テニスコートのサーフェスには、ハード、クレー、芝などがあります。プレースタイルによって向き不向きありますので、選手によって得意なサーフェスと苦手なサーフェスがあるのが普通です。

下の表は、ランキング上位
10選手のコートサーフェス別の勝率です。

 

上位選手ATPワールドツアーのコートサーフェス別勝率(2015/4/26時点)
コートサーフェス別勝率
資料出所:ATPホームページ

注)合計の勝率より高い場合は黒字、低い場合は赤字になっています。

 


ジョコビッチやベルディヒのように、勝率にバラツキがあまりない選手もいますが、ほとんどの選手は得意なコートと苦手なコートがはっきり分かれています。

 

クレーコートについては、ナダルの勝率が9割を超えており、ナダルの強さが際立っています。今季のナダルは調子が今一つ上がっていませんが、本来の力を取り戻せば全仏オープンの優勝候補筆頭だと言えます。

 

フェデラーはクレーの勝率が他よりも低くなっていますが、それでも0.760と高い勝率を誇っています。クレーコートの大会での優勝は少ないので、得意なコートではありませんが、苦手というほどでもないと思います。

 

マレーは今シーズンになってから、完全に以前の強さを取り戻してランキングを上げてきました。しかし、マレーはクレーを苦手にしており、クレーの大会での優勝がまだありません。全仏オープンでは、ビッグ4と言われている選手の中で、最も倒せる可能性がある選手だと言えます。

 

錦織は、芝とクレーを苦手にしていましたが、最近はクレーコートの戦い方を身に付けて体力も向上させたことで勝率が上がってきています。芝はビッグサーバーに有利でボールも滑ってくるので、ライジングで打つ錦織のプレースタイルには最も不向きなコートサーフェスと言えます。

 

ウィンブルドンよりも全仏オープンの方が上位進出が期待できますので、故障さえなければ全仏オープンはかなり期待できるような気がします。

 

 

クレーコートでの試合は、以前はミスをしないようなラリーばかりで退屈だと言われている時期がありました。その後にラケットの性能が上がり選手の身長も高くなったことで、サーブやストロークのスピードが上がってきました。

 

ハードや芝のコートにおける男子の試合では、サーブだけでポイントが決まってしまうことが多くなり、ラリーが少なくなって淡白な内容になってしまうことが多くなります。逆にクレーコートでの試合は、ただつなぐだけのストロークではなく、より攻撃的なショットが多くなりました。

 

現在の男子テニスの試合では、クレーコートの試合が最もラリーを楽しめ、見ていて面白いと思います。ストロークの打ち合いが多くなるので、特に錦織の試合は楽しめるのではないでしょうか。

 

 

既にマドリッドオープンは開幕しており、錦織は第4シードで同じ山には第2シードのマレーがいます。マレーは3日まで前の大会を戦っており、雨の影響で2日はシングルス2試合とダブルス1試合をこなすというタイトな戦いをしています。更に移動もしますので、体力的には非常に厳しくクレーも苦手なので準決勝まで勝ち上がってこれない可能性が高いです。

 

この大会では、ナダルがどれだけ復調しているのかにも注目したいところです。ナダルは順当に勝ち上がれば準決勝でフェデラーと対戦することになります。比較的ドローに恵まれたので、準決勝まで上がってこれないようだと、復調には程遠い状態ということになります。

 

本来のナダルはアンツーカーでは恐ろしいほどの強さを発揮するので、錦織が優勝するためにはナダルの調子が戻らない方がいいのですが、本調子のナダルにアンツーカーの大会で勝つことは物凄く価値があることです。そういった意味でも、ナダルには復調して欲しいと思います。

 

今年からマスターズ1000の大会をNHKで放送することになりました。しかし、地上波では準決勝以降しか放送しないので、まだ錦織の試合が地上波で放送されていません。今大会は是非ともベスト4以上に進出して、錦織の試合を見てみたいですね。



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