マイケル・チャン(アメリカ)とゴラン・イバニセビッチ(クロアチア)が、全米オープンの男子決勝で戦うことになりました。二人とも選手を引退していますので、選手として戦うのではなくコーチとして対戦します。

 

チャンは錦織のコーチ、イバニセビッチはチリッチ(クロアチア)のコーチです。最近は元世界トップ選手をコーチに据える選手が増えています。準決勝で錦織に敗れたジョコビッチのコーチはボリス・ベッカー(ドイツ)、チリッチに負けたフェデラー(スイス)のコーチはステファン・エドバーグ(スウェーデン)です。

 

マレー(イギリス)が2012年の全米と2013年の全英を制したときのコーチはレンドル(チェコ)でした。それ以前のマレーは、4回グランドスラムの決勝に進みながら、全て準優勝に終わっていました。それがレンドルがコーチに就任した後に、壁を打ち破りグランドスラムのタイトルを取ることに成功しました。

 

チャンが錦織のコーチになったことで、錦織もひとつ殻を破ってきたような気がします。チャンをコーチに加え、精神面と戦術面で以前とは変わってきました。錦織の発言をみても「勝てない選手はいない」など、強気で自信に溢れたことを言うようになりました。

 

5月の大会では、以前は一方的な試合内容で負けていたナダルに、しかもナダルの得意なクレーコートで、あと一歩というところまで追い詰めました。今回の全米オープンでも、どんな相手にも自分から仕掛ける攻撃的なテニスをしています。

 

チャンは身長が175センチでしたので、錦織と同様に選手としては背が低いほうでした。体格で劣っているのを、フットワークと多彩な戦術と強靭な精神力で補い、史上最年少でグランドスラム・タイトル獲得をし、世界ランキング2位まで上りつめました。

 

チャンが錦織に課しているトレーニングは、非常に指示が細かく厳しいもののようです。それが錦織にはうまくマッチして、成果が出ているようです。

 

チャンは錦織について、同じアジア系だということで相通じるものがあると言っています。チャンの両親は台湾からの移民ですので、錦織にそういったものを感じているのかもしれません。


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