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痩せる薬が近い将来販売される。
僕が子供の頃のよく聞いた話です。
飲むと痩せる、飲むだけで痩せる。だから未来に肥満はいなくなるみたいな。
さて、2023年3月、日本でウゴービという肥満治療薬が承認されました。
そこに含まれているセマグルチド(遺伝子組み換えです)という成分が肥満に効果があるとされています。
それ以前には、オゼンピックやリベルサス、リラグルチドという、こちらもセマグルチドを主成分とした薬が使用されています。
ウゴービは、投与する量を週1回0.25mgから開始し、最終的には週1回2.4mgを注射することができるため、
オゼンピックやリベルサスよりも投与可能な量が増やせます。
BMI27以上の肥満症と診断されてから適用となり、肥満治療が目的なら保険適用されます。
これらの薬の作用をみていきましょう。
セマグルチドの作用は?
ウゴービなどの有効成分であるセマグルチドは、
グルカゴン様ペプチドー1(GLP-1)受容体作動薬と言われており、
(GLP-1:Glucagon-Like Peptide-1)
体内にあるGLP-1を模倣したものです。
GLP-1は小腸や脾臓、中枢神経から分泌され、
食欲の調整、インシュリンの分泌を刺激し、グルカゴンの分泌を抑制することで、
胃から小腸への排出を遅らせます。
しかし薬になると都合が悪く、セマグルチドには食欲を減退させて、
その結果体重が減少するという仕組みになっています。
セマグルチドの重大な副作用
セマグルチドで数多く報告されたのは、吐き気と下痢です。
そのため、治験ではセマグルチド投与群がプラセボ群と比較して、59名の被験者が治験を中断しています。[1]
ウゴービに関しては使い続けると体重が減少しますが、
投与を止めると体重が戻ってしまうことが示唆されています。[2]
また、オゼンピックはげっ歯類への動物実験において、甲状腺がんを引き起こすことが報告されています。[3]
その他重篤な副作用としては、
腎不全、低血糖症、胆嚢障害、胃腸障害、神経系障害、脾臓炎症、自殺念慮といったことが挙げられています。
そして、FDA(アメリカ食品医薬品局)の有害事象報告データベースには、
オゼンピックの有害事象として、合計14,149件報告されており、
その内訳は、6,253件の重篤な症例と163件の死亡報告がされています。[4]
ウゴービに関しては、有害事象が合計2,201件報告されており、
その内訳は、460件の重篤な症例と6件の死亡報告がされています。
では、どうしてこのようなことが起きてしまうのでしょうか。
続きます。
【参考文献】
[1] Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity
N Engl J Med. 2021 Mar 18;384(11):989-1002.
[2] Weight Loss with Wegovy
[3] Possible Side Effects of Ozempic (semaglutide) Injection
[4]FDA Adverse Events Reporting System
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記事について
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