15日のATPファイナル準決勝の錦織対ジョコビッチの試合は、関東地区で15.2%と深夜にも係わらず高視聴率を記録しました。これだけ高い視聴率が取れることが分かったので、来年の全豪オープンは是非とも地上波の放送局に頑張ってもらい、地上波のテレビでも見られるように期待したいですね。

 

錦織の今年の目標は、

・ランキング10位以内に入ること

・グランドスラムの大会でベスト4以上

ATPファイナルに出場すること


でした。見事に全て達成することができ、非常に充実した年だったと思います。今年が始まった時のランキングは17位で、グランドスラムではベスト8に入ったのが1回だけでしたので、大きく飛躍した年となりました。そして、下の表にあるように、ランキングは自己最高の5位まで上がりました。

ATPランキング シングルス(H26/11/17現在)
ATPランキング


来年の目標は、ジョコビッチ、フェデラー、ナダルのトップ
3を乗り越えることになります。錦織は「トップの3選手はまだ上のレベルにいる。でも、近づいているのは間違いない。彼らに勝つことをもっと意識してやりたい。」と言っています。そして「五年以内に世界一位になる」と公言しました。

 

ポイントを見ても、錦織と上位三人とは差があります。一位のジョコビッチとは、二倍以上の差になっています。三位のナダルは故障で大会を欠場した時期が結構ありましたので、故障が治ればもっとポイントを伸ばすことが予想されます。錦織は今年大きく躍進しましたが、トップ3に追いつくには今年以上の活躍をしないといけないというのが分かると思います。

 

但し、優勝回数や勝敗をみると、ポイントほど上位三人との差はありません。どこで差が出ているかというと、ポイントの大きな大会における成績の差です。

 

獲得できるポイントは、大会のグレードによって異なります。ATPツアーの公式戦には、グランドスラムが最高峰の大会で、続いてポイントが高い順に、ATPマスターズ、ATPツアー500ATPツアー250という大会があります。

 

ATPツアー500の大会で優勝すると500ポイントを獲得できますが、グランドスラムの大会で優勝すると2,000ポイントが獲得できます。グランドスラム大会でベスト4に行けば720ポイントですので、ATPツアー500の大会で優勝するよりも多くのポイントを得ることができます。

 

錦織が優勝したのは、ATPツアー500ATPツアー250の大会です。来年は、ポイントが高いグランドスラムやATPマスターズの大会で、今年以上の成績を収めないとポイントを大幅に増やすことは難しくなります。

 

 

ここで、上位三選手と錦織の過去三年のグランドスラム大会の成績を見てみましょう。

 

トップ選手のグランドスラム成績
グランドスラム成績

 

ジョコビッチが非常に安定して好成績を出しているというのが分かります。フェデラーは昨年腰の怪我で不本意なシーズンを送り、ナダルも今年は怪我で欠場していた期間がありました。フェデラーとナダルは、ジョコビッチほど安定はしていませんが、ベスト4以上に進出している回数は、錦織に比べて多くなっています。

 

ベスト4に入るには、ランキングやシードが下位の選手に取りこぼしをしないことも必要です。それとともに、上位三選手と対戦しないように、第四シードまでに入ることも重要です。そうなれば、ベスト4に勝ち進むまでにトップ3の選手と戦う必要がなく、それだけ勝ち進める可能性も高くなります。全英を除くシードの順位は、ATPランキングを基に決められますので、まずはランキングを四位に上げたいところです。
  

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