コロナ禍という非常時だからこそ大切な季節のイベント St. John's Festival
南アフリカロックダウン99日目。ロックダウンのレベルは3ですが、どんどん感染者数が増え続けている南アフリカ。一日の新規感染者が8000人を超えている。一ヶ月前は、感染者5万人程だったのが、今は17万人に達する勢いで、とうとうフランスを超えた。でも死亡者数に関しては、3000人未満で、致死率は欧州と比べてもとても低い。とは言え、現地にいる友人の話だと、そちこちのショッピングセンターの従業員の中から感染者が出たりしていて、ウィルスはとても身近なところまでやってきていることを実感しているという。
日本に一時退避してから、早70日目。日常生活を送るに当たっては、みんなマスクしている以外は、ほんとうにコロナいる?という感じの日本。でも、昨日から東京は新規感染者が100人を超えたと大騒ぎしている。教育現場でも教員の感染が見つかったりしているらしい。コロナもだけど、昨日、埼玉であった3000人を超える集団食中毒の方が心配。
さてさて、新型コロナ禍で子どもたちを取り巻く教育環境はどう変わったのか?どう変わってないのか?
南アフリカのシュタイナー学校の遠隔学習を続けながら、日本の公立の小学校に通っている子どもたち。
どうしても、、、学校の姿勢を比較してしまいます。あくまでも、私の観察によるものですが、、、
日本の学校の関心事は、学習の遅れ。
6月から始まった分散登校の間も、しっかりと自宅学習を行ったのかの「チェックシート」が配布されていました。
私は、学校からの配布プリントの多さについて行けず、ほぼ自宅学習は放棄してしまいましたので、チェックはしていませんでしたけど。
日本は公立学校なので、教育委員会の意向などもあるでしょうから、個人の先生を中傷するつもりは全くありません。
でも、夏休みも6週間から2週間に短縮だったりすると、そんなに学習しないとだめ???と疑問に思います。
夜回り先生の水谷先生も警鐘を鳴らしているくらいですから、きっと全国的に同じような傾向がみられるのでしょうね。。。
学校教育の本当の目的とは?夜回り先生が危惧、授業再開しても知識の補てんだけで人格形成は…
シュタイナー学校の先生は子どもの成長や変化に着目。
一方、シュタイナー学校は、今年1月から新学年が始まっていたので、6月でちょうど年の半分。通常であれば、中間レポートなる先生からのお手紙が届く時期でした。しかし、3月中旬から学校が閉鎖され、1学期の途中から遠隔学習を強いられた状況であったため、週に1~2時間は先生とZOOMで顔を会わすことはあっても、教室で学習する環境とは全く異なります。
小学校4年生のやんちゃ長男の担任先生からは、1学期の途中から2学期にかけては、保護者のみなさんが学習の手助けをしくれました。この間の子どもたちの学習への姿勢や、変化などをぜひ教えて欲しい、と8つの質問が送られてきました。与えられた課題をこなすことはできたか、親の手伝いを必要としたか、楽しんで取り組めたか、学習以外の時間、子どもはどのように時間を過ごしていたか、この間、特に印象に残る子どもの変化はあったか、スクリーンを通しての学びは子どもにどんな影響があったか、などなど、、、保護者への感謝と、子どもたちがどんな風に過ごし、学習以外にもどんな風な変化があったのかを理解しようとしてくれていることにありがたいと思いました。
これができるのは、7年生までおんなじ担任の先生が受け持ってくれているというのもあると思います。そして、9歳から10歳になる大きな変化を迎える子どもたちと日々関われないことは、先生にとってもジレンマだと思います。
私も心を込めて、、私が観察した子どもの様子をA4 3ページにわたってまとめて先生に送りました。特に、我が家は4月後半に、急遽日本に一時退避することになり、生活パターンががらりと代わり、子どもにも多くのストレスをかけた状況であったけれども、その中でも一生懸命に毎日、課題に取り組んだ長男に対して本当にすごいな、と思ったことや、自分で課題の量を把握し、タイムマネジメントしながらこなしていたところなど、大いに成長した部分も見られたので、先生にお伝えしました。
また、9歳で自分と他者を区別し始め、ロックダウン下で10歳の誕生日を迎えた長男は、自分はどこから来たのかを問い始めているようです。そういう時期に、先生が選んでくれた課題図書は「チャーリーとチョコレート工場の秘密」や「マチルダは小さな大天才」の作者Roald Dahlの自叙伝"Boy: Tales of Childhood"でした。
波瀾万丈の人生をユーモアたっぷりに綴ってあるこの本を読んでから、長男は、父親の子どもの頃のことや、家族のこと、自分が生まれてきたときのことなど、自分のルーツに非常に興味を持ち始め、毎日、父親に質問攻めでした。そんなことも先生にお伝えしたら、とっても喜んでくれました。
我が子だけど、先生にも一緒に育ててもらっている感じなんですよね。
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さて、タイトルに書いた「季節のイベント」。
シュタイナー学校では、季節のイベントをとても大切にしています。
特に学期の終わりは、必ずイベントで終了します。
毎年恒例の冬のイベント St.John's Festival。
2018年、2019年の様子はこちらから↓
シュタイナー学校〜2019年のSt.John’s Festival 〜
シュタイナー小学校の冬のイベント〜St.John’s Festival2018 〜
今年はどうなるんだろう、と思っていたところ、やんちゃ長男、次男、それぞれのクラスの先生から、今年のランタン作りの説明が届き、各家庭でランタンを作り、灯をともすことになりました。
やんちゃ次男のクラスでは、折り紙ランタン。
やんちゃ長男のクラスでは、缶に釘で穴を開けるランタン。
早くアフリカに帰りたいなぁ、とアフリカ大陸をデザイン。
やんちゃ次男の先生は、7時間早い日本の夜に合わせて、ビデオコールをくださり、一緒にお祝いをすることができました。
やんちゃ長男のクラスでは、ひとりひとりがランタンを手に取った写真を先生に送り、先生がビデオクリップにまとめてくれました。
今年3回目のSt.John'sはいつもと違った形でしたが、こういうことは端折らない。だって、子どもたちにとっては、冬の大切なイベントですから。
非常時だからこそ、子どもたちに限りなく日常に近い状況を作ってあげることが大事だと思う。
今の日本には難しいのかな、、、軒並みイベントは中止。どうしても学習の遅れをどう取り戻すのかに注力されている。残念。
学校現場が変わることを求めていたら、時間がかかるだけ。
せっかく日本にいるのだから、このようなシュタイナー学校のお話をしながら、お母さんたちとランタン作りをするようなワークショップをやってみたいな、なんて考えています。興味あるお母さん、いるかな?
これまでの話↓
①南アフリカでロックダウン その1ーコロナウィルスってなんだ?
②南アフリカでロックダウン その2-イースター休暇はヨーロッパへ
③南アフリカでロックダウン その3-振り返れば、とっても充実した2月だった
⑤南アフリカでロックダウン その5ーラマポーザ大統領、国家的災害事態を宣言
⑥南アフリカでロックダウン その6ーラマポーザ大統領の言葉は国民に届いたのか?
⑦南アフリカでロックダウン その7ーシュタイナー学校の休校対応(その1)
⑨南アフリカでロックダウン その9ー報道から見るロックダウン下の南アフリカ
⑩南アフリカでロックダウン その10ー南アフリカからもチャーター機飛ぶかも?
⑫南アフリカでロックダウン その12ーシュタイナー学校、遠隔授業(2)
⑬南アフリカでロックダウン その13ータウンシップの子どもたちに食糧の届け物
⑭南アフリカでロックダウン その14ーほんの少しの間、南アフリカとお別れ
⑮南アフリカでロックダウン その15ーエチオピア航空チャーター機の旅(申込みから出発まで)
⑯南アフリカでロックダウン その16ーエチオピア航空チャーター機の旅(出発当日)
⑰日本到着から2週間の隔離生活。 ディスタンス・ラーニング継続しています。
⑱南アフリカでロックダウン(帰国中) その18ーホテルでの2週間の隔離生活、ようやく終了、、、
⑲南アフリカでロックダウン(帰国中)その19ー新型コロナ対策から見えた南アのすごいとこ(1)
⑳南アフリカでロックダウン(帰国中)その20ー新型コロナ禍で見えた南アフリカのすごいところ(2)
㉑南アフリカでロックダウン(帰国中)その21ーやんちゃ長男、日本で10歳の誕生日を迎える!
㉒南アフリカでロックダウン(帰国中)その22ーいよいよ学校再開!南アと日本の学校の新型コロナ対策
㉓南アフリカでロックダウン(帰国中)その23ーシュタイナー学校から日本の公立の小学校に編入
㉔南アフリカでロックダウン(帰国中)その24ー世界中の先生たちに心から感謝!
㉕南アフリカでロックダウン(帰国中)その25ー新型コロナ禍での子どもの変化~抱っこでチャージ~