皆さんは、スプリットステップというのを知っていますか?

 

スプリットステップとは、テニスでボールを打つために行う動作で、相手がボールを打つ前に行うものです。少し両足を浮かせるような小さなジャンプで、この動作を行うことによって相手が打ってきたボールに素早く反応することができます。

 

通常はスプリットステップをして着地するときには、両足に均等に体重をかけます。そうすると、着地した後どの方向にも早く移動をすることができます。例えば、左足に体重をかけて着地すると、右へ移動するためには一度右足に体重をかけてからでないと移動することができません。そうなるとスタートが遅れてしまいます。

 

スプリットステップで重要なことは、スプリットステップをしているときに相手のボールに集中して、相手がどこにボールを打つのかを見極めることです。

 

 

先日、NHK教育テレビで放送していた「青春!アリスポ~SPORTS×MANGA」という番組を見ました。スポーツ漫画を読んで競技を始める子供が多くいて、日本のトップアスリートもスポーツ漫画を見て多くの影響を受けた人は少なくないようです。

 

集英社の少年ジャンプで連載していた「テニスの王子様」によって、テニスを始める子供が増えて競技人口が急増しました。少子化によって各競技における競技人口が減少する中、テニスの競技人口は「テニスの王子様」が連載開始後に減少から増加に転じました。

 

先の全米オープンで準優勝した錦織も、「テニスの王子様」を小学生の時に読んでいて影響を受けたようです。「テニスの王子様」で出てくるプレーを真似していたこともあったようです。そして、今でも使っているプレーがあります。それは「片足スプリットステップ」です。

 

上記のように、スプリットステップは通常は両足で着地します。しかし、「テニスの王子様」ではジャンプしている最中に相手の打つ方向が分かったときは、着地するときにボールが来る方向とは逆の足だけで着地します。そうすることによって、両足で着地するよりもより早く一歩目を出すことができます。それを錦織は実戦で行い、素早くボールに追いつくことを可能にしているようです。

 

この「片足スプリットステップ」は、「テニスの王子様」の原作者である許斐剛(このみ たけし)氏が、実際にプロテニス選手がやっているという記事を読んで漫画に取り入れたものです。その選手というのは、現在の錦織のコーチであるマイケル・チャンです。それを聞いた時、錦織とマイケル・チャンは不思議な縁で結ばれていたように感じました。

 

「片足スプリットステップ」は、予測能力が高くなければ行うことができません。錦織もマイケル・チャンもフットワークには定評がありますが、それは高度な予測能力を持っていたからこそです。それが「片足スプリットステップ」を可能にしています。

 

「テニスの王子様」以外にも、実際の競技に影響を及ぼしたスポーツ漫画は数多くあります。バスケットの「SLAM DUNK(スラムダンク)」や、サッカーの「キャプテン翼」などは、その典型的な例だと思います。

 

子供の頃にスポーツ漫画を読んで、影響を受けたトップアスリートも結構多くいるようです。「キャプテン翼は」日本だけでなく世界中のサッカー選手が見ていたようですし、体操の内村航平は「ガンバ!FLY high」、野球のイチローは「キャプテン」に夢中になっていたようです。

 

最近は、日本の漫画を読んで日本に興味を持ち始めた外国人が多くいます。テレビのドラマも原作は漫画であることが少なくないです。たかが漫画ですけど、馬鹿にはできないどころか、大きな影響力を持っていると言えますね。



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