今日、全仏オープンの4回戦が行われ、錦織は全仏オープンで初のベスト8を掛けてロシアのガバシュビリと戦います。

 

下のコートサーフェス別の勝率をみると、ガバシュビリはクレーの勝率が最も高くなっていますが、特にクレーコートが得意という選手ではありません。

 

ガバシュビリのサーフェス別勝率

ガバシュビリのコート別勝率



そして、ガバシュビリの過去のグランドスラムの成績をまとめたのが下の表です。


ガバシュビリGS成績

注)LQは予選敗退、Aは不参加

 

過去のグランドスラムでは全仏で1度だけ4回戦に行ったことがあり、今回はそれに並ぶところまで来ています。ガバシュビリは、1回戦で第11シードのフェリシアーノ・ロペスを破り、ここまで1セットも落としていませんので、調子が良く勢いに乗っているようです。

 

ガバシュビリは錦織について「彼(錦織)の最高のプレーは1時間か1時間半で、長くは続かない。長い試合が僕の望みだ。」と言っていました。

 

この発言がどのような流れで出たのかは分かりませんが、ガバシュビリとしては錦織の早いペースでのストロークの打ち合いを避けて、ラリーが長く続く展開に持ち込みたいと考えているようです。

 

そして、錦織の最高のプレーが続くとしても11時間半だというのも当たっていると思います。まあ、どんな選手でも最高のプレーを2時間以上も長く継続するのは難しいでしょう。

 

しかし、錦織に1時間半も最高のプレーをされたら、23セットをあっという間に取られて試合が終わってしまいます。これは相手がガバシュビリではなく、ジョコビッチなどトップの選手でも同様だと思います。

 

昨年の全米オープン準決勝のジョコビッチ戦の3セット以降や、ツアーファイナル準決勝のジョコビッチ戦の第2セットは錦織が最高のプレーをしてジョコビッチを圧倒していました。昨年のマドリッド・オープン決勝のナダル戦も、錦織の故障が悪化するまではナダルは成す術もありませんでした。

 

それほど、現在の錦織が好調な時の破壊力というのは凄まじいということで、ビッグ4と言われる選手でも太刀打ちできないプレーをします。

 

そのため、対戦する選手は錦織の力を発揮できないように色々と工夫を凝らして戦って、錦織の力を100%近くではなく60%70%などしか出させないようにしています。

 

一方、今の錦織だと6070%の力を出せれば、ランキングが下位の選手には十分勝つことができます。全仏オープンの1回戦と2回戦は、錦織はまだ本調子ではなく6070%の出来だったと思います。それでもセットを落とすことなくストレートで勝っています。

 

4回戦でも錦織が6070%の力しか出せなくても、ガバシュビリがほぼ100%に近い力を出し続けなければ、錦織が負けることはないと思います。特に第1セットを取れば、錦織の勝つ確率はかなり高くなるでしょう。そういった意味でも、ガバシュビリは第1セットを必死になって取りにくると思います。

 

 

ベスト16が出揃いましたがトップ8シードは全員が勝ち上がっており、ここまでは順当な結果となっています。第916シードの選手は4人しか残っていませんが、4回戦に進出したノーシードの選手は2人だけですので、ここまでは波乱が少なくなっています。

 

グランドスラムは、2週目に入ってからが本当の勝負と言われています。勝ち進めば相手は強敵ばかりですので、試合がもつれて長くなることが予想されます。3回戦を不戦勝で3日間試合がなかった錦織は、体力面で大きなアドバンテージを得ました。これから錦織がどのような戦いを見せてくれるのか楽しみにしたいと思います。



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