきだと思います!

P: 自治医科大学の医学部の入学定員は123名ですが、学費などが2300万(9年間の公務員生活で実質免除)! 工学系の専門人材育成費(学費)は、私立大4年間で約600万円なので、すくなくとも年間500人くらいの育成はできそうですね。それでも、都道府県あたり10人程度ですが。

D:  国が、国立大学・工学系の定員を増やしてくれてもいいんですが、とにかく供給の絶対数がたりません!

P: 国と言っても、産業関連は経産省、大学は文部科学省の管轄なので、もっと上のレベル(首相?)が指示しないと、定員増は難しいのかなあ?

ちなみに、「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」など、内閣府、文科省、経産省が連携する事業などはありますが…。

企業として、最終手段は、自前の大学、学部の設立ですね。

豊田工業大学とか、京都先端科学大学工学部機械システム電気工学科とか。

D: 京都先端科学大学の理事長は、今、業界外でもニュースになっているニデック(旧日本電産)の永守 重信氏なんですね!

P: 筆者は、2018年夏、関西旅行に行ったときに、太秦の京都学園大学(当時)のキャンパスまで行って、工学部棟の工事中写真を撮影しています。

D: 当時から注目していたんですね。
P: アメリカだと、カーネギーメロン大学(カーネギー家、メロン家)、シカゴ大学(ロックフェラー家)など、富豪が設立した工学系でも有名な私立大学がありますから、S社とかH社とか、日本でももっと増えてもいいのではと思います。
D: 1社では難しくても、地方なら地元企業と地元の公立大学が協力して、工学部をつくることはできるかも。
P: あと、国立大学でも地元企業と協力して、イベントを開催する例もあります。
たとえば、埼玉大学の「100円朝食は、学生は生協食堂の朝メニューが100円で食べられる代わりに、協賛企業の説明を聞きながらの食事になります。

埼玉大学だと全学部対象になりますが、工学部は静岡大や山形大、茨城大などのように、工学部だけ別キャンパスという大学も多いので、「100円朝食」をピンポイントで提供できますよ。

D:  在学中に、こういうイベントがあったら、ぼくも利用したかったな。

P:社員食堂のメニューが充実していると、新卒勧誘のときも有利ですよ

 

[付録]  荏原 畠山美術館と上杉謙信(霜は軍営に満ちて秋気清し)
今回、企業研究の対象を荏原製作所にしたのは、やはり当ブログの縁です。

宅建Tシリーズの共著者Sさんに宅建試験受験の感想を港区・白金台で取材した際、Sさんから近くの「荏原 畠山美術館」を奨められて行ったら、美術館の創設者&荏原製作所の創始者、畠山一清氏が、能登の守護大名だった畠山氏の後裔でした。

https://www.ebara.com/jp-ja/innovation-story/first-innovator_01/

能登の畠山氏といえば、上杉謙信が畠山氏の居城・七尾城を攻めた際に詠んだ漢詩

九月十三夜陣中作 上杉謙信
 霜満軍営秋気清
 数行過雁月三更
 越山併得能州景
 遮莫家郷憶遠征」

が、寒い季節になるとレミオロメンの「粉雪」と並んで? 思い浮かぶんですよね~。

三行目の「越山併得能州景」(越山あわせえたり、能州の景)の「能州の景」がちょうど、謙信が七尾城を攻め落として、越州(新潟・富山県)の山々(領国)だけでなく、能登も加わったという喜びをうたっていまして、勝った側は良いですが、では敗れた畠山氏はといえば…無事生き残り、しかも上杉家と奇妙な縁があったようで。

 

 

※1 Dくん、Zくんは、同じ大学・院(学科は別。Dくんは機電系)を21年に修了し、現在は別のメーカーのエンジニアとして、都外(違う県)で働いています。

 

【写真提供】①Pixabay、②Pixabayの写真(給水塔)を筆者が生成AIでピカソ風に、③筆者撮影・荏原 畠山美術館

【BGM】

D選曲:離婚伝説 「ファーストキス」

P選曲:I Don't Like Mondays. 「切ないラブソングはいらない」

①八王子市「令和8年度新卒枠」では入庁年度が2027年4月~2029年4月(3か年)選べる

【25年12月8日補足】

以下の記事(12/6初出)は、「八王子市令和8年度新卒枠」について書いていますが、12/8現在、市の職員採用インデックスページには、

が並んで掲載されています。

上の3つの募集はいずれも「25年12月15日(月)13時」が応募の締め切りなので、【令和8年度 新卒枠】、【第2新卒・既卒枠】も、それぞれ上記リンクから詳細をご覧ください。

そのうち追加募集があるかもしれないので、気になる方は上記のインデックスページの更新をチェックしてみては?

 

P: 前回(7月)の記事で、東京・多摩20自治体の採用合同説明会など、過熱する自治体の技術系公務員(機電、土木、建築)採用の動きをお伝えしました。

この参加20自治体には入っていませんでしたが、東京都の市で最大の人口(約58万人)の八王子市が、【令和8年度 新卒枠】の募集をしていましたので、今回もZくんとチェックしていきます。 

 

 

Z: 「令和8年度 新卒枠」ということは、2026年3月卒業生が対象ということですか?

P: それが、今回の募集は、入庁年度は次の3か年

  令和9年(2027年)4月、令和10年(2028年)4月、令和11年(2029年)4月

から選択可になってるんですよ。

Z: 民間の27卒~29卒ということですね。

メーカー(機電系推薦、リクルーター等除く)などでは、いま(25年12月)の時点だと、27卒向けの冬イベントに参加して、26年1~3月で早期選考をするのが普通かな?

P:  水面下の動きは分かりませんし、とにかく会社によって採用形式・時期は、ばらばらです。

たとえばユニクロ(ファーストリテイリング)は、「FRパスポート」といって、選考フローの人事面接を通過した応募者に「FRパスポート」を発行。発行から3年以内に、このパスポートを提示すれば、いつでも最終面接を受けられる募集があります。

 

 

Z: 大学1年生が応募して、この「FRパスポート」を取得すれば、たとえば大学3年生の今の時点で、いきなり最終面接を受けられると。

一方で、八王子市の募集だと、最終面接に合格したら29年4月まで入庁を待ってもらえるということで、たとえば学部で受験しておいて、大学院にすすみ民間就活がうまくいかなければ、八王子市へ…という、市がいわば滑り止め覚悟の募集に踏み切った感じですね。

P: 募集職種には、

 行政、デジタル、社会福祉、心理、土木、建築、機械、電気

がありますが、うち

 デジタル5名、土木20名、建築10名、機械10名、電気10名 (程度)

一方で、行政が50名なので、技術系採用枠の方が多いんですよ。

Z: 今年10名採用予定といっても、29年入庁希望の人がいれば、そこは別勘定になるんでしょうかね?

P:  とくに、土木・建築は、慢性的に人手不足のようすで、たとえば立川市は、経験者採用ですが、「看護師」とならんで、土木・建築の技術者を11月に募集していました。

 

技術系の経験者はもう、通年募集の市も珍しくないし、いつどこの市が追加募集をしてもおかしくない状況なので、八王子市も、もし良い応募者がいれば、とにかく合格パスポートを渡しておくのでは? 

で、いずれはどこかの市が、通年での「新卒募集」をしそうな気がします。

Z: ちなみに、技術系では一定の資格があれば、教養試験免除とありますが、その資格が「技術士」などなんで、学生で持っている人は少ないと思いましたが…。

P:大学院修了見込みの人も教養試験免除なので、むしろこちらが狙いかな? 

土木・建築の大学院修了だと、首都圏では大手メーカーとの人材獲得競争になりますから。

Z: 逆に、機械・電気系で学部で卒業予定の人は、自治体のこういう募集は選択肢に入れておいてよいかな?

大手メーカーのエンジニア(研究・開発系)だと、大学院修了見込みが、就活のスタートラインになるので。

②令和7年度23区合同説明会

P: こちらも前回(7月)の記事で紹介した、東京23区の合同説明会が、

  2026年1月11日(日) 立教大学(池袋)で開催されます。

 

Z:  こちらも事前申し込みが、12月22日までなので注意してくださいね。

 

P: 今後も自治体の技術系(機電・土木・建築)採用の動向を随時お知らせの予定ですが、これだけ機電・土木・建築人材の需要があるということは、これから大学の工学系を受験する方にとって、これらの学科はねらい目かも? ということで、またZくん(プラスDくん)と話していく予定です。

 

【写真提供】Pixabay

【BGM】

Z選曲:Vaundy 唄:RADWIMPS「前前前世」

P選曲:KANA-BOON「シルエット 」


P:  21年に首都圏国公立大学・工学系修士を修了、いまは某メーカーでエンジニアとして働くZくんに、自校問題作成高校や国公立大学入試(理系)の経験が「現在」にどうつながるかを語ってもらうシリーズの第1回
  第1回「都立自校問題作成高校」受験についてはこちら

のあと、第2回ではなくすぐに「特別編:上」をお送りしました。

【特別編:上 目次】
(1)講演会「クマムシの謎と生命の不思議」
(2)SSH(スーパーサイエンスハイスクール)とは
(3)自校問題作成高校の一角、立川高校に創造理数科

Z:  上編の冒頭はたしかに、ぼくが拝聴した兵庫県立大学・國枝先生の「クマムシ」に関する講演会の紹介だったんですが、いつの間にか、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)とか、都立高校の「創造理工科」の話へと、巧みに誘導された気がします…。

P:  もともと筆者とZくんの会話は、余談だらけで、ブログに書けているのは10%以下なのは間違いありません。

ただ、今回のタイトルにあるとおり、Zくんが習った「自校問題作成高校」の先生方も、授業でけっこう余談が多かったようですね。

Z:  大学受験に役立つようなアドバイスに加えて、先生方の「蘊蓄(うんちく)」が聞けました…残念ながら内容はもう覚えてませんが…。

P: 実は、自校問題作成高校の生徒は、そういう「余談」からスタートして、自分でいろいろな調べ学習をすすめる習慣とアウトプット能力が身についているのでは? というのが、下編のテーマです。

【特別編:下 目次】

(1)西洋史の課題で「ピョートルくんと愉快な仲間たち」

(2)モーツァルトの墓とクマムシ

(3)高3教科書の「舞姫」と、「銀の匙」

(4)大学受験勉強でのデジャブ:既視感

(5)大学教養課程でのデジャブ(レポート作成)と留年予防

(1)西洋史の課題で「ピョートルくんと愉快な仲間たち」

P:  Zくんが高2のときに、西洋史の先生が、文字通りの「自由」レポート(A4数枚程度)を課題に出し、Zくんが「ピョートルくんと愉快な仲間たち」のようなタイトルで構想をねっていたときに、その下書きを見せてもらって、着眼点に驚いたことを、覚えています。
ふつうは、「偉い人がこんなにすごいことをした」という調べものになると思います。
逆に、「孫子(孫武)」みたいに、「若い時は苦労したけれどのちのち偉くなった」とか。
Z:さすがに高校時代の学習のもろもろは、大学合格の後すぐに処分してしまったので、ぼくも記憶が頼りですが、Pさんから、「ピョートル大帝は、数学者のライプニッツと交流があったはず」とアドバイスをもらったことは覚えてます。
P: ライプニッツとロシアのピョートル1世との交流はお互いの後半生の出来事ですが、Zくんのレポートは、20代のピョートルくんが、お忍び?でヨーロッパへ長期視察に行った時のエピソード=下記のような内容を、まだ中2病治りかけの筆致で書いてましたよね。

 

Z:世界史の授業だと、下記のように、プロイセン、オランダ、イギリスで技術を学んだ…みたいなまとめ方になると思いますが、ぼくは、ピョートルくんと仲間たちが、(たしか)ロンドンの宿泊先でどんちゃん騒ぎをして、宿の主人から損害賠償請求された…などの「愉快な?」逸話を書きましたね。

 

 
そして、その時のレポートには書いてませんが、ピョートル1世は後年、「髭税(ひげ税)」を課すんですよね。
P: それは初耳でした!
生成AIのまとめ ↓
『ピョートル1世の「髭税」は、ロシアを近代化させるため、西洋風の身だしなみを強制する政策の一環でした。当時のロシアでは宗教的・伝統的な理由からひげが重んじられていましたが、ピョートル1世はひげを生やし続ける男性に高額な税金を課し、剃ることを奨励しました。税の支払者には、ひげを生やす権利を証明する証明書が発行されました。 
●髭税の目的と背景
近代化政策の一環: ピョートル1世は西ヨーロッパを視察し、ひげが時代遅れだと考えました。ロシアを先進的な国家にするため、国民の生活習慣や身だしなみを西洋風に変えることを目指しました。
経済的動機: 税金は、戦争の軍事費など、国の財源確保にも役立ちました。
抵抗への対応: 抵抗した者には、警察が公の場で強制的にひげを剃らせることもありました。 
●税金の詳細
身分による金額の違い: 宮廷、軍、政府関係者、裕福な商人、その他の商人や町人、農民など、身分によって課される税額が異なっていました。
証明書の携帯: 髭税を納めた男性は、ひげを生やす許可を得た証明書を携帯する必要がありました。 』
 
日本でも、明治維新以降「ちょんまげ」が徐々になくなりましたが、「禁止」や「課税」はしていませんからね。
 

(2)モーツァルトの墓とクマムシ

Z: Pさんと話してると、話題が次々に飛ぶんですが、飛びついでに、上編で紹介した國枝先生の「クマムシ」の講演の中で、ウィーンの「モーツァルトの墓」について触れられていたので、その話題を。

上の写真だときれいな白い石像ですが、これは観光シーズン前に清掃されているためで、シーズン前は苔むしていることもあるそうで。

ウィーンの研究者仲間が、ここのコケからクマムシを採集できたと聞いた國枝先生が、ウィーンを訪れた際に寄ったら、写真のようなまばゆい白の状態…。

「最強のクマムシも、清掃人には勝てなかった」と。

P: 日本だと「こけのむ~すま~で」と、コケをそのままにしておくかもしれませんが…。

Z: 國枝先生は、ウィーンの「モーツァルトの墓」と話されましたが、ではウィーンのどこにあるか? 調べたら、郊外の聖マルクス墓地でした。

ただし、墓には遺体が入っていないんですよ。

P: これも初耳ですね!

Z: 実は、モーツァルトだけが、特別に悲惨だったわけではなく、当時のウィーンはペストが流行していて、その対策の一環として、ウィーンの市街地(城域内)には遺体を埋葬させないようにした。代わりに、郊外の共同墓地に葬ったんですが、その埋葬方法が「全ての遺体は衣服を着けず麻袋に入れ、棺桶には入れず埋葬」だったと。

 

 
P:  つまり土葬=「微生物による分解」ですよね。
Z: なんだか上編の「下水道の汚水処理技術」にもつながってきますね~。
 
(3)高3教科書の「舞姫」と、「銀の匙」
P:  筆者の出身高校では、2年・理系クラスの子に世界史の「自由レポート課題」を出したはずはない! と自信をもって言えます(文系は知りませんよ?)。
やはり、自校問題作成高校の受験対策で、中学の3年間、記述式の特訓を受けてきた生徒相手だから、先生もこんな出題ができたわけで。
Z:  実は、以前の記事(Z: 伏すこと久しき者、飛ぶこと必ず高し…都立自校問題作成校卒業生が10年後に語る)で、Pさんが、ぼくが中2のころに高校受験勉強のトレーニングで、森鴎外の「舞姫」の内容要約をしたエピソードを紹介しましたよね。
ふと、どこかの入試問題で、この「舞姫」を出題している例がないか? 検索したんですよ。
そうしたら、今でも高3の教科書に収録されているんですね!

 

P: 筆者もZくんも、授業で「舞姫」を習った記憶がまるでないので、教科書会社が違ったのか? 

そもそも、授業で教科書を使ったかなあ?

Z: ぼくの高校は、さすがに灘校の国語教師・橋本先生が、灘中生に3年間「銀の匙」を教材に授業したような、授業スタイルではありませんでしたが、

 

高3なら、どうやったら共通テスト・「現代文」の得点力アップができるか? のアドバイスに重点を置いた授業プラス演習だったはずです。

P: ここも、すでに中学校3年間、自校作成問題:国語(例:戸山高校 令和7年度国語PDF)対策の特訓を受けてきた生徒相手なんで、Zくんの先生は、授業をけっこう自由にすすめられていたはずです。

理系だと、現代文などが苦手という方は珍しくないんですが↓

 

 

 

(4)大学受験勉強でのデジャブ:既視感)

Z: そういえば、大学受験の勉強をしていたときに「あ、こんな勉強を過去にもやったな」と感じたんですよ。
勉強の中身は、当然違うんですが。
P: 自校問題作成高校の入試は、ほとんどが
 理社…東京都共通問題

 英数国…自校作成問題

です。
これって、科目/数は違いますが

 大学入学共通テスト…全国共通問題
 個別試験…大学/学部/学科個別問題
と同じ構図なんですよ。 
筆者ら地方高校の生徒(県トップ校をのぞく)は、大学受験勉強ではじめて、勉強時間の配分や勉強法に悩みますが、

 

 

Zくんはすでに中学時代に、そういう勉強時間配分の経験もしているし、個別問題のような記述式問題への対策(例:戸山高校25年数学回答)もしていたと。

Z:  中学時代は、とにかく目の前の塾の課題を、がむしゃらに片づけていったんですが、高校時代は、自分がこのペースを守って、上位集団についていければ、なんとかなりそうだな…という見通しがありました。

P:  Zくんは、3年間、半分よりも上の成績をキープしたんだよね。
Z:  ぼくの在校時、卒業生のおよそ半分が国公立大学に合格していました。
だから、学年の「上半分」が、ぼくの目標にもなっていて、学校から出される課題もかなり多かったので、「受験対策」については、まずは様子見をしていました。
P: そうやって様子見をしていたら、2年生の秋(夏休み明け)から、なんだかクラスメイトの雰囲気が変わったそうですね。
Z: はい。2年生後半から…というと、遅いように思われるかもしれませんが、そもそも自校問題作成高校では、先生も生徒も親も、国公立大学への進学という共通ゴールをめざしているわけで、ぼくもマラソンにたとえるなら、旧帝大や医学部を狙うようなトップグループではなくても、2・3番手の集団にい続ける努力はしてました。
P:その集団のペースが、2年生の秋(夏休み明け)から突然あがったわけですね。
Z: そこから僕も、国公立大学合格に実績のある受験塾に通い始めました。

(5)大学教養課程でのデジャブ(レポート作成)と留年予防

P:  受験生時代のZくんとは、年賀メールとかをやりとりするくらいでしたが、無事に大学合格後は、工学部Zくんシリーズで、大学生活を折にふれて取材させてもらってました。

Z: Pさんからは、合格お祝いの言葉と同時に、「工学部は留年多いから」というありがた~いアドバイスもいただきましたね。

おかげさまで? 工学部4年間を全単位制覇(単位を落とさない、いわゆるフル単)でフィニッシュできましたが。

 

 

P:  当ブログの過去記事の中でも「留年」関連の情報は、けっこう昔の記事でも読まれているんですよ。

とくに教養科目は、受験から解放されて油断した1年次に落とすと、理系だと2年次からの実験・演習科目の足をひっぱります!

なので、言ったんだと思いますが(記憶にないけど)。

そのZくんの教養課目での成績なんですが、単純に単位を落とさなかっただけでなく、文系科目でも「優」が多かったですよね?

Z: 文系科目は、もともと興味がある科目を選択できましたから、これもPさんからアドバイスいただいた「出席」プラス、期末の「レポート」(教養科目:文系はテストではなくレポートが大半でした) も着実に提出しましたね。

P: その「レポート」も、やはり自校問題作成高校の受験対策特訓で、記述力が身についてる上に、高校でまたまたレポートの嵐をくぐりぬけてるから、こなせるわけで。

地方の高校の理系出身者だと、いきなり「○○学に関するレポートを、□日までに提出」と言われると、途方にくれますよ!

Zくんのレポートはいくつか見せてもらったことがありまして、筆者がいまだに覚えているのは、「文化人類学」の課題(文化人類学の本1冊の紹介)で、「宇宙文化人類学」をテーマにした発想ですね。

というか、文化人類学者のみなさんが、すでにこのテーマに取り組んでいることにも驚きましたが!

Z: ぼくはたしか、下記の本を要約して提出したはずです。

大学院修了後、他県への引っ越し前に本も大部分を寄付したので、手元にありませんが。

ちなみに、上編で話した國枝先生の講演会でのお話の中に、月とクマムシと人類&地球生物に関わる「月の箱舟」計画も紹介されていましたので、文系教養科目のレポート作成に悩む理系のみなさんは、政治・経済・宗教・西洋史・環境問題など幅広いテーマと関連づけられますから、調べてみてください。

 

 

あと、教養科目のレポート対策のヒントになるページがこちら ↓

 

 

P: 上の記事は、元法学部生の方の2007年のアドバイスなんですが、大学当局も生成AIを利用したレポート作成には、日進月歩で対策をしていると思いますし、なにより、社会人になると自分の頭新しいモノやアイディアを生み出す構想力が、大事になりますので、生成AIには頼りすぎないように。

 

次回は、そんな生成AI時代だからこそますます大事になる、「記述力」や「構想力」、「企画力」などについて引き続き、Zくんと話す予定です。

 

【写真・画像】提供:Pixabay 上から①ピョートル1世像(サンクトペテルブルク)、②モーツァルトの墓(ウィーン)、③ブランデンブルク門(ベルリン) ④イメージ写真:「試験」 ⑤イラスト:テーマ「月面」

【BGM】

Z選曲:Official髭男dism 「Pretender」

P選曲:唄:竹中雄大 Official髭男dism 「Pretender」

 

 

 

2025年11月1日、当ブログのZくんシリーズで、高校~大学院・就活関係の話題を提供してもらっているZくん(現在は、メーカ-の技術者。都外在住)が、わざわざ多摩地区の小平市まで講演を聴きにくるというので、西武新宿線・小平のカフェで、ランチ。

【特別編:上 目次】

(1)講演会「クマムシの謎と生命の不思議」

(2)SSH(スーパーサイエンスハイスクール)とは

(3)自校問題作成高校の一角、立川高校に創造理数科

(1)講演会「クマムシの謎と生命の不思議」

P: この講演会は、小平市の施設「ふれあい下水道館」の開館30周年記念イベントとして募集があったので、筆者がZくんに情報提供しました。

定員が120名だったので、募集人数にあまりがあれば、筆者も申し込もうかと思ってましたが、10月中旬で定員に達して、募集終了になったようです。ちなみに、Zくんは、申込開始初日に申し込んだとか。

1-1)きっかけは「へんないきもの」

Z:  クマムシは、ちょうど高校生のときに「へんないきもの」を読んで以来、興味がありました。

 

 

実は、今回講演された兵庫県立大学・國枝武和先生もこの本を読んでクマムシに興味をもたれたそうで、下のページに、そのエピソードと、今回の講演のテーマに深くかかわりがある「乾眠」(かんみん)についてやさしく書かれています。

 

 
P: クマムシといえば、小平市のHPにも載っていたキャッチコピー「100度のしゃく熱、-270度の絶対零度、宇宙空間や太陽の放射線――あらゆる過酷な環境を耐え抜く、最強のミクロ生物」のような、スーパー生物という印象でしたが、それは「乾眠」状態での話で、普通に飼育すると寿命は数か月なんですね。
Z: 講演の中でも触れられていましたが、クマムシにもいろいろな種類があり、帰宅してから調べたら、1400種以上! 

 

 

P: 岡山県・操山高校のHPに、クマムシの顕微鏡観察のくわしい紹介が載っていました。高校の校庭のコケから、オニクマムシとトゲクマムシが採取できたようですね。※1

Z: 國枝先生の講演では、ヨコヅナクマムシの話題がでてきましたが、それはクマムシの中でも、このヨコヅナクマムシが、高い乾燥耐性をもつ&飼育可能な種だからのようですね。

 

 

P: 埼玉県立川越高校のみなさんが、ツノトゲクマムシの飼育&電子顕微鏡撮影した成果が、ネットで紹介されていました。

 

 

國枝先生の研究(例:2024年東大准教授時)については、次回「特別編:下」の、その次に話題にするとして、今回はこの川越高校も指定された実績がある、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)について触れたいと思います。※1

というのは、自校問題作成高校でSSHに指定された高校がけっこう多いんですよね。

 
 

(2)SSH(スーパーサイエンスハイスクールとは)

P:そもそもSSHとは(生成AIの説明を短く編集)

『国際的に活躍しうる科学技術系人材の育成を目的として、文部科学省が指定した高等学校等における取り組みです。 

教育内容:
通常の学習指導要領にとらわれない、独自の理数系に重点を置いたカリキュラム(数学、物理、化学、情報科学など)を編成・実施できる。
実験や課題研究などを通して、自ら課題を見つけ、解決する力を育む。

具体的な活動:
国内外での研修やフィールドワーク。
大学や研究機関、企業と連携した高度な教育。
研究成果の発表会や各種コンテストへの参加。』

 

Z: たしかに現在、SSHに指定されている東京の高校の中に、

 戸山高校

 富士高校(現在は中高一貫校化)

 日比谷高校

 立川高校

 国分寺高校

が入っていますね。※2 

ただ、戸山高校は2024年でSSHの指定が終了、2025年は2年間の経過期間中ですが…。

P: 戸山高校は19年間にわたってSSHの指定をうけてきまして、OBの方が文科省のSSH事業や戸山高校のSSH活動について、ご自身の経験をまじえて、紹介されています。 ↓

 

 

著者のYuulisさんが書かれているように、自校問題作成高校の生徒は、最終的に(上位)大学進学が目標になるので、3年生になると、SSHの活動よりも受験勉強にシフトせざるをえないようですが、逆に高1・2年でSSHの活動もしたいという方は、上記のSSH指定高校を志望校選びの参考にしてください。

Z: ぼくの高校は在籍時にSSH指定は受けていませんでしたが、國枝先生のような最先端の研究者を招いての講演会や、東京という地の利を生かして大学との交流などは盛んでした…そういえば、高校に入学してすぐに、首都大学東京(現・東京都立大)のキャンパスに、見学に連れていかれたのは印象に残っています。

P:  Zくんは、高校時代部活動はしてしませんでしたが、実は学外の理系サークルに参加して、今の専門につながるような活動をしています。それに、高1の夏休みには、名古屋大学の高校生向け講座(これも現在の専門につながる内容)にも参加するなど、けっこう「自走」してましたよね?

Z: ぼく自身は、○○を専攻したい…という目標を、中学生のころにはおよそ決めていましたが、高1・2年までは、漠然と「大学の理系の学部に行きたいな~」くらいで問題ないと思います。

学校生活の中で、いろんな出合いがありますから。

さすがに、高3になると、志望大学・学部・学科を考えざるをえませんが。

(3)自校問題作成高校の一角、立川高校に創造理数科

P: 今でも、多くの高校は、高校2年時に理系/文系クラスを選択すると思いますが、静岡県の公立高校には理数科を設置している高校が何校もあって、人気なんだそうです。

 

 

高校生には、Zくんのように最初から理系志望の生徒も多いと思いますし、とくに自校問題作成高校の場合は、数学(難問あり)で得点できる子が有利と思いますので、もともと理系志望率が高いと思います。

…と思ってましたら、立川高校に創造理数科が、2022年に設置されてましたね。

Z: 2025年度の創造理数科の応募倍率が4.51倍ですか! ただ、そもそも募集人数が少ない(35人)せいもあるということで、普通科を第2志望として併願もできるしくみなんですね~。

https://www.metro.ed.jp/tachikawa-h/assets/R5_%E5%8F%97%E6%A4%9CQ%EF%BC%86A.pdf

ぼくの高校受験当時に、「創造理数科」が近所にあったら、ぼくも志望したかも…。

P: 自校問題作成高校ではないですが、江東区の科学技術高校にも、2024年度から創造理数科が設置されました。この高校もSSH指定校ですので、中1・2の方は、志望校選びにますます迷う? ※3

 

 

次回(特別編:下)は、Zくんの高校時代の「世界史」レポートが筆者の印象にのこってますので、このエピソードから。

※1 川越高校は、ノーベル賞受賞者・梶田隆章先生の母校かつ、映画「ウォーターボーイズ」のモデルになった、水泳部の男子シンクロナイズドスイミングでも有名です。

※2 過去にSSHに指定された高校の中に、埼玉県立川越高校も入っています。

※3 11/29追記

 

都立高校の魅力向上のための一環だそうですが、でしたら、創造理数科の増設もぜひ!

 

 

【写真】上:提供Pixabay、中:Zくん撮影、下:筆者(立川市で撮影した風景写真を生成AIで加工)

【BGM】

Z選曲:ano&霜降り明星・粗品「また帰ってきたケロッ!とマーチ」

P選曲:レミオロメン 「粉雪」 ※サビの「こな~ゆき~」を「クマムシ」に替えて歌うのがお奨めです

 

※当ブログの宅建Tシリーズの各記事はこちらから

宅建T:序 2つのチャレンジ 60代からの「住み替え」と宅建受験

【25年11月29日追記】

11月26日のSさんからのメールは1行だけというか、10文字でした。

「敗軍之將、不可以言勇」

  解説は ↓

 

上の記事に出てくる、韓信や広武君(李左車)について書きたいことはありますが、Sさんが26年の年明けから、「住み替えに役立つ宅建試験の知識」のコンセプトで、宅建Tシリーズを再始動したいそうですので、その時にまた。※0

ちなみに、25年度の宅建試験は、合格最低点33点、合格率18.7%。24年度が、合格最低点37点、合格率18.6%なので、下記でSさんの感想にもあった「個数問題」の影響が大きかったようです。

A) 2025年度宅建試験後

2025年10月19日(日)、令和7年度の宅建試験が実施され、当ブログの宅建Tシリーズで、約2年間にわたって宅建試験へのチャレンジの模様をお伝えしていたSさんが、実際に受験をされました。

そして、2日後の21日に、港区高輪台の某店でランチミーティング。※1

P: 対面でお会いするのは約半年ぶりですが、お元気そうで安心しました。

S:さすがに、受験後は早々とやすみましたが。

なんといっても試験時間が2時間なので…学生の入試(高校で丸一日、大学:共通テストで丸二日)って、つくづくハードなんだな! と思いました。
P: Sさんはいわゆる「受験」は数十年ぶり(大学卒業後、ICT系の民間資格試験受験・合格が1回)だそうですが、今回の宅建試験の感想は? 

S: 私に限らず、今年の受験生は「個数問題」に衝撃を受けたはずです。

あと、問題文の文章も、ミスを誘導するような読みにくい文章なんですよね。

P: 実際の試験問題用紙をお持ちくださったので、みてるんですが、この文章量を2時間で読んで、肢の正誤を個別に判定していくわけですか…。 ※2

いわゆる「落とす試験」の典型ですね。

 

 

S: 個数問題は、まぐれ当たりの可能性もあって、本来であれば、肢ごとのマルバツを回答させる方が良いとはおもいました…。ただし、「まぐれ」が意味を持つのは当落線上の人つまり、そもそも実力のある人だけですから。

マークシートに鉛筆でマークしていくのも、本番試験では〇十年ぶりの経験で、懐かしかったです。
就活などの試験はいまやオンライン方式中心ですが、紙だとトラブルも少ないし、こういう年1回の資格試験は、当面紙方式でしょうね。



B:  私立高校の緑の芝生

P: 今回、Sさんは、当ブログと本業(教育ICT)の参考のために? 某有名私立大の付属高校を受験会場に選びました。
S: たまに近くを通ることはありますが、こんな機会でもないと校門の中に入るのは難しいので。

窓際に近い席だったので、中庭のよく手入れされた芝生が席から見えて、緊張がほぐれました。
P: ちょうど直前の記事で、東京都の高校の授業料無償化について取り上げたんですよ。

授業料は実質無料になりますが、東京の私立高校だと、入学料253,782円、施設設備費は 年間225,581円(×3年間)くらいかかるそうです。

なので、その芝生も施設設備費によって賄われているわけですね。

S: 実は、多摩地区の武蔵野東学園が、隈研吾さん設計の新校舎で、2027年から小中高の一貫校(インターナショナルスクール)を開設予定です。

 

私立の場合は、特色のある教育をそれぞれの学校がすすめて、それに納得して、親御さんもお金を出すなら(出せるなら)、問題ないと思います。

C: 20代~90代まで、試験勉強のすすめ

S:一方で、今(同じく直前の記事)、Pくんが紹介している東京都の自校問題作成高校については、共通問題オンリーの県出身者として、うらやましく思いました。

大学受験のことを考えたら、高校入学時点で、何歩もリードしているわけですからね。

P: 筆者もSさんも地方出身なんですが、○○県で独自問題を出題できそうなのは、せいぜい県トップ校くらいでしょう?

逆に、宮城県では、かつて仙台第一高等学校などで、独自問題入試があったのが、2020年度からなくなったみたいです。

以下、生成AIの説明によれば

『宮城県公立高校入試で、かつて行われていた独自問題がなくなった主な理由は、前期選抜と後期選抜の入試日程が一本化されたためです。 
新しい入試制度では、すべての受験生が同じ問題で学力検査を受ける「共通選抜」となり、それに伴って独自問題は廃止されました。
制度変更の背景と経緯
入試日程の一本化: 以前は、前期選抜(一部の学校が独自問題を実施)と後期選抜があり、受験生にとっては機会が2度ありましたが、複雑な仕組みでした。そこで、宮城県教育委員会は、受験生にとって分かりやすく、公平な制度にするために、2020年度(令和2年度)入試から入試日程を一本化しました。』

東京だと、私立御三家(開成、麻布、武蔵)など、有力私立との学生獲得競争がし烈なので、大学進学に力を入れる公立高校は、自校問題によって、適性のある学生を集めてきたんでしょうね。※2.5

S: 「適性」には、勉強し続けられる=継続的努力ができる という要素も大きいと思います。
中学1年生から、3年間努力して合格した学生なら、高校3年間も努力し続けて、大学に合格する可能性がたかいですから。

そして、PくんやZくんは、理系大学・大学院の6年間=中学1年~高校3年までと同じ年数、高等教育機関で学び続けたわけです。

文系ですと、私たちの時代はとにかくのんびりしていて、その分、大学4年生から慌てましたが、今の学生は、3年生からインターンシップなど、「就活」スタートですね…。

就活を意識しはじめた文系2年生は、不動産関連の業界に興味があれば、大学入試の勢いが残っているうちに受験した方が良いかも。

私は、受験の時に、隣の席がトレーニングウェア姿の女子大生(らしい方)で、真剣な顔が印象に残っています。
逆に、私と同年代以上の方の受験もおすすめです。
東京だと、東京都立大プレミアム・カレッジ

 

 

の学費が年20万円。通信制大学の学費よりやすいですが、宅建試験の独学ならテキスト、問題集、受験料、模擬試験代など含めて数万円です。

一方で、真剣に合格をめざすなら、学校に通って79歳で合格、80歳で起業した女性もいらっしゃるので、「何を目指すか?」にもよります。

 

 

P: 当ブログの宅建Tシリーズの今後の方向性については、11月26日の合格発表後に考えるそうですが、Sさんの場合、「住み替え」が第一目標なので、少なくとも「住み替え」に関連した情報提供には、引き続き協力してくれるそうです。※3

 

※0 Sさんの”自分へのごほうび”は、ドリップ式コーヒーメーカー。現在、どれにするか? 検討中とのことでした。

※1 ランチの後、筆者はSさんが午前中に行かれた「荏原 畠山美術館」へ。Sさんは、筆者推奨の上野・「東京展 - 正倉院 THE SHOW」へ。

※2 宅建試験には、「5問免除」という制度があります。一定条件を満たしている受験生は、50問の試験問題のうち、46~50問の5問が免除される代わり、試験時間も110分(マイナス10分)になります。

すでに、宅建業に従事している人が、一定の講習を修了していれば利用できる特典です。5問免除者と「業界関係者以外」では、受験する教室がわかれていて、Sさんの受験した教室は、20、30代が多いかったそうです。

※2.5 私立御三家(開成、麻布、武蔵)は、いずれも中高一貫校です。Zくんの高校生時代、16校あった自校問題作成高校のうち、両国・白鷗・富士・大泉・都立武蔵は段階的に中高一貫校へと移行しました。そして、小石川(2006年中高一貫化)と、両国・都立武蔵の3校が、都立中御三家と呼ばれています

※3 賃貸の家賃値上げをめぐるトラブルが増えてきたそうで ↓ 筆者にもかかわりが深い、賃貸(借家法)も引き続きフォローの予定です。


【画像・写真】

先頭:提供Pixabay 中間:筆者撮影 文末画像:筆者撮影写真を生成AIで加工
【BGM】
S選曲:竹中雄大:唄 「First Love」(作詞・作曲 宇多田ヒカル )

P選曲:Pet Shop Boys「My October Symphony」