水はたくさん飲むと良いの? | 最果てなど無いと知る〜健康を本質から考えるブログ〜

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健康に興味のある方はこんなことを聞いたことがないでしょうか?

 

 

人間の身体はほとんど水分なので、

水をたくさん飲むと良い。

僕もよく質問を受けます。

今回はこのお話についてみていきましょう。

 

 

水をたくさん飲むことを調べてみた

水をたくさん飲むことを調べてみると、

いろんな健康効果と、必要な水分量を紹介していました。

それによると、1日に必要な水分量は約2.5リットルで、

食事からは約1リットルの水分が摂れるとのこと。

 

 

さらに足りない水分は年齢によって変わるとのこと。

 

 

その分足りない水分を意識的にこまめに飲む。

ということが紹介されていました。

 

 

健康効果としては、

  • アンチエイジング
  • 便秘解消
  • 血流改善

などが挙げられていました。

 

 

逆に水を飲まないと、どんなことが起こるのか。

  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • 脱水症状
  • 熱中症

の他、

小ジワ、くすみなども挙げられていました。

脱水や熱中症はわかるけど、他は何となく水とは関係ないような・・・

 

 

食べ物から摂る水分も合わせて2.5リットルというと、

足りない分は1.5リットルになります。

 

 

 

問題は水分の種類

そのサイトでは、天然水やミネラルウォーターを推奨していました。

 

 

これこそが、僕が問題に考える点です。

 

 

この二つは味がほとんどしない真水になります。

真水とは、塩分などが混ざらない水のことです。

この真水をたくさん飲むとどんなことが起こるのでしょうか。

 

 

 

真水を飲むと起こること

真水を飲むと身体の中では、

血液中の塩分濃度が薄まります。

 

 

これが大きな問題になります。

 

 

身体が塩分濃度が薄まったと感じると、

あるストレスシステムが発動するのです。

 

 

 

塩分濃度が薄まると発動するシステムとは?

ここでは身体の中で起こることを

できるだけ分かりやすく書いております。

 

 

しかし、難しいと思いますので、

ポイントになる赤字のところだけでも読めば、

大体は分かるかなと思います。

 

 

健康上でとっても重要なシステムです。

 

 

身体の中で塩分濃度をみている器官は、腎臓です。

腎臓の傍糸球体細胞装置内の緻密斑(マクロデンサ)というところで、

血液中のナトリウムイオンと塩素イオンの濃度を監視しています。

ここで、血液中のナトリウムイオンと塩素イオンの濃度の低下を察知することにより、

血圧が低下しているのでは?と判断します。

 

 

<ポイント>

腎臓で血液中のナトリウムイオンと塩素イオン濃度が低下しているか判断している

 

 

その情報が傍糸球体細胞に入ることにより、

傍糸球体細胞からレニンというタンパク質が放出されます。

また血液量が減ったことでも傍糸球体細胞からレニンが放出されます。

 

 

<ポイント>

血液中のナトリウムイオンや塩素イオン濃度が低下したという情報や、

血液量が減ったという情報により、

腎臓からレニンというタンパク質が放出される。

 

 

これによって、

レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系(以下:RAA系)が発動します。

 

 

このRAA系の役割は、

血液中の塩分濃度をチェックして、

血圧が下がったら上げる

血圧が上がったら下げる

ということ。このシステムはとっても大事です。

 

 

レニンは肝臓から放出されているアンジオテンシノゲンを

アンジオテンシンIに変換されます。

 

 

このアンジオテンシンIは肺でアンジオテンシン変換酵素(ACE)によって

アンジオテンシンIIに変換されます。

 

 

このアンジオテンシンIIは強力な血管収縮作用があり、

これによって血圧が上がります。

 

 

またこの時、アンジオテンシンIIによって脳下垂体後葉から

パゾプレッシンが放出され、利尿を抑えます。

これによって体内の水分を維持します。

 

 

<ポイント>

レニンによってアンジオテンシンIIという物質ができ、

これが血管をギューッとさせて血圧を上昇させる。

イメージだと水の流れるホースを握ると、水の勢いが増すアレです。

 

 

またアンジオテンシンIIは副腎皮質に入り、

アルドステロンを放出させます。

このアルドステロンは、腎臓に入ります。

 

 

アルドステロンが腎臓に入ることで、

捨てるはずだった尿からナトリウムイオンを再吸収します。

再吸収によって浸透圧が高まり、水分も同時に再吸収されます。

 

 

これによって血液中の循環血漿量とナトリウムイオンが多くなり、

血圧が上がります。

イメージだと、蛇口を最大にしてホースに流れる水量をアップさせています。

 

 

<ポイント>

アンジオテンシンIIによって副腎からアルドステロンが放出される。

アルドステロンは、腎臓で捨てられる尿から、

ナトリウムイオンと水分を回収する。

これによって血液量がアップし血圧が上昇する。

 

 

イメージだとナトリウムイオンと水分の回収は、

きゅうりを塩揉みすると、

きゅうりの中から水分と塩分が出てくるのと同じ。

血液量アップは、蛇口をひねってホースの水量を多くするイメージ。

 

 

そしてここで問題になるのが、

ナトリウムを再吸収すると、

それ以外のミネラルが尿に捨てられてしまうのです。

 

 

実はこのとき、

細胞からも

貴重なマグネシウムイオンやカルシウムイオンなどを抜き出して、

ナトリウムイオン以外のミネラルを尿に捨ててしまうのです。

 

 

すると、細胞はミネラル不足になり、

機能が安定しなくなります。

ストレスホルモンのアドレナリンやセロトニンも放出されます。

ここがRAA系の落とし穴です。

 

 

血液中のナトリウムイオン濃度の低下は、

主に真水の飲み過ぎが起こします。

 

 

真水によってRAA系を過剰に活性化させることによって、

血圧が高くなるのです。

 

 

血圧が高くなる原因のひとつに、

塩分の摂りすぎという仮説がありますが、

逆に塩分不足で高血圧になるのです。

 

 

なお高血圧の薬の中で、

アンジオテンシン変換酵素阻害薬というものがあります。

RAA系を薬で抑制して、血圧の上昇を防ぐ薬です。

身体が必要としている役割を止めるので、良いとはいえません。

 

 

身体は必要としているから血圧を上げています。

身体に興味をもって、身体の声を聞いて欲しいなと思います。

 

 

 

では、どんな水を飲むのがいいのか?

まずは真水をたくさん飲むのを控えること。

飲むのであれば、塩分を入れた水を飲むこと。

 

 

1日の塩分摂取量が5g以下だと、RAA系が刺激されやすくなります。

最低でも食材からの塩分も合わせて、10〜15g程度は必要です。

 

 

人間をはじめとする生命は、海から生まれています。

 

 

身体をよく動かす人は、汗から塩分が失われますので、

それ以上あってもいいです。

そういった点では、美味しいと感じる塩分濃度も重要です。

身体が欲しがるものは、本能的に嘘がありません。

 

 

他にも食材から入る何かが混ざった水分で補います。

果物、スープ、味噌汁、お茶、コーヒーなどがおすすめです。

 

 

異性化糖入りのドリンクはやめましょう。

 

 

また、塩分を入れるとエネルギー代謝がアップするので、

低血糖を防止する意味でも、

純粋な糖(蜂蜜、粗糖、黒糖)を加えるのもオススメです。

 

 

純粋な糖は、完全燃焼でエネルギーと水と二酸化炭素になります。

この代謝してできた水が、細胞の構成成分として使われます。

ただし、糖を液体にすると血糖値が急激に上がりやすいので、

濃すぎには注意です。

 

 

しかも冒頭で書いた水を飲むことによる

  • アンチエイジング
  • 便秘解消
  • 血流改善

という健康効果は、エネルギーの産生がもたらしてくれます。

 

 

RAA系を過剰に活性化しないように、

喉が渇いたら、真水以外の水を飲むようにするのが健康を維持するコツです。

なお、水素水や電解水はデメリットがあります。

いずれ記事にすることにしましょう。