知っているようで知らない呼吸の仕組み | 最果てなど無いと知る〜健康を本質から考えるブログ〜

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僕たちは常に呼吸をしています。

その理由は、常にエネルギーを作りながら生きているからです。

 

 

エネルギーを作るのは、細胞にいるミトコンドリアという小器官で、

人間の場合、身体の中に体重のおよそ10%ものミトコンドリアがいます。

細胞レベルで見るとこんな感じ。ATPというのがエネルギーです。

 

 

呼吸を止めてしまうとどうなるでしょうか。

1分、2分なら頑張って耐えられるかも知れませんが、

10分も止まってしまうと、死んでしまうことだって起こります。

 

 

それだけ呼吸というのは、生命活動に直結している身体の仕組みです。

 

 

呼吸を行うとき、身体の中ではどのようなことが起こっているのか、

間近に迫ったセミナーでも少しだけお伝えをしますが、

パッと聞いただけでは分かりにくいので、記事にて解説します。

今回参加される方は、事前にご覧いただけると嬉しいです。

 

 

 

呼吸の仕組みとボーア効果

呼吸は肺によって、外気からの酸素と内側からの二酸化炭素を交換します。

この酸素と二酸化炭素を交換してくれる役割をするのが、血液中の赤血球です。

 

 

肺では外から取り入れた酸素の量が多くなっています。

また取り入れた酸素も使われなかった分は肺から吐き出されます。

この時吐き出される二酸化炭素の量は、4〜5%程度で、ほとんどは窒素と酸素が吐き出されます。

 

 

赤血球の特性のひとつ目として、

  • 酸素の多いところ
  • 体温が低いところ
  • 酸性度が低下しているところ(pHが高いところ)

 

では二酸化炭素を手放しやすく、酸素を受け取りやすいという性質があります。

 

 

肺では酸素の量が多いので、赤血球は二酸化炭素を手放して、代わりに酸素を受け取ります。

酸素を受け取った赤血球は、全身に張り巡らされた血管を通って、細胞へと酸素を送り届けます。

 

 

酸素を受け取った赤血球が細胞に到着すると、酸素を手放さないとエネルギーが作り出せないので、

効率よく酸素を手放せないといけません。

 

 

赤血球の特性のふたつ目として、

  • 二酸化炭素の多いところ
  • 体温が高いところ
  • 酸性度が高いところ(pHが低いところ)

 

では酸素を手放しやすく、二酸化炭素を受け取りやすいという性質があります。

ここめっちゃ重要です。国家試験でも出てくる内容です。

 

 

赤血球の二つの特性をうまく使って、呼吸が成立しています。

これをボーア効果といいます。(酸素解離曲線の右方移動)

 

 

ここで重要なポイントが、赤血球のふたつ目の特性です。

運動をすると、このどれもが高くなりますが、もうひとつ条件があります。

 

 

それが、効率の良いエネルギー源の燃焼であり、糖のエネルギー代謝です。

 

 

僕たちのエネルギー源となるのは、主にブドウ糖と脂肪です。

この二つのエネルギー源はそれぞれ、画像のように必要な酸素分子量と産生される二酸化炭素量が違っていますよね。

 

 

ブドウ糖は産み出されるATPが少ないものの、酸素と二酸化炭素の分子量が変わりません。

一方で、脂肪はATPが多いものの、必要な酸素分子量に対して、二酸化炭素量が少なくなります。

 

 

ここが大きなポイントです。

 

 

細胞ではエネルギーを作り出す際に、内部で化学反応が起こり、そこで熱エネルギーが発生します。

糖のエネルギー代謝では必要な酸素量が少なく、産生される二酸化炭素も変わりがありませんので、

エネルギー効率が良く、熱エネルギーも発生しやすくなります。

この熱エネルギーによって、酸素を手放しやすくなります。

 

 

そしてエネルギーができる時に、細胞では二酸化炭素と水ができますが、

二酸化炭素が水に溶ける際、水素イオンが発生するので、細胞内は酸性へと傾きます。

これによって、赤血球が酸素を手放しやすくなります。

 

 

脂肪のエネルギー代謝では必要な酸素量が多く、二酸化炭素量が少ないので、うまく酸性にならず、場合によっては細胞内が還元状態へと移行します。

 

 

とこのように、糖のエネルギー代謝では脂肪のエネルギー代謝に比べて、

赤血球が細胞で酸素を手放しやすくなる条件が揃ってくるのです。

 

 

また、赤血球はミトコンドリアがなくブドウ糖のみからエネルギーを作る解糖系細胞という細胞です。

理由は、赤血球にミトコンドリアがあったら、細胞に酸素を運ぶ前に消費してしまいますよね。

 

 

その赤血球が酸素を運ぶために必要な酵素があります。

それが2-3ビスホスホグリセリン酸(DPG)です。

 

 

赤血球にDPGが不足していると、酸素の運搬効率が66%が8%にまで低下します。

このDPGは解糖中間体なので、ブドウ糖から作られます。

赤血球はATPが不足すると簡単に死滅してしまうので、ブドウ糖が必須の栄養素になります。

 

 

ですので、糖質制限ダイエットはおすすめできません。

短期間ならいいかも知れませんが、長期間は危険です。

(短期間でも僕は勧めていません)

 

 

僕が糖のエネルギー代謝をメインにするのを勧めている理由は、このようになります。

 

 

また、呼吸の仕方も重要です。

呼吸は生命活動に直結する運動としては特殊で、無意識でも意識してもできる運動です。

 

 

呼吸の専門家がよく、「息を吐ききりなさい」ということを言いますが、危険が伴うことも。

 

 

息を吐くというのは、余分な二酸化炭素を吐き出すという行為です。

そのため、息を吐きすぎてしまうと、身体の中に必要な二酸化炭素まで吐き出してしまい、逆に健康を害してしまいます。

 

 

かといって、血中の二酸化炭素量が多すぎても高炭酸ガス血症になりますが、

肺疾患があったり、血管に直接二酸化炭素を注入するなどしない限りは起こりません。

 

 

と、ここまで長く書いてきましたが、

 

 

要点は、

  • 酸素を細胞に届けるには二酸化炭素が必須なこと
  • 酸素を細胞に届けるには酸性度と体温も重要なこと
  • 条件を満たすのが糖のエネルギー代謝であること

 

を覚えていただけるといいと思います。

普段何気なく行なっている呼吸でも、こんな仕組みを作り出した生命体のすごさに感動します。

 

 

 

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