黒糖はガンのリスクを低下させる!?:糖質を活用することが健康につながる | 最果てなど無いと知る〜健康を本質から考えるブログ〜

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奄美地方や沖縄などで使われていることが多い黒糖。

お茶うけだけではなく、調味料や皮膚に塗ったりしても使われています。

2023年の年末に、黒糖に関する文献が公開されました。[1]

 

 

奄美群島の人々、男性2,057名、女性2,947名を対象にしたコホート研究です。

黒糖の摂取と死亡およびがん罹患リスクとの関連を観察したもので、胃と乳房を含むすべてのがん部位で、がん罹患のリスク低下が認められました。

 

 

炭水化物を一日に240g以上食べていた人々は合計で1,668名で、黒糖を週1回未満のQ1群、週1〜6回のQ2群、1日1回以上のQ3群に分けたところ、黒糖摂取が多くなるほど、あらゆるがんのリスクが低下しました。

 

 

どうしてこのような結果になったのでしょうか。

 

 

黒糖の主成分に秘密がある

研究では、黒糖に含まれるミネラルやビタミン、ポリフェノールやポリコサノールについて言及されていました。

 

 

しかし、ポイントはそこではありません。

それはあくまでおまけです。黒糖の主成分にこそ、理由があります。

 

 

それが、ショ糖です。

ショ糖はブドウ糖と果糖が一緒になったものです。

 

 

一般的にブドウ糖と果糖は、砂糖と同じものなので、病気になる、太ると声高らかに喧伝されています。

しかし、それはあくまで過剰摂取した時の悪影響です。

どんなに身体に良いとされるものでも、過ぎたるは及ばざるが如し、過剰に摂取すれば悪影響が出るのは当たり前です。

 

 

糖質であるブドウ糖と果糖は車でいうところのガソリンで、単なるエネルギー源です。

程よく食べれば、身体のあらゆる仕事をするATPというエネルギーになります。

 

ATPは運動だけではなく、思考、新陳代謝させたり、身体を修復させたり、デトックスさせたり、全ての生命エネルギーとして使用されます。

 

 

ほとんどの方は、エネルギーで身体の仕事が行われるということを理解していません。そのため多くの方がサプリの栄養素や菌活で健康になれると勘違いしています。

 

 

『人間はエネルギーで生きている』という視点に落とし込むと、他の栄養素はエネルギーを元に補助的な役割をしているのが理解できるようになると思います。

『糖質を活用することが健康につながる』というサブタイトルはこの意味が込められています。

 

 

 

さて、興味深い研究があります。

 

 

マウスの飲料水に20%という高濃度のブドウ糖水溶液を与えた場合と、6%のブドウ糖水溶液を与えた実験[2]があります。

 

 

20%もの高濃度のブドウ糖水溶液を与えたマウスでは腸の炎症とCD4+T細胞による自己免疫性炎症の反応を示しましたが、6%のブドウ糖水溶液ではむしろ腸の炎症が抑制されて、CD4+T細胞の反応も起こりませんでした。

 

 

つまり、どんなに身体に良くても、摂りすぎは良くないというのがわかります。

 

 

そしてもう一つ、

現在、主に一般的な清涼飲料水に使われている果糖ブドウ糖液糖と砂糖の違いがどのように身体へ影響を及ぼすのかを調べた実験[3]があります。

 

 

この実験では、果糖ブドウ糖液糖では炎症に関わるCRP値が有意に上昇したのに対し、砂糖では変化が起こりませんでした。

 

 

果糖ブドウ糖液糖は人工的に高度精製されたシロップです。日本では原材料扱いですが、僕としては砂糖とは全く別物の食品添加物扱いだと思っています。

 

 

 

ブドウ糖と果糖のコンビを活用することが健康につながる

ブドウ糖と同じく、果糖も長年悪者扱いされています。

しかし、適量の果糖であればブドウ糖とのコンビネーションで触媒的作用によって、エネルギー効率が高まります。[4]

 

 

果糖はランドルサイクルによって糖尿病のようなインシュリン抵抗性が起きていても、ブドウ糖が細胞に入るのを補助してくれます。[5][6][7][8][9][10][11][12]

 

 

こうしたブドウ糖と果糖のコンビは、黒糖をはじめ、砂糖、果物をエネルギー源にするのがオススメです。

ただし、あくまでほどほどの果糖の量です。

実験で悪影響を及ぼしたような高容量での果糖摂取はオススメしません。

一度に吸収できる量は個人差もありますが、果糖とブドウ糖それぞれ15〜20g程度です。

 

 

果糖とブドウ糖が半々のショ糖であれば、一度に30〜40g程度ならOKとなります。

それ以上になると悪影響が起こる可能性がありますし、甘過ぎて身体が受け付けないと思います。

 

 

50gの羊羹一切れには砂糖は20g、角砂糖には1個5g、ショートケーキ120gにはグラニュー糖が11.3g(炭水化物全体でも27g程度。それよりも脂肪の量に注意)なので、甘いと思われている食べ物は、一度によほど量を食べない限り超えないでしょう。

 

 

一方で清涼飲料水ではコーラ500mlには果糖ブドウ糖液糖57g、某アイソトニック飲料500mlには果糖ブドウ糖液糖31gというように、液体だと飲みやすくて、すぐに摂取量上限やそれ近くになりますので注意が必要です。

 

基本は身体が求めれば糖質を食べる。それ以外は間食でも控える。という形にすれば、糖質の過剰摂取による悪影響を受けずに、エネルギー代謝を高めることができます。

 

 

 

ほとんどの病気はエネルギー代謝異常からはじまる

ほとんどの病気の発端は、エネルギー代謝異常からはじまります。

近年になって、ようやく一部の研究者から言われるようになってきました。[13]

 

 

つまりガソリンである糖質があっても、細胞が使えない身体の状態で、インシュリン抵抗性がある状態です。

にもかかわらず、糖質が悪だとして糖質を断つという負の連鎖が起こっています。

 

 

特にエネルギー代謝異常とブドウ糖の枯渇は、脳や神経細胞には死活問題となります。[14]

脳は一日に何も食べずに座っているだけでも血液中にあるブドウ糖の60%を使います。[15]

 

 

なお、脳は脂肪からのエネルギーも使えるから糖質を摂らなくても良いという声がありますが、脂肪の場合、脳で使用される全エネルギーの20%までしか使用しません。[16]

残りの80%はブドウ糖や乳酸などをエネルギー源にしています。

理由は脂肪の燃焼で弊害が多いからです。

 

 

また赤血球が酸素を運ぶために必要な酵素があります。

それが2-3ビスホスホグリセリン酸(DPG)です。

 

 

赤血球にDPGが不足していると、酸素の運搬効率が66%から8%にまで低下します。

このDPGは解糖中間体なので、ブドウ糖から作られます。

赤血球はATPが不足すると簡単に死滅してしまうので、ブドウ糖が必須の栄養素になります。

 

 

エネルギー代謝異常は、ほとんどが脂肪の過剰摂取により起こります。

現在『スイーツ』と呼ばれているものは、ほとんどが脂肪と一緒になっています。

(チョコレート、ケーキ、クッキー、ドーナツなど)

 

これは以前お伝えしたオーストラリアの研究でも明らかですね。

 

 

また世界的に見ても、脂肪、とりわけ多価不飽和脂肪酸(PUFA)をたくさん摂取しはじめてから健康状態が悪化しています。

 

 

 

先日膵臓がんで亡くなった経済評論家は、数年前に糖質断ちと激しいトレーニングを行なっていました。

ガソリンを断てば健康状態が悪くなるのは、エネルギー代謝という視点から見れば当然の帰結となります。

 

 

糖質を悪とするのは、「エンジンが動くには、ガソリンよりもエンジンオイルを燃料にする方がいいんだよ」と言っているようなものです。

 

 

黒糖の摂取でガンのリスクが低下するというのは、エネルギーという視点で糖質をとらえると、当然の結果と言えるということです。

 

 

【関連記事】

 

 

 

 

【参考文献】

[1]Association between brown sugar intake and decreased risk of cancer in the Amami islands region, Japan.

Asia Pac J Clin Nutr . 2023 Dec;32(4):426-433.

 

Glucose promotes regulatory T cell differentiation to maintain intestinal homeostasis.

iScience . 2022 Aug 24;25(9):105004.

 

[3]The effect of high-fructose corn syrup vs. sucrose on anthropometric and metabolic parameters: A systematic review and meta-analysis.

Front Nutr . 2022 Sep 27:9:1013310.

 

[4]‘Catalytic’ doses of fructose may benefit glycaemic control without harming cardiometabolic risk factors: a small meta-analysis of randomised controlled feeding trials

Br J Nutr. 2012 Aug 14; 108(3): 418–423.

 

[5]Carbohydrate-induced thermogenesis in liver cirrhosis: glucose vs. fructose

Nutrition . 1994 Nov-Dec;10(6):521-6.

 

[6]Mechanisms of fructose-induced hypertriglyceridaemia in the rat. Activation of hepatic pyruvate dehydrogenase through inhibition of pyruvate dehydrogenase kinase

Biochem J . 1992 Mar 15;282 ( Pt 3)(Pt 3):753-7.

 

[7]Different effects of various carbohydrates on the metabolic rate in rats

Ann Nutr Metab . 1982;26(1):66-72.  doi: 10.1159/000176546.

 

[8]Small amounts of dietary fructose dramatically increase hepatic glucose uptake through a novel mechanism of glucokinase activation

Nutr Rev . 2002 Aug;60(8):253-7.  

 

[9]Inclusion of low amounts of fructose with an intraduodenal glucose load markedly reduces postprandial hyperglycemia and hyperinsulinemia in the conscious dog

Diabetes . 2002 Feb;51(2):469-78.

 

[10]Acute fructose administration decreases the glycemic response to an oral glucose tolerance test in normal adults

J Clin Endocrinol Metab . 2000 Dec;85(12):4515-9.

 

[11]Stimulating effects of low-dose fructose on insulin-stimulated hepatic glycogen synthesis in humans

Diabetes . 2001 Jun;50(6):1263-8.

 

[12]Fructose consumption and consequences for glycation, plasma triacylglycerol, and body weight: meta-analyses and meta-regression models of intervention studies

Am J Clin Nutr . 2008 Nov;88(5):1419-37.

 

[13]Metabolites of Life: Phosphate

Metabolites. 2023 Jul 19;13(7):860. 

 

[14] Energy Metabolism Decline in the Aging Brain—Pathogenesis of Neurodegenerative Disorders.

Metabolites. 2020 Nov 7;10(11):450.

 

[15] Four grams of glucose.

Am J Physiol Endocrinol Metab . 2009 Jan;296(1):E11-21.

 

[16] Fatty Acids in Energy Metabolism of the Central Nervous System.

Biomed Res Int. 2014 May 4;2014:472459. 

 

 

 

 

 

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