ランドルサイクルをもっと詳しく① | 最果てなど無いと知る〜健康を本質から考えるブログ〜

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以前、身体の大事なルールとして

ランドルサイクルというものを紹介しました。

 

 

このランドルサイクルは、

僕の健康理論でも中核となるもので、

別名をブドウ糖ー脂肪酸サイクルといいます。

 

 

ちょっと専門的な言葉も入るので、難しいかも知れませんが、

このランドルサイクルを詳しくみていきます。

 

 

 

ランドルサイクルの発見

ランドルサイクルは、2006年に80歳で亡くなった

フィリップ・ランドルが1963年にLancet誌に発表したものです。

 

 

その論文は

The glucose-fatty acid cycle: its role in insulin sensitivity and the metabolic disturbances of diabetes mellitus

(グルコース-脂肪酸サイクル:インスリン感受性と糖尿病の代謝障害におけるその役割)

論文へのリンク

といいます。

 

 

この論文は2022年1月現在、6398もの論文に引用されており、

(Google Scholarでの数)

発表されて60年近くになりますが、

とてもたくさんの論文に引用されていますので、

信頼性が高い論文ともいえるでしょう。

 

 

当時、糖尿病は糖質の代謝に

何らかの障害が起こっていると考えられていました。

(今もはっきり言って変わってません滝汗

 

 

ランドルたちの研究グループが発見したのは、

糖尿病でのブドウ糖を使えない原因の一部が、

脂肪組織の中性脂肪から放出される

遊離脂肪酸の過剰放出にあるのではないか?というものです。

 

 

例えると、中性脂肪がバターだとして、

 

 

そのバターを使おうと切って、

溶かした状態が遊離脂肪酸です。

 

 

遊離脂肪酸が放出された状態は、

血中に油が浮いている状態を想像してみてください。

 

 

 

遊離脂肪酸が過剰に放出されるとどうなる?

ランドルが遊離脂肪酸が過剰放出される条件として挙げたのは、

成長ホルモン、コルチゾール、アドレナリンというホルモンが、

筋肉の中性脂肪から遊離脂肪酸を放出して、

これがインシュリン抵抗性を誘発する可能性がある。

ということを発見していました。

 

 

これらホルモンは、血糖値を上げるホルモンとしても名が知られていますが、

主に大きなストレスがかかった時に放出されます。

絶食状態、闘争ストレス、逃走ストレスなどです。

 

 

この時、僕たちの身体ではどんなことが起こきているかというと、

ホルモンによって、脂肪組織からの中性脂肪を分解して、

それをエネルギーとして使おうとしています。

先ほどのバターを溶かしている状態です。

 

 

ランドルは第一の要素として、

脂質を食べたり、脂肪組織からの中性脂肪の分解が増加すると、

遊離脂肪酸をエネルギー燃料として積極的に使おうとして、

その結果、ブドウ糖の細胞での利用が阻害される

ということを提案しました。

 

 

更に、どんな条件のストレスで遊離脂肪酸が増加するかということも、

把握されてました。

それは、

  • 代謝ストレス(心臓負荷の増加、骨格筋の運動)
  • ホルモンストレス(コルチゾール過剰、インスリン不足)
  • 糖質ストレス(低血糖、飢餓状態)

です。これらはネズミの実験で実証されました。

 

 

代謝ストレスは、糖のエネルギーのストックであるグリコーゲンが、

運動をし続けることによって枯渇することで起こります。

 

 

身体は糖のストックが無くなることで、脂肪のストックを使い始めます。

運動すると脂肪を燃焼するという理由がこれですね。

 

 

ホルモンストレス、糖質ストレスについては、

こちらの記事を参考にしてください。

 

 

そして、脂肪組織からの中性脂肪の放出は、

インシュリンによって、抑制されたのを発見しました。

 

 

次に、インシュリンを使った場合と使っていないという場合の両方で、

外から脂質(アルブミン結合遊離脂肪酸、短鎖脂肪酸、ケトン体)を供給すると、

糖尿病を起こした動物と同じように、

ブドウ糖の取り込みと解糖系細胞による代謝が抑制されることを発見しました。

 

 

ランドルらのグループはこの発見の以前、

同じような実験をして、

その際はピルビン酸の酸化が抑制されるのを

発見しています。

 

 

僕たちの身体は、解糖系細胞とミトコンドリアという共生バクテリアで、

ATPというエネルギーを生み出します。

これが生命体のエネルギーそのものです。

 

 

解糖系細胞はブドウ糖のみからエネルギーを生み出します。

ミトコンドリアは糖質、脂質、タンパク質からエネルギーを生み出します。

ピルビン酸を解糖系細胞が作り出し、

これをミトコンドリアへ受け渡して、糖を完全燃焼させエネルギーを作ります。

 

 

遊離脂肪酸によって、ブドウ糖の取り込みや解糖系細胞による代謝の抑制、

ピルビン酸の酸化が抑制されるということは、

エネルギーフローがうまく動かないことを意味します。

 

 

その後、今日に至るまでいろんな実験研究によって同様のことが確かめられ、

この第一の要素は確固たるものになりました。

 

 

つまり第一の要素をまとめると、

たくさん脂肪を食べた時。

あるいは、

ストレスなどで脂肪をエネルギーにしようと、切り崩した時。

に、身体の中でブドウ糖が使いにくくなるということになります。

 

 

長くなってきたので、次につづきます。

 

 

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