若さを保つために知っておきたい!老化とカルボニル化の関係③ | 最果てなど無いと知る〜健康を本質から考えるブログ〜

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これまで、カルボニル化と起こるメカニズムや老化

カルボニル化と病気の関係をみてきました。

 

 

どうしたらカルボニル化を防げるのか、4つの方法を紹介します。

 

 

 

多価不飽和脂肪酸の摂取を極力やめる

タンパク質のカルボニル化は、多価不飽和脂肪酸(PUFA)が過酸化脂質となることで起こります。

そのため、元凶であるPUFAの摂取を極力やめることをオススメします。

 

植物油の使用

 

PUFAとはオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の二つで、主に植物油として、摂取する機会が多いものです。

オリーブオイルや菜種油などのオメガ9脂肪酸という一価不飽和脂肪酸も、酸化するので注意が必要です。

 

 

日本では近年に近づくにつれて、脂肪の摂取量が増えています。

統計開始の昭和22年の脂肪摂取量を見てわかるように、元々日本では、脂肪の摂取量が少ないのが分かります。

日本人1人あたり1日の平均脂肪摂取量

しかし、昭和30年以降に始まったキッチンカーで全国を回るフライパン運動により、

それまで和食中心だった食生活は、西洋食を取り入れたものに大きく様変わりしました。

それと共に、脂肪摂取量も大きく増加しています。

 

 

近年になると、動物肉の需要が増え、その分肉に含まれる動物性脂肪の摂取量が増えています。

そして揚げ物など、油を多用する料理がたくさん増えました。

 

 

天ぷらは平安時代からあるとそうですが、

近年に至るまで、食べられたのは一部の上流階級だけだったといわれています。

それまで日本では、油を多用する食生活をしていません。

 

 

一般的に、動物性の飽和脂肪酸は身体に良くないといわれています。

一方でPUFAは必須脂肪酸と呼ばれて、目安量を摂るように指導されています。

 

 

しかし世界をみても、1960年代ごろからPUFAを多用するようになってから重大な病気が増えています。

 

 

イスラエルでは、PUFA(特にオメガ6)の摂取量がアメリカよりも8%、ヨーロッパ諸国よりも10〜12%高いと調査によって判明しています。

にもかかわらず、イスラエルでは心血管疾患、高血圧、非インスリン依存性糖尿病、肥満の有病率が高い事が明らかとなっています。

 

 

これをイスラエルのパラドックス(逆説)[1]といいます。

文献内でも、

『これらはすべて高インスリン血症(HI)およびインスリン抵抗性(IR)と関連している。

研究では、オメガ6系リノール酸の大量摂取は、脂質過酸化やフリーラジカル生成の基質となることに加え、HIやIRを悪化させる可能性が示唆されている。 したがって、むしろ有益であるよりも、高オメガ6 PUFA食は、高インスリン血症、アテローム性動脈硬化症および腫瘍形成のクラスタの範囲内で、いくつかの長期的な副作用を有する可能性がある。』

と結論を出しています。

 

 

日本では相関関係しか分かりませんが、様々な病気は食の西洋化に伴って、年々増加しています。

【外部参考記事】小野薬品工業

 

脳血管疾患での死亡率の減少は、外科手術の向上の影響と思われます。

また、脂肪をエネルギーにすると、糖質をエネルギーにするよりも活性酸素が多く発生することが分かっています。[2]

 

呼吸商

活性酸素発生率

 

このことからも、PUFAをはじめとした脂肪の過剰な摂取は、過酸化脂質やタンパク質のカルボニル化、炎症、インシュリン抵抗性を招くため、注意が必要です。

 

 

植物油の使用を極力やめて、油をかける、炒める、揚げるという食生活から、

焼く、煮る、蒸すといった調理法に変えるのをオススメします。

 

 

もし油を使う場合は、酸化しない飽和脂肪酸のバターやココナッツオイルを少量使うのをオススメします。

 

 

過酸化脂質と病気の関係は、これまでもたくさん記事にしてきたので、よろしければご覧ください。

 

【関連記事】

 

 

 

無理なダイエットをしない

お腹周りに脂肪がつくと、どうしてもダイエットをしたくなると思います。

しかし長年にわたって多価不飽和脂肪酸(PUFA)を摂取していると、脂肪の中にもPUFAが蓄積しています。

 

 

PUFAは大半がエネルギーになりますが、一部は身体に蓄積します。[3]

 

プーファは身体に蓄積

 

無理なダイエットをして脂肪が一気に分解されると、脂肪組織に溜まっていた脂肪が分解されて、血液中に大量のPUFAが放出されます。

 

無理なダイエット

 

血液中に放出された大量のPUFAは、インシュリン抵抗性や炎症を引き起こします。[4][5]

また当然のこと、酸化ストレスによる過酸化脂質が増加します。

 

 

そのため激しい運動やカロリー制限といった、無理なダイエットで急激に脂肪を落とすのは大変危険です。

◯か月で◯キロ痩せるというダイエットには、飛び付かない方が無難です。

 

 

 

なお、半年で5%の体重減少が起こると、進行性のがんが発症しやすくなると指摘されています。[6]

 

 

例えば体重80kgの人の5%だと、たったの4kgの減量です。

 

 

どうしたらダイエットができるのかについては、

心の問題の解決や、身体の仕組みを知ることが最重要になります。

ブログで方法を公開するには、時間も労力も莫大にかかりますので、割愛させていただきます。

 

 

ヒントだけでいうと、良質な糖を摂取することと、沖縄伝統食の構成に秘密があります。

 

 

 

禁煙

禁煙

 

喫煙者やタバコの副流煙で、酸化ストレスやタンパク質のカルボニル化が起こることが指摘されています。[7][8]

喫煙で死亡率が上がるのはそのためだと考えられます。

 

 

また、タバコの煙にはダイオキシンが含まれますので、その危険性もあります。[9]

 

 

喫煙は百害あって一理なしです。愛煙家の方には禁煙は辛いものですが、禁煙をオススメします。

 

 

 

抗酸化物質をむやみに摂取しない

酸化ストレスには抗酸化物質が良いとよく言われています。

しかし、皮肉にも抗酸化物質を摂取すると、細胞では逆の作用の還元ストレス(Reductive Stress:RS)が起こります。

 

色んなサプリメント

 

細胞で還元ストレスが起こると、脂肪分解が起こります。

脂肪分解が起こると、血中にPUFAが放出されて、酸化ストレスを起こします。

 

 

つまり、抗酸化物質が酸化ストレスを起こすというパラドックスが生まれます。[10][11][12]

 

 

抗酸化物質を投与して、脂肪細胞の褐変が抑制できるかどうか実験した結果、

脂肪細胞内のミトコンドリアが活性酸素をより発生させてしまいました。[13]

 

 

ブドウや赤ワインに含まれる抗酸化物質のレスベラトロールに、脂肪を減少させる効果がありますが、

理由はサプリメントで高濃度のレスベラトロールを摂取すると、脂肪分解が起こるためです。[14]

 

 

高濃度のレスベラトロールは、脂肪分解だけではなく、ブドウ糖の取り込みやインシュリン抵抗性を引き起こします。[15]

 

 

ある文献では、抗酸化物質のβカロチン、ビタミンA、ビタミンEの投与は死亡率を増加させる可能性がある。

と結論づけています。[16][17]

 

 

有名な医学誌ランセットの文献でも、抗酸化サプリメントが消化管がんを予防するというエビデンスは見いだせず、

それどころか全死亡率を増加させるようである。[18]

と結論づけています。

 

 

他の文献でも、抗酸化サプリメントが慢性疾患を予防するという示唆は、

試験の結果によって証明されたわけでも、一貫して支持されたわけでもない。 

慢性疾患に対する抗酸化物質の有効性、安全性、適切な摂取量については、さらなるエビデンスが必要である。[19]

と結論づけています。

 

 

近年話題になっている水素吸入では、がんや慢性病などで細胞内に還元ストレスがかかっている場合、逆効果となります。

実験では、がん細胞に水素を投入すると、ミトコンドリアの活性が高いがん細胞において、がんが増殖した結果が出ています。[20]

 

 

まとめ

以上、4つの方法を紹介しました。

 

 

カルボニル化したタンパク質は、一旦出来てしまうと、取り除くのがとても困難です。

取り除くために炎症が起こってしまうくらいです。

 

 

タンパク質のカルボニル化を防ぐこと。

どれも簡単ではない方法かと思いますが、老化や病気を未然に防ぐには重要な方法です。

 

しかしながら、世の中の健康情報を見渡してみても、このことは見かけません。

海外の様々な研究論文でも、PUFAの過酸化脂質の害悪については、数え切れないほどの文献が出てきます。

なのに、一言も『PUFAの摂取を控えた方が良い。』と言及するものを見かけたことがありません。

病気の原因は何か、病院ではなぜか追及されません。加齢かストレスで済まされることがほとんどです。

なぜかをよく考えてみてください。

 

病気には精神的ストレスや食事、環境が関連していますが、

食事や物質的な要素でいえば、個人的にPUFAは黒の可能性が極めて高いと断言できます。

 

 

最後の記事は、タンパク質のカルボニル化で標的となる箇所や、

標的となる物質を紹介する補足資料になります。

補足資料なのであまり面白味はありませんが、

タンパク質のカルボニル化が広範囲に及ぶのがわかります。

 

 

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【参考文献】

[1]Diet and disease--the Israeli paradox: possible dangers of a high omega-6 polyunsaturated fatty acid diet.

Isr J Med Sci . 1996 Nov;32(11):1134-43.

 

[2]How to deal with oxygen radicals stemming from mitochondrial fatty acid oxidation.

Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci . 2014 Jul 5;369(1646):20130446.

 

[3]The majority of dietary linoleate in growing rats is beta-oxidized or stored in visceral fat

J Nutr.1997 Jan;127(1);146-52.

 

[4]Insulin resistance and chronic inflammation

Postepy Hig Med Dosw (Online) . 2016 Dec 20;70(0):1245-1258.

 

[5] High-Fat Diet Exacerbates Early Psoriatic Skin Inflammation Independent of Obesity: Saturated Fatty Acids as Key Players.

J Invest Dermatol . 2018 Sep;138(9):1999-2009.

 

[6]Cancer cachexia and its pathophysiology: links with sarcopenia, anorexia and asthenia. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2020 Jun; 11(3): 619–635

 

[7]Protein Carbonylation in Human Smokers and Mammalian Models of Exposure to Cigarette Smoke: Focus on Redox Proteomic Studies.

Antioxid Redox Signal . 2017 Mar 10;26(8):406-426.

 

[8]Protein carbonylation in human bronchial epithelial cells exposed to cigarette smoke extract.

Cell Biol Toxicol . 2019 Aug;35(4):345-360.

 

[9]Cigarette smoke as a trigger for the dioxin receptor-mediated signaling pathway. Cancer Lett. 2007 Jul 18;252(2):184-94.

 

[10]Reductive Stress in Inflammation-Associated Diseases and the Pro-Oxidant Effect of Antioxidant Agents.

Int J Mol Sci. 2017 Oct; 18(10): 2098.

 

[11]The antioxidant paradox. 

Lancet. 2000;355:1179–1180.

 

[12]The excessive use of antioxidant therapy: A possible cause of male infertility? Andrologia. 2019;51:e13162.

 

[13]Antioxidant treatment induces reductive stress associated with mitochondrial dysfunction in adipocytes J Biol Chem. 2019 Feb 15; 294(7): 2340–2352.

 

[14]Resveratrol: anti-obesity mechanisms of action.

Molecules . 2014 Nov 14;19(11):18632-55.

 

[15]Resveratrol directly affects in vitro lipolysis and glucose transport in human fat cells.

J Physiol Biochem . 2013 Sep;69(3):585-93.  

 

[16]Mortality in randomized trials of antioxidant supplements for primary and secondary prevention: Systematic review and meta-analysis. 

J. Am. Med. Assoc. 2007;297:842–857.

 

[17]Antioxidant supplements for prevention of mortality in healthy participants and patients with various diseases. Cochr. Datab. Syst. Rev. 2012;2012:CD007176.

 

[18]Antioxidant supplements for prevention of gastrointestinal cancers: A systematic review and meta-analysis. 

Lancet. 2004;364:1219–1228.

 

[19]A review of the epidemiological evidence for the ‘antioxidant hypothesis’ Pub. 

Health Nutr. 2004;7:407–422.

 

[20] Molecular Hydrogen Enhances Proliferation of Cancer Cells That Exhibit Potent Mitochondrial Unfolded Protein Response.

Int J Mol Sci . 2022 Mar 7;23(5):2888.

 

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