来週の月曜日から、今年最後のテニスのグランドスラム大会である全米オープンテニスが始まります。昨年の大会で錦織が決勝進出を果たし、日本中が湧きました。今年の大会には、錦織以外の男子は予選に7名が出場し、女子では奈良くるみと土居美咲が本戦ストレートイン、予選にはクルム伊達公子など12名が出場します。

 

今回は、全米オープンテニスという大会は、どのような大会なのかというのを書きました。

 

 

概要

毎年8月最終月曜日から翌々週の月曜日までの15日間の日程で行われます。観客動員と賞金総額はテニスの大会では最大規模となっています。大会を主催・運営するのは、通常のプロテニスを統轄しているATPWTAではなく、全米テニス協会(USTA)です。

 

男女シングルス:予選128人、本戦128

男女ダブルス:本戦64

混合ダブルス:本戦32

 

また、車いすテニス部門では、男女シングルス、男女ダブルス、クァードシングルス・ダブルスが行われます。昨年の大会では、男子シングルスとダブルスで国枝慎吾が優勝、女子シングルスとダブルスで上地結衣が優勝しています。

 

 

歴史

1881年に第1回が全米選手権として開催され、当初は男子シングルスとダブルスのみのアマチュア大会で、米国テニス協会に加盟するテニスクラブの会員となっていることが出場資格になっていました。1968年にプロ選手も出場できるオープン化がされ、全米オープンという名前になりました。

 

デイ・セッションとイブニング・セッションにチケットが別れており、イブニング・セッションはアーサー・アッシュ・スタジアムのみで試合が行われます。イブニング・セッションは開始が19時ですので数試合しか組まれませんが、それぞれの試合時間が長くなると最後の試合終了が真夜中になることがあります。去年の4回戦で、錦織とラオニッチの試合が終了したのは、翌日の午前226分でした。

 

 

会場

ニューヨーク市郊外のフラッシング・メドウ・コロナ・パークにあるUSTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで行われます。

 

センターコートはアーサー・アッシュ・スタジアムで、収容人員は22,547と世界最大のテニス競技場です。観客席の他にもスイート席が90あり、2つのラウンジと5つのレストランも兼ね備えています。他のグランドスラム大会のメインコートと比べても、収容人員の多さは際立っています。日本最大の有明コロシアムの2倍以上で、ちょっとした陸上競技場やサッカースタジアムと同じくらいの収容人数ですから、テニスのスタジアムとしては巨大だというのが分かると思います。

テニススタジアム収容能力

USTAナショナルテニスセンター 写真:Googleマップより


 

ちなみに、ナショナル・テニスセンターに付けられているビリー・ジーン・キングというのは、1960年代から1970年代にかけて活躍した米国の女子プロ選手です。また、メイン会場に付けられているアーサー・アッシュというのは、キング氏と同じ時期に活躍した米国の男子プロ選手で、黒人選手の先駆者と言われています。

 

自国の有名選手の名前をセンターコート名に付けることが多いので、もしかして有明コロシアムに将来錦織の名前が付けられるかもしれないですね。

 

 

賞金

大会の賞金総額は昨年より10.5%増えて4,230万ドル(1ドル120円だと約507,600万円)、優勝賞金は330万ドル(約39,600万円)となり、他のグランドスラム大会よりも賞金が高くなっています。ちなみに、本戦1回戦負けでも39,500ドル(約474万円)です。

 

 

コートサーフェス

全豪オープンと同じくハードコートで、全豪オープンよりもボールのスピードは早いと言われています。1977年まではクレーコートで、1974年以前はグラスコートで行われていました。ハードコートは表面が濡れていると非常に滑りやすくなるため、少しでも雨が降ると試合を中断することになります。

 

 

タイブレーク

全米オープンでは、最終セットでもタイブレークが採用されています。他のグランドスラム大会では、最終セットではタイブレークが採用されていません。

 

 

観客が騒がしい

全米オープンでは、観客席で食事をしたりアルコールを飲んだりしている人が少なくなく、ラリー中以外では喋っている人も多くいます。グランドスラム大会の中では、最もカジュアルで陽気な雰囲気だと言われています。

 

観客は選手のプレーを楽しもうという気持ちで観戦しており、好プレーがあると非常に盛り上がります。一方で、プレー中でも話している人がいたり、選手がサーブを打とうとしている時でも興奮した観客が大声を出したり、プレー中でも席を移動する人がいるなど、グランドスラム大会の中で観客が最も騒々しいと言われています。


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