ランドルサイクルをもっと詳しく② | 最果てなど無いと知る〜健康を本質から考えるブログ〜

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前回はランドルサイクルの主な概要と、

第一の要素について紹介しました。

 

 

今回でランドルサイクルの解説は最後になりますが、

詳しくみていきます。

 

 

ランドルが発表したインシュリン抵抗性とは

ランドルがもう一つ発見した第二の要素は、

インシュリン抵抗性についてです。

 

 

ランドルが発見したのは、

健康な人と糖尿病の人に同じ量のインシュリンを投与しても、

糖尿病の人の方がインシュリンが効きにくいという現象です。

 

 

これについてランドルたちのグループは、こう述べています。

 

 

その概略は、

脂肪組織や筋肉中の中性脂肪が分解され、

血漿中の遊離脂肪酸濃度が高くなると、

インシュリン感受性が低下し、しばしば耐糖能異常を伴う。

と述べたことです。

 

 

前回にも書いたとおり、

当時はインシュリン抵抗性という言葉が存在せず、

糖尿病は糖質代謝の障害であるということが一般的でした。

 

 

その後、さまざまな研究によって、

その裏付けともなる証拠が発表され、

インシュリン抵抗性という言葉ができました。

 

 

そしてもう一つ、

サリチル酸ナトリウムについても記述があります。

 

 

それはサリチル酸ナトリウムが、

筋肉におけるブドウ糖の取り込みが低下したり、

解糖系によるエネルギー代謝が抑制されている場合、

遊離脂肪酸やケトン体の効果を消失させる可能性があると述べたことです。

 

 

これは言い換えると、

サリチル酸ナトリウムがブドウ糖の取り込みを

促進させる可能性があるということです。

 

 

サリチル酸から作られた薬として、アスピリンがあります。

アスピリンは非ステロイド性抗炎症剤で、

糖のエネルギー代謝を高める作用があります。

糖のエネルギー代謝を高めることによって、

炎症が落ち着くという作用です。

 

 

またサリチル酸は果物にもたくさん含まれています。

 

 

スペイン風邪の対策として、

アスピリンを大量に飲ませて中毒になり、

それが大量死につながったという話がありますが、

スペイン風邪での大量死はまた別の問題でした。

ここではあえて触れないようにします。

(触れない方がいいと言った方がいいかな滝汗

 

 

ランドルが発表した論文は60年近くになるのに、

これだけのことが分かっていたのは、

やはり信頼性のある論文なんだなというのが分かりますね。

 

 

 

ランドルサイクルでわかること

いかがでしたでしょうか。

2回にわたってランドルサイクルを詳しくみていきました。

 

 

途中難しいところもあったかと思いますが、

要点は、

脂肪をエネルギーするとインシュリン抵抗性が起きやすくなる

ということです。

 

【参考文献】Mitochondrial Overload and Incomplete Fatty Acid Oxidation Contribute to Skeletal Muscle Insulin Resistance

 

 

また、脂肪をエネルギー源にする条件が、

高脂肪食や大きなストレスということです。

このことからも、脂肪は予備のエネルギーということが、

分かるのではないでしょうか。

 

 

また、高脂肪食と大きなストレスで、脂肪のエネルギー代謝になると、

炎症も起きやすくなります。

 

 

なお、脂肪といっても多価不飽和脂肪酸であるプーファは、

とても酸化しやすくなっており、

その酸化してアルデヒドになった毒性により、

細胞にあるインシュリンの受容体基質(GLUT4)を破壊してしまいます。

これによって、更にインシュリン抵抗性が進行します。

 

【参考文献】Muscle and adipose tissue insulin resistance: malady without mechanism?

 

 

ですので、脂肪の中でも特にプーファには要注意です。

 

 

インシュリンの本来の役割とは?

インシュリンというホルモンは、

血糖値を下げるというイメージがありますが、

それは一部分を見ているに過ぎません。

 

 

ランドルの論文の中にもヒントがありますが、

本来の作用はいくつもあります。

  • 糖を細胞に取り込む(血糖低下)
  • 脂肪の分解を止めて、ケトン体の合成を止める
  • 筋肉の分解を止める
  • グリコーゲンの分解を止める

というものです。

 

 

また多くの細胞はインシュリンがなくても、

糖が取り込めることが明らかになっています。

(インシュリン非依存性のGLUT1による取り込み)

 

【参考文献】Insulin-independent glucose transport regulates insulin sensitivity

 

このことからも、インシュリン抵抗性を招く

食生活には注意したいところです。

 

 

こうした信頼性のある研究から身体の仕組みを知るというのは、

健康に生きる上で大切になってくると思っています。

 

 

 

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