(1)マンションの修繕工事の中身を知っておこう

P: 今回は、 前回(宅建t14)予告したとおり、マンションの(長期)修繕積立金の中身についてですね?

S: はい。

マンションの修繕積立金については、国交省がガイドライン(PDF版)を作成していまして、そのページ2に”マンションの修繕積立金について何が問題なのか? ”書いてありますので、一部を引用します。※0

『マンションの分譲段階では、分譲会社が、長期修繕計画と修繕積立金の額をマンション購入者に提示していますが、マンション購入者は、修繕積立金等に関して必ずしも十分な知識を有しているとは限らず、修繕積立金の当初月額が著しく低く設定される等の例も見られます。
また、既存のマンションでは、経年とともに給排水管、エレベーター、機械式駐車場等の大がかりな修繕工事が増加する一方、2回目・3回目の大規模修繕に向けた適切な長期修繕計画の見直しが行われていない等の例も見られます。
その結果、必要な修繕積立金が十分に積み立てられず、修繕工事費が不足するといった問題が生じている』

P: 前段(下線部)は、まさしく 前回記事(宅建t14)で紹介した、最初だけ費用を安く見せる段階増額積立方式の手口ですね。

そして、後段は、Sさんが心配している「修繕積立金不足」。

S: 中古マンションを買ったときに、徴収される積立金額が1万円で安いと喜んでいたら、実は…実際の修繕費用が足りなくなったら、一戸あたり百万円以上の追加出費が必要になるかもしれません。※1

P: いわば隠れ負債だと。

S: 現時点で、修繕積立金不足の危険があるマンションの見抜き方は、下記のサイトほか、ネットでいろいろ調べられます。

 

ただ、そもそも「マンションにおける主な修繕工事」ってどんなものか? その前提知識がすっぽり抜けているという自覚があったので、今回、記事にしたわけです。

P:  上記の国交省ガイドライン(以下、ガイドライン)に、主な修繕工事の項目として19項目が載っていましたね。

うち、計画作成や監理を除く17項目が

仮設工事、屋根防水、床防水、外壁塗装等、鉄部塗装等、建具・金物等、共用内部、給水設備、排水設備、ガス設備、空調・換気設備、電灯設備等、情報・通信設備、消防用設備、昇降機設備、立体駐車場設備、外構・附帯施設

でした。

S: 一戸建ての場合も、昇降機(エレベーター)や立体駐車場などはないとか、建物の規模も違いますが、年月とともに屋根防水や外壁塗装、給排水設備ほか、修繕工事はいろいろ必要になってきます。※2

(2)マンションの設備・構造に関する参考書を数百円で入手

P: ガイドラインの24ページに、19項目の内訳(事例の平均値)を円グラフにした図が載っていました。

外壁塗装費の割合が一番大きく(13.6%)、仮設工事とその他を除くと、次は「建具・金物等」8.7%。

外壁塗装はなんとなく見当がつきますが「建具・金物」とは?

S: ふだんはネットで調べてますが、マンションの設備関連についてはある程度まとまった知識が必要かな? と思いまして、今回、下の参考書をB古書店で買いました。

 

P: 「管理業務主任者」については、「宅建t⑧」でご紹介しましたので、筆者は戸惑いませんでしたが、普通は「管理業務主任者? いったい何の管理?」と思いますよね!

しかも、「マンション管理士」と「管理業務主任者」、どちらもマンション管理に関する国家資格だという…。

S: 「宅建t⑧」で書いたように、

◎マンション管理士はマンション管理組合側のアドバイザー

◎管理業務主任者は管理会社側。いわば「宅建士の”マンション管理版”」

という立場の違いはあるんですが、資格試験の内容は共通点が多く、ダブル受験する人も多いようです。

なので、マンション管理士試験の参考書(基礎知識を知りたいだけなので古いもので十分)でも良いと思います。

私が買った上記の本では、「17章 設備・構造」に、今回の記事に関係する知識が表に整理されて載っていました。

Pくんが知りたかった「建具・金物」の内訳は、

①建具関係

1-1 点検・調整(12年周期)

1-2 取替(36年)

➁手すり(取替36年)

③屋外鉄骨階段

3-1 補修(12年)

3-2 取替(36年)

④金物類(集合郵便受など 取替24年)

⑤金物類(メーターボックス扉など 取替36年)

に分かれます。

「建具」はドアや引き戸などのことで、”マンション共用部の建具”といえば、エントランスの自動ドアや、廊下の防火扉などです。

P: 17項目の中に「消防用設備」もありますが、「防火扉」はそちらに入らないんですね。

S:「消防用設備」は、

①屋内消火栓設備(取替25年)

➁自動火災報知設備(取替20年)

③連結送水管設備(取替25年)

です。

上記の本の「17章 設備・構造」の中に、「消防法・消防用設備等」のくわしい説明もありまして、そこ読むと主に「消火」に関わる設備が「消防用設備」に含まれるようです。

一方、マンションの防火扉の設置基準は、建築基準法(施行令第112条)に規定されているため、「建具」の扱いなんでしょうね。

ちなみに、宅建試験でも「建築基準法」が毎年出題されていますが、さすがに過去「防火扉」の出題例はないようです。

(3)ピンホール事故に関連する知識も載っていた

P: (2)では、17項目のうち2項目を見たんですが、それだけでも細かいし、点検周期も入り組んでますね!

S:  試験を受けるわけではないので、あまり気にせずに「17章 設備・構造」をざっと読んだんですが、宅健t⑫でご紹介した、経年マンションでのピンホール事故に関わりのある、「給湯管の材料」についても「第7節 その他の設備>ガス設備」の箇所に載っていましたので、材料名をご紹介しておきます。

P: 中古マンション購入時に旧い配管材料のままの設備だと、修繕計画で想定していなくても、いずれ大規模な取替工事の必要=追加出費 のおそれがありますので、材料は要チェックというわけですなね?

S: 詳細は、上記のような参考書か生成AIでお調べいただくとして、

「給湯管」※専有部分の設備

A-昔使われた材料

亜鉛メッキ鋼管、ステンレス鋼管、発泡ポリエチレン被覆鋼管

B-現在使用されている材料

①耐熱性硬質塩化ビニル管

➁水道用ポリブデン管

③水道用架橋ポリブデン管

 

P:ちなみに、「給水管」(共用部分の設備)は「第3節 水道法・給水設備」の項目に

①水道用亜鉛めっき鋼管 ※現在はほとんど使われていない

➁水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管

③水道用ステンレス鋼管 ※②より耐久性が高い

そして、「給水管」の項には、ほかに

・ライニング更生工事

・ウオーターハンマー(水撃作用)

・バキュームブレーカー

などの専門用語と説明も載ってましたね。

S: ネット検索や生成AIで調べるときは、そもそもどういうキーワードで調べるか? によって、回答が違ってきますので、先ほども言ったように、斜め読みでいいので「17章 設備・構造」(本書の場合)に目を通すといいですよ。

 

P: 次回は、このごろ首都圏でも地震や豪雨(浸水)の危険がニュースになっていますので、引き続き「管理業務主任者 基本テキスト」を参考にしつつ、”建物の耐震性”や”地下設備(電気・給水など)”についての記事を予定しています。

 

【補足】

※0 この記事では、「マンション修繕積立金ガイドライン(26年6月改訂)」PDFにリンクしていますが、今後も各種工事費用の値上げが続くと思いますので、実際の費用については、その時点での最新データをネットで確認してください。

 

※1   修繕積立金の額の目安 ※0に書いた通り、あくまでも26年6月改訂版に記載の数値です

国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン(PDF) 6ページから引用

※2 

マンションの大規模修繕工事の対象は、あくまでも「マンション共用部」です。区分所有している「専有部」(自室)のメンテナンスは、別途自己負担になります。

また、一戸建ても、大規模修繕はいずれ必要で、そのためS家でも、修繕してそのまま住み続けるか? 住み替えるか? 迷っているわけです。ちなみに、筆者の親戚の家(Hハウス)は、構造躯体など主要部分が初期30年保証。
30年目に大規模補修(外壁塗装などは別)をすると、あと30年は大丈夫らしいです。
ただし、その補修に4~500万かかるようで、仮に480万円とすると、30年間・月額1.3万円くらいの積立が必要になります。
 

☆マンション管理組合の関係者向け補足情報

長期修繕計画を実際に作成する場合のガイドラインとしては、「長期修繕計画作成ガイドライン」があります。

こちらのガイドラインに出てくる「推定修繕工事」「計画修繕工事」「大規模修繕工事」などの違いやそれぞれの算定方法(概略)なども、上記の基本テキストに載っています。

 

【BGM】

S選曲(P推薦曲):STUTS 「99 Steps (feat. Kohjiya, Hana Hope)」

P選曲:I Don't Like Mondays. 『ODORE feat. SHO-SENSEI!! [Prod. by ⭐︎Taku Takahashi (m-flo)]』

【写真】トップ:提供Pixabay、文末:筆者撮影

(1)マンション管理計画認定制度の「認定基準」で注目するポイントは?

P: 今回は、前回記事(宅建t⑬)で予告した、マンションの管理計画認定制度の「中身(認定基準)」についてです。

そもそも、管理計画認定制度では、自治体が審査をして「基準をクリアしているマンション」だと認定してくれるわけですから、逆に言えば、購入希望者は基準の中身についてはよくわからなくても、安心して中古マンションを買えると思うんですが?

S: 前回記事(宅建t⑬)でも触れましたが、確かに「認定された」ということは、少なくとも最低ラインはクリアしたということで、そういう意味で「自動車」の保安基準のような「安心感」はありますね。

ただし、自動車の保安基準は購入時のハード性能を保証するものですが、マンションの管理計画・認定基準は、

マンション管理組合(=区分所有者全員、以下単に「管理組合」)による運用

つまり、ソフトについてチェックしていて、認定の有効期間は5年間なんですよ。

もしも、管理計画認定マンションを購入したら、購入後はこの5年間ごとの見直し作業に、自分も参加しなくてはならないわけで。

P:  自家用車も2年ごとに車検がありますが、普通は整備工場へ車を持ってくだけ。

一方、マンションだと、いったん購入したら維持・管理は全員で行うのが基本で、さすがに維持管理を全部業者に丸投げ…というわけにはいかないでしょうからね。

S:  ”マンション購入後の数十年間”に、自分たちはどれくらいの手間や費用を負担するのか? を知る(覚悟する)ためにも、「認定基準」の中身を知っておいた方が良いわけです。

 

「認定基準」の項目は、横浜市の場合は以下のとおりです。※1

私が注目するポイントに☆をつけました。

①管理組合の運営
①-1 管理者等及び監事が定められている
①-2 集会(総会)が年1回以上開催されている

➁管理規約
➁-1 管理規約が作成されている
➁-2 管理規約で以下について定めている
・緊急時等における専有部分の立ち入り
・修繕等の履歴情報の保管
・管理組合の財務・管理に関する情報の提供

③管理組合の経理
・管理費と修繕積立金の区分経理がされている
・修繕積立金会計から他の会計への充当がされていない
☆直前の事業年度の終了日時点における修繕積立金の3ヶ月以上の滞納額が全体の1割以内

☆☆④長期修繕計画の作成及び見直し等
・計画の内容と修繕積立金額が総会で決議されている
・計画の作成又は見直しが7年以内にされている
・計画期間が30年以上かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれている
・計画で一時的な修繕積立金の徴収を予定していない
・計画期間全体での修繕積立金の総額から算定された修繕積立金の平均額が著しく低額でない
・計画期間の最終年度において借入金残高のない計画となっている

⑤その他
・組合員名簿、居住者名簿が備えられており、年1回以上内容の確認が行われている
・横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切なものである
・区分所有者は、管理の重要性・必要性を十分に認識し、管理組合活動に積極的に関わる
・管理組合は、長期的な見通しを持ち、助言・指導等の目安及び管理計画認定の基準に留意しながら適正な運営に努める

(2) 長期修繕積立金とは? 適正額は?

P:  ①②⑤は、この認定をめざすような管理組合なら、当然クリアしている事項だと思います。

Sさんが☆をつけたのは、やっぱり「お金」の箇所、とくに「修繕積立金」についてですね。

S:  もそもそも、私が「マンション管理計画認定制度」に注目したのは、この「長期修繕積立金」について、一応のチェック機能があるからなんですよね。

P:  手元の新聞チラシに、中古マンションの情報で、

 共通:場所(所在地)・交通・構造・総戸数(世帯数)・築年月・管理方式・管理員の勤務形態・管理費(月額)

 売り出し部屋:階数(○階建ての□階)・専有面積・間取り・修繕積立金(月額)

などが載っていますが、この「修繕積立金」が、長期修繕積立金のことですよね?

S: はい。普通は、

 各部屋ごとの月額「修繕積立金」の全世帯合計×12×年数(例:30年 この間に大規模修繕が2回程度)

が、「長期修繕積立金」として貯められて、マンション管理組合はこの資金をもとに、マンション内の共有部分のいろいろな修繕をするわけです。※2

P:  「各部屋ごとの修繕積立金」というのは、普通は、区分所有する部屋の専有面積に応じて、金額が決まるのでしょうか?

チラシの物件を見比べると、

・AマンションB室 専有面積約60㎡ 月額約9千円

・CマンションD室 専有面積約65㎡ 月額約1万5千円

とか、ずいぶん違いがあるんですよ。

S:  たとえば、共用部の設備が豪華だとか、マンションの戸数など、マンションの事情で修繕金額は当然違いますが、それ以外で、金額が違う理由として

(1)修繕積立金が、専有面積比例か? 均等割か?

→今は「専有面積」に応じて修繕積立金の額が決まる方式が普通ですが、昔のマンションだと、各戸均等割の場合もあり、それを今さら変更するのは難しい ↓

 

(2)修繕積立金が「段階増額積立方式」かどうか? 

→「段階増額積立方式」というのは、下記記事のように、

『積立方式は、

1~5年:安く設定し売りやすくする、

6~15年:徐々に値上げ、

15年以降:大規模修繕対応で本格水準』

 

と、新築時は修繕積立金を安くみせて、マンションを売りやすくする狙いがあるようですね。

国交省が2024年、下記記事のように、「段階増額積立方式」の増額幅を最大約1.8倍とする方針を示したようですが、例えば、築10年の中古マンションを買ったら、1~10年目に修繕費が安かった分の差額(ツケ)は、次の買主(自分)が負担するわけですよ。

ちなみに、認定基準③で、

☆直前の事業年度の終了日時点における修繕積立金の3ヶ月以上の滞納額が全体の1割以内

とありますが、中古マンションを買う場合に、もし売主に修繕積立金の滞納があった場合、区分所有法8条の規定では、買主が滞納分を支払わなくてはなりません。※4

P:  上の記事では、修繕積立金が不足しているマンションが、2018年の調査で約35%となっていました。

今は、もっと増えているでしょうね。 ※5

そして、建設資材などの高騰で、今後ますます「長期修繕積立金」の積立額不足のマンションは増えそうです!

S: そもそも、「長期修繕積立金」の想定額自体が妥当か? も難しい問題ですが、ちょうど東京都・国分寺市(小金井市の隣)のHP↓ には、

 

 

◎マンション管理士の事前確認

国分寺市へ認定申請を行う前に、公益財団法人マンション管理センターによる「管理計画認定手続支援サービス」(有料:管理組合負担)を利用して、マンション管理士が管理計画の認定基準への適合状況を事前に確認

◎変更認定申請

認定を受けた管理計画を変更しようとするときは、軽微な変更を除き、変更の認定の申請が必要(変更認定申請を行う場合は、事前に国分寺市へ相談)

などの案内が載っていました。

P: 普通のマンション管理組合だと、そもそも「長期修繕積立金」の額の計算などもできない。しかも、どこに相談したらいいかも分からないでしょうから、国分寺市のように、はっきり事前相談先を書いてくれた方がありがたいですね。

あと、「長期修繕積立金」の額変更などは、市へ事前相談できると。

S: 前回記事でも書きましたが、こういう対応は、自治体ごとに違いますし、今後、他自治体の事例を参考に、どんどん各自治体の対応も変わっていくと思います。

何か進展があれば、こちらも引き続きtシリーズで、お伝えの予定です。

 

P:次回は、大規模修繕の対象となる「修繕項目」についてを予定しています。※6

※1 横浜市のページ ↓。自治体ごとに、「認定基準」は違います。

※2 修繕についての詳細は次回記事で(予定)。

※3 筆者が借りてる賃貸部屋の場合、建物・設備の修繕は、全額大家さんの負担になります。
なので、普通の大家さんは、自主的に将来の修繕(外壁塗装、屋根修繕など含む)に備えて、家賃の5%くらいを積み立てているそうです。

※4 売主が説明したかどうか、などケースバイケースですが。

※5 越後湯沢や苗場のリゾートマンションの管理費・修繕積立金滞納者問題

※6 思わぬ水害で大規模補修費がかさむケースも

 

【BGM】

S選曲:My Little Lover 「Hello, Again 〜昔からある場所〜」

P選曲:I Don't Like Mondays. 「1989 feat. GAN (岩田剛典) [Prod. by GeG]」

(A)自治体が「管理計画」を認定(マンションの管理計画認定制度)

P:  今回は、前回記事(宅建t⑫)で予告した、マンションの「管理計画認定制度」についてですよね。
マンションの「管理計画認定制度」とは? 生成AIに訊くと、
『分譲マンションの管理計画が一定の基準を満たす場合に、市区町村などの地方公共団体が適切な管理計画として認定する公的な制度です。
管理組合の運営や長期修繕計画などの基準適合を審査し、認定されれば、資産価値の向上や金利優遇などのメリットが得られます。』
ということで、分譲マンション対して自治体が「お墨付き」を与えてくれるわけですよね?

S: 「良いマンション」ではなく、スペックの合格ラインというか…私の場合は、この「管理計画認定」を中古マンション購入の「足切り」ラインにするかな?

つまり、この認定を受けているマンション、もしくは管理計画認定に向けて準備作業中のマンション以外は、今後の購入候補からはずすつもりでいます(「管理計画認定制度」の概要については次回予定)。

ただし、2026年7月末時点で認定されているのは全国で4,200件強。

P: まだ少ないですね!

S: 2022年から制度がスタートしてだんだん増えてますので、このtシリーズで引き続きリサーチを続けながら、気長に見守っていく予定です。※1

P:  「自治体が認定」ということは、自治体によって取り組み状況に差があるってことですよね?

東京・小金井市のHPにも、制度についての説明はありましたが、

市内の認定マンションの一覧は、外部サイトへのリンク。

しかも、リンク先から、小金井市だけを探すのが、めんどう(Excel出力)でした。

横浜市だと、MAPから探せるようになってましたね。

 

S: 前回記事(宅建12)で紹介した、「管理計画認定制度」の適用第1号・築52年の「高島平ハイツ」は、東京都板橋区のマンションです。

その板橋区は、下記ページで区内の認定マンション(現時点で40件)を一覧で表示。さらにマンションの概要や認定取得までの経過、管理組合の特徴や工夫までをまとめた「いたばし適正管理推進マンション全集」(PDF)も公開してくれています。

(B)マンション管理組合が「管理計画」を申請/外部からの支援

P: 上のページの一覧表から、各マンションのデータもみられるんですが、認定1号の「高島平ハイツ」(PDF)の場合は、

 マンション管理組合・理事長が区の担当職員に事前相談 →もともと認定基準をほとんどクリアしているマンションだったこともあり、スムーズに申請・認定されたようです。

PDFに管理組合の書類整理棚の写真も載っていましたが、「マンションに係る設計図書、点検記録、届出書、修繕履歴等のマンションに関する図書及や検査報告書、点検報告書、清掃完了報告書等」が整然とファイリングされていました。※2

S:  さすがに認定第一号だけあって、歴代の管理組合役員の管理が行き届いていた事例ですが、ふつうは申請に向けてチェックをすると、書類とか管理規約の不備とか、さまざまな問題が出てくるはずです。

上記、板橋区の事例だと、

○区認定18号 「クアトロウーノ城北中央公園」(PDF)→管理組合と管理会社が協力して、認定にむけての課題解決にあたる

○区認定21号 「ヴェルレージュ板橋前野町」(PDF) →1998年築の建物で、2回目の大規模修繕に向けての準備中に、認定制度への参加も検討するようになった。→理事会の1年の任期では間に合わないと判断し、専門委員会を立ち上げて準備をした。長期修繕計画も別の「専門委員会」で取り組み。→大規模修繕工事の監理を依頼したコンサル会社に、管理計画の中の「長期修繕計画」の作成支援を受ける

など、ありましたね。

P:  つまり、それぞれのマンションの状況次第。

マンション管理組合単独での申請ができる場合もあれば、外部の専門家の協力が必要な場合もある。

S:  そうですね。

いずれにせよ、「マンション管理組合」にやる気がなければ、管理計画の認定は受けられないわけで、

  認定マンション=管理組合が正常に機能しているマンション=住民の「管理」に対する意識が高いマンション

という、中古マンション購入検討時の大事な判断材料にもなるわけです。

C)やっぱりマンション管理組合が、外部協力者を見極めて選ぶ

P: ただ、最近のニュースで、

・マンション管理会社→国土交通省のマンション管理業者への立ち入り検査結果(2025年度 )

・マンション修繕/施行会社→修繕業者の不正疑惑が全国で相次ぐ

・設計コンサルタント会社→公正取引委員会がマンション大規模修繕の談合事件を摘発(業者/設計コンサルタント会社)(26年6月)

など、分譲マンションにまつわる不祥事を報道していますよね。

ちょうど、西日本新聞の社説(26/9/6)も載りました。

 

S:  生成AIに「大規模修繕 談合」できくと、業者の選定について管理組合が取るべき対策として

『・プロポーザル方式の採用: 金額合わせだけでなく、提案内容で競わせる方式を導入する。

・選定プロセスの透明化: 業者選定の基準や議事録をオープンにし、一部関係者の独断を防ぐ。

・利益相反の確認: コンサルタントが施工側から金品を受け取っていないか誓約書を求める。

・契約書への特約: 談合発覚時の違約金条項を契約に組み込む。』

などのアドバイスがありました。

P:  筆者も、仕事で外部業者にいろいろな規模で発注/契約をしてきた経験があるので、なるほどと思いました。

ポイントさえ分かれば、たいていの管理組合でできそうですね。

S:  ただし、ビジネスでは自分に関わりの深い事項についての判断ですが、分譲マンションについては…。

たとえば、今までなんの予備知識もなかった区分所有者Pくんが、いきなり「順番ですから管理組合の新理事になってください。今までは○○社にまかせてましたが、いろいろな不祥事のニュースがありましたので、プロポーザル方式にしたいと思います。新役員のみなさんはよろしく~」なんて言われたらどうしますか?

P:  当然、…ある程度の学習は必要になるでしょう…。

横浜市などは、毎年、新理事向けのセミナーを開催、市内の他の管理組合との交流会なども開いているようですね。

S: 自治体の支援が手厚いかどうかも、今後の住み替え先の、場所選びの大事な目安になると思います。

P: 次回は、そもそも「マンション管理計画認定制度」では、何をチェックするのか? と、その中でもSさんが注目のポイントについて話してもらう予定です。

 

 

【注】

※1 民間団体の一般社団法人マンション管理業協会による、「マンション管理適正評価制度」もあります。

両者の違いは ↓

 

※2 板橋区の他の認定マンションで、この認定申請などを契機に「書類/データの電子化」や区分所有者への情報公開(Closed)を進めているところもありましたね。

【BGM】

S選曲:福山雅治 「邂逅」

P選曲:山内 総一郎・奥田民生・斉藤和義(セッション)「若者のすべて」

【画像】

トップ:撮影筆者(高田馬場)

中間・文末画像提供:Pixabay 

※文末画像は生成AIで建物画像をゴッホ風のタッチに加工 

(A) マンションで起きる給湯管ピンホール事故

P: 前回記事(宅建t ⑪)で、分譲マンションの専有部分(個人所有)と共用部分(区分所有者全員の共有)について、とりあげました。

でも、「事件」はその狭間(はざま)でも起きている…という典型例が、今回ご紹介する「給湯管ピンホール事故」なんですよね?

 

S:  はい。

上にあげた本(2022年刊。以下、本書)には、マンションでの漏水事故の「加害者?」になった著者(以下、伊藤さん)が調べ上げた、マンションでの給湯管トラブルの現状、問題点について書かれています。

P: この事例では、ある日、伊藤さんの住戸の真下の住民から「漏水がおきた」といわれて、伊藤さんが設備調査会社に依頼。調査の結果、伊藤さんの住戸内の「給湯管」に小さな穴(ピンホール)があいて、水漏れトラブルになったと判定されたと。

「マンション 配管 ピンホール」で生成AIにきいたら、

『マンションの配管ピンホールとは、築10年を超えた給湯銅管などに針穴ほどの小さな穴が開き、階下への漏水事故を引き起こす経年劣化現象です。

主な原因は水質や水流による銅管内面の腐食(孔食)であり、発見次第、元栓を閉めて管理会社や専門業者へ連絡する必要があります。』

とありまして、「給湯管」の素材が「銅」だと、このトラブルが起きやすいようですね。

S:  一戸建てだと、昔は「鋼管」、近年は樹脂管・硬質ポリ塩化ビニル管などを使うケースが多くて、そもそもマンションとは管の材質自体が違うようです。

ちなみに、近年のマンションだと、サビや漏水対策として、配管にステンレスや樹脂材質が使われているようです。

P: 逆に言えば、配管の材質が旧い中古マンションの場合は、いつ・どこでトラブルが起こってもおかしくないと?

S:  上のリンク先の掲載文によれば

『マンション漏水事故が多発 

築20年で全戸の10%、築30年で15~30%、築40年で50%超?』

P: たとえば、築20年の中古マンションを買って、20年後(築40年)には、そのマンションの半数の世帯が事故にあっているということですよね? もっと古いマンションの「建て替え」問題は、最近ニュースでも目にしますが、この問題は、初耳でした。

(B)「給湯管」は100%専有部内にある

S: それは、給湯管のトラブルが、各自の専有部で起きるためかもしれませんね。

くわしくは、本書の73ページからに説明がされていますが、簡単にいえば、

  共用の「給水管」(水)→【各住戸内→風呂・トイレなど ↘一部の水が給湯管に流れて各戸の給湯器で温められてお湯に】

と、各戸によってお湯をどれくらい使うか? はまちまちなので、何十年もたったマンションだと、自分の使い方のせいかな? と考える住民も多いのでは?

P:  筆者は賃貸住まいですが、「排水管のつまり」だと、自分で思い当たる行動をしてますのでパイプクリーナーでなんとかしてます。

たぶん、それと同列で「自分のせい」と思う可能性はありますね。※1

S: そうですね。

一戸建てでも、「給湯器」は問題があれば東京ガスなどの業者(たいていは給湯器に問い合わせ電話番号ラベルが貼ってある)を呼んで、自費で修理か交換(10年くらいが目安)をしています。

ただし、マンションの場合は通常、下記の手順(東京ガスのHPより)のように、管理会社への確認が必要のようですね。

【分譲マンションで給湯器を交換する場合の手続き】
交換業者に連絡をとり、見積もりを依頼する
見積書を確認して、契約を完了させる。
マンションの管理会社に連絡する
・工事申請の必要有無を確認する
・工事不可の曜日や時間帯がないか確認する
必要事項を交換業者に伝える。
交換工事は立ち会いが必要なので、事前に日程を取り決める

 

(C)給湯管トラブルはどこまでが自己負担になるか?

P: 給湯器の交換なら、10~20万円ですむようですが、「給湯管」だと、

上記HPによれば、

『中~大型住戸でキッチン・浴室・洗面所まで引き直すと、内装復旧込みで100万円前後を見込むケースが多いです。

水漏れ後の緊急工事だと、夜間対応費や復旧範囲の拡大で、同じマンション内でも住戸ごとに総額が大きくぶれます。』

と、1桁上の金額になるんですね!

S:  上記HPの表に載っていますが、

・専有部分  の給湯管 → 原則、各住戸の自己負担

・階下への漏水で傷んだ他人宅の内装   →  加害住戸+保険で調整

ここで、「原則」に下線を引いたのは、「漏水事故」は築40年くらいになれば、いつどこの住戸で起きてもおかしくないからなんですよ。

上記HPによれば、よくあるケース(共用部の大規模修繕は実施ずみの前提)は、

『現場で多い流れは、「最初は個別対応で乗り切るつもりが、数年で同じ系統の住戸から漏水報告が続き、最終的に専有部も含めた一括配管更新を検討せざるを得なくなる」というパターンです。
このとき、先に専有部を交換した住戸と、まだの住戸で負担の公平性が問題になり、総会が荒れます。』

D)マンションは運命共同体

P: 本書の著者・伊藤さんの場合は、泣き寝入り❓ をせずに、マンション管理組合や管理会社(委託先)、保険会社(マンション総合保険)などとさまざまな交渉をして埒があかないことも多かったため、自らお住いのマンション内での調査をしたら、ほかに8件の漏水事故(うち2件がピンホール事故)があったことが判明。

そこで、伊藤さんの場合は、自らマンション管理組合理事に立候補して理事就任→〃理事長に

そして、マンション管理組合の総会(2020年8月)決議で、専有部分も含めた一括配管更新を実現させたんですが、そこに到達されるまでのご苦労も、本書に書かれていました。

S: マンション管理規約の決議要件については、宅建t10で「26年4月の区分所有法改正」についてお伝えしました。

なので、以前よりは楽? になったとはいえ、マンション管理組合の負担は、建物が老朽化するにつれて、当然重くなります。

私は、60代になってから自身の老朽化? については、自己責任(食事や適度な仕事など)で維持に努めていますが、マンションだと、本来は全員で老朽化を食い止める努力をしなくてはならない。

でも、現実は…。

P:  本書で伊藤さんも『マンション全体を守れなければ、自分の資産を守ることはできない。~区分所有者同士は運命共同体』と書かれていましたね。

ピンホール事故の場合、およそ全戸の15~20%に事故が起きると、保険会社がマンション総合保険の保険料をアップしたり、最悪の場合、保険を引き受けない…無保険マンションになれば最悪スラム化も!

 

S: 逆に、マンション住民の努力で、築古物件でも再生や長寿命化ができるわけです。

上の記事の事例だと、
 福岡市 →マンション管理組合の機能不全→スラム化→解体
 名古屋市 →マンション管理組合の機能不全→住民の努力で大規模修繕→人気物件に
と、対照的な展開になりました。
マンションの建物自体は80年~100年くらいの寿命だそうですので、適切な管理(耐震補強含む)がされているマンションなら、築40年の物件でも、あと40年は大丈夫ということです。
上の記事でも、『築52年の「高島平ハイツ」(95戸、東京都板橋区)は、国が22年度に始めた「管理計画認定制度」の初適用物件』と紹介されています。
P: つまり、管理計画についての、国のお墨付きマンションというわけですね?
S: そうですね。今後、私が中古マンションを購入するかどうか(場合によっては中古戸建て)の大事な目安になりますので、次回はこの「管理計画認定制度」についての記事を予定しています。
 
【補足】

※1 一般社団法人全国建物調査診断センターの発行する、その名も「大規模修繕工事新聞」(26年8月号)に、ちょうど近年の判例として、「漏水発生元住戸、立ち入りを拒否に対し 部屋の立ち入り、損害額・間接強制金の支払を認容」が載っていました。

あと、マンションAIへの相談事例として、「301号室から階下住戸に漏水 が発生したので、301号室の保険適用によって水漏れ調査を行ったところ、浴槽の土台部分のサビが原因だったことがわかりました。土台の交換修理費用は管理組合に請求できるでしょうか?浴槽の土台について、管理規約では共用部分の範囲に記載がありません。」
 
Sさんが気になる記事は、今後も随時紹介されるとのことですが、筆者は『マンションAI®』が気になる…

【BGM】

S選曲:ティアーズ・フォー・フィアーズ 「ルール・ザ・ワールド」

P選曲:STUTS & 松たか子 with 3exes 「 Presence」 Remix feat. T-Pablow, Daichi Yamamoto, NENE, BIM, KID FRESINO

【写真】

文末:撮影・筆者、ほか提供:Pixabay

(1) マンション管理組合の「仕事」は?

P: 今回は、マンション管理人にスポットをあてた求職・特別編をはさんで、宅建t⑪「マンション管理組合」についてです。

S: 以前の記事でも、マンションを購入する(=区分所有者になる)と自動的に管理組合の一員になる、ということはお伝えしていますが、当事者意識がない住民が多いためか、わざわざ国交省が昨年10月に、マンガ「正直不動産」とコラボしたパンフレットを作成・公開していましたね。

【国土交通省×正直不動産】知っていますか?区分所有者の責務(PDF)

 

P: 過去の記事でも「マンション管理組合」や「管理組合理事会」、「管理規約」、「管理会社」、「共有部分」などについて説明してきたんですが、やはりマンガだと分かりやすくて迫力がありますね! 

マンションを購入済み(=区分所有者)または購入予定だけど、太字の単語がよく分からないという方はぜひ、ご一読ください。

S: マンガ以外に、このパンフレットには、下記のような「管理組合」の業務のまとめが掲載されています。

 

「管理組合の主な業務」がいろいろあって大変そうにみえますが、一戸建ての住宅でも、

・家屋の修繕、補修 ※台風でベランダ損傷など

・家屋(屋根、外壁)などの大規模修繕 ※大規模修繕用の貯金/管理

・庭や駐車スペースの管理

・設計図書(や権利書)等の管理

は不可欠で、とくに大規模修繕/リフォームをしてそのまま住み続けるか? 住み替えをするか? がS家でも課題になっていました。

P: S家では、今の家を売ってさらに郊外に引っ越す(中古の家かマンションを買う)方向で、その準備として当ブログ内で宅建Tシリーズをスタートさせました。

ちなみに筆者の実家も、サザエさんの磯野家みたいな”ザ・昭和の家”なんで手入れが大変そうで、大規模リフォームするか? で悩んでます。


2)民法の「共有」と「区分所有法」の「共有」との違い

S: 自宅だと、自分たち家族の責任で真剣に検討しますが、分譲マンションだと、

「管理組合理事会(役員)」や「管理会社」に任せておけば良い=他人事 

になっているように見えます。

これまでは、住んでるみなさんがきちんと管理費や修繕積立金を支払っていれば、あまり大きな問題はおきなかったかもしれませんが、中東情勢→ナフサ不足による、大規模修繕工事の遅れや、そもそも、修繕業者40社の大規模な談合が発覚したりしています。

 

P: 前回(住み替えに役立つ宅建10)でも触れましたが、約9割の住民が、自分のマンションの管理規約をよく知らない。

S: 背景としては「共有」という概念が、戦後の日本人には馴染みがないせいかな…と思います。※1

P:  筆者は、過去の記事「宅建T:60代からの宅建06 その不動産はだれのもの? 共有と、物権変動の基礎知識・対抗問題」

https://ameblo.jp/pernas/entry-12845148071.html

で、民法の「共有」という単語自体は知ってましたが、ふだんはまず使わないですね!

S: 上の記事は、複数の相続人がいるときに、遺産分割をするまで不動産(家、建物)は共有状態になる。

その場合の、民法上のきまりについての説明でした。

P: そもそも兄弟姉妹や親戚間でも、共有不動産についてはいろいろともめるので、2023年に民法の改正があったという話でしたね?

S: さらにややこしいことに、民法での「共有」と区分所有法での「共有」とで、意味が違うんですよ。

生成AIに「共有 民法と区分所有法での共有の違い」できいたところ、

『民法における一般的な「共有」と、区分所有法(マンションなど)における「共用部分の共有」は、

・分割請求の可否

・持分の決定方法

・処分・変更のルール

の3点に大きな違いがあります。

区分所有法は民法の特別法であり、共同生活の秩序を守るため厳しいルールが定められています。

【主な違い】

1. 持分の割合と分離処分

○民法: 共有者の持分は原則として「平等(均等)」と推定されます。持分だけの売却も自由です。

□区分所有法: 共有持分割合は原則として「専有部分(部屋)の床面積の割合」です。また、専有部分と切り離して持分だけを単独で処分することは禁止されています(分離処分の禁止)。

2. 共有物の分割請求

○民法: 各共有者はいつでも自由に共有物の分割を請求でき、話し合いがつかなければ裁判で分割することも可能です。

□区分所有法: 共用部分の分割請求は絶対にできません。廊下やエントランスを「自分の分だけ切り取って分けてほしい」と主張することは認められません。(以下、略)』

P: 以前の宅建t09の記事で、分譲マンションでは、購入者/住民は、

①専有部分(自室:区分所有)

➁建物の共用部分(廊下・エレベーターなど:共有持分。原則として①の専有面積に比例)

③敷地利用権(共有持分。②と〃)

の所有をしている。

ただし、②③のみを、単独で売却はできない。

つまり、Aマンションの201号室(①)を売る/買うときは、②③の所有権(共有持分)もセットでついてくるということでしたね?

S: そうです。

でも、➁③については「共有持分」という概念上の権利で、②③だけ分割して売ることもできませんから、ほとんどの住民のみなさんは「自分のもの」という自覚がもてないんでしょう。

3)外国人区分所有者向け「日本におけるマンション管理について」の日本語訳版の説明がわかりやすい

S: 実は、1)で紹介した、「正直不動産」とのコラボパンフレットが掲載されている、国交省のHPに、新たに

『外国人区分所有者向けパンフレット「日本におけるマンション管理について」』

のPDF(英語/中国語)が掲載されまして、あわせて日本語訳(PDF)も載ってました。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001982005.pdf

今、東京23区などでは外国人のマンション購入も増えているという事情があるようですが、日本語訳の冒頭部分

『日本の分譲マンションは、単なる集合住宅ではなく、住民同士が協力し合いながら快適な住環境を維持する「共生の場」です。

また、賃貸マンションとは異なり、マンション購入者は「区分所有者」と呼ばれ、区分所有者は、ご自身が購入した専有部分だけでなく、マンションの外壁や屋根、エレベーター等の共用部分の管理にも責任を持つ必要があります。
マンションの管理に関する制度やルールは国によって異なりますが、日本においては、区分所有者で構成される「管理組合」という組織が主体となってマンションのルールを定め、管理や運営に関する意思決定を行うことで、マンションの安全性や資産価値を守っています。

外国の方々にとっては少々馴染みのない制度もあるかもしれませんが、日本で安心して暮らすためには、「管理組合」をはじめとしたマンション管理の仕組みを理解し、積極的に関わることが非常に大切です。』

は、日本人所有者にもそのまま当てはまります。

・管理組合(区分所有者)の基本的な考え方

・マンション管理の2つの柱~管理規約と管理組合の総会~

・マンションを長く使い続けるために!~長期修繕計画と修繕積立金とは?~

などの説明も分かりやすく、Q&A(例:「管理費」と「修繕積立金」の違いは?)もついてますので、「マンション管理組合」の役員の方たちが、マンションの区分所有者向けに説明をするときも、役に立つと思います。

 

P:今回は、主に「マンション管理組合」についてでしたが、実は「専有部分」=個人所有部分のトラブル(水漏れ)が、マンション管理組合全体=区分所有者全員にも影響を与える事例が増えているようなので、次回(宅建t⑫)はその問題について。

 

● 26年8月29日 追記

8月28日に、草間彌生さんのご逝去(8月14日。享年97歳)を知りました。

ちょうど、7月に新宿区の草間彌生美術館に行ってきたばかりでした。

美術館の最寄り駅は、地下鉄・牛込柳町駅ですが、帰りは少し遠回りして防衛省・市ヶ谷地区敷地沿いに、JR市ヶ谷駅まで歩きました。

というのは、草間彌生美術館の話題が出た時に、Sさんから、三島由紀夫と草間彌生はほぼ同年代(三島1925年、草間1929年)という指摘がありまして、一方は1970年に市ヶ谷(陸上自衛隊東部方面総監室)で自決、一方は晩年まで旺盛な創作活動を続けて…と、いろいろな意味で対照的だというような話でした。

Sさんは、子どものころにモノクロTVで三島由紀夫の自決報道(速報)を見た記憶があるそうなんですが、今となっては、小説『豊饒の海』の本多繁邦のように、それが本当の記憶なのか? あいまいだとも。

ちなみに、今回の訃報に接して、Sさんからは、「草間さんの代表作の赤地に白の水玉模様と、日本国旗(白地に赤丸)との類似については、すでに指摘があるが、あるいは三島由紀夫の白いはちまきかも? 」

上:撮影筆者 2017年8月 松本市美術館

 

■Sさん補足

※1 入会地と入会権

日本の農村には古くから「入会地」(いりあいち)という制度があり、特定の山林や原野は村の共有財産として、村人が、薪炭(まき・炭)・肥料用の草木採取や、牛馬の放牧などに利用できました。

そして、民法条文にはいまだに、

『第263条(共有の性質を有する入会権)

共有の性質を有する入会権については、各地方の慣習に従うほか、この節の規定(注:共有の性質に関する規定)を適用する。』

と、入会権が残ってます。

【BGM】
S選曲:リック・アストリー「Together Forever」
P選曲:【ヲタ芸】夜の踊り子 / サカナクション【ゼロ打ち】 ※動画

【写真】

トップ 撮影:筆者、中間2枚:提供Pixabay、文末 撮影:筆者 草間彌生美術館内からの東京の街並