肩こりを東洋医学でみると その2 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます 

昨日の「肩こりを東洋医学でみると その1」からの続きです。まずは「不通則痛」のケースについて。肩こりの場合、必ずしも痛みを伴うワケではありませんが、病態としては同じ気血の滞りですからね。

だったら、「腰痛を東洋医学でみると その2」と場所が異なるだけで、病証はまったく同じなの?いえいえ、からだの上部と下部の違いは、病証にもある程度影響します。それは、原因となる外邪 にせよ、内生の五邪 にせよ、それぞれに特性がありますから。

さて、気血の阻滞が肩で起きると肩こりになりますが、何が気血を阻滞させているか?それによって、ちょっとずつ症状が違ってきます。であれば、当然のことながら、対処法もちょっとずつ異なる。同病異治でございます。

症状緩和には、昨日リストした大椎天柱列欠、後渓、夾脊穴を共通穴(共通の治療点)として使い、原因に対処するためのツボを病証ごとに選んで加えます。ほかにも、肩背部にある肩井、秉風、肩貞、膏肓やその他のツボも、反応の強いところを選んで加えます。

 風寒による肩こり

「外邪はコンビでやってくる その2 風寒邪」 にあるように、いわゆるカゼやインフルエンザの症状をおこすのが風寒(ふうかん)。↓こんなときは要注意です。
① 寒風にあたる
② お風呂上りや運動後など、からだが温まって汗ばんでいるときに風にあたる
③ 寝ている間に風にあたる
④ もともと内寒(ないかん)があるところに風邪 が入った(風にあたった)

カゼやインフルエンザの初期症状として、くびがゾクゾクっとしたり、肩がこわばったりすること、ありますよね?そんなときの肩こりです。

症状: 急な肩背部の痛み、こわばり、ひきつり、冷感など。
特徴: 悪寒、発熱、頭痛などを伴う。ひどければ、全身の関節痛をおこす。温めると楽になる。
ツボ: 合谷風池 、共通穴、反応点

 寒飲内停による肩こり

もともと胸部に寒飲(かんいん)があるところに、陽気が不足すると、背中がこわばって、肩こりになります。内停とは、体内に停滞すること。

飲は、痰飲(たんいん)として、まとめて言われることが多い病理産物ですが、水分代謝が悪くて、からだに不要な水分が停滞した状態です。それが冷えているのが寒飲で、いわば痰飲+内寒あるいは寒邪

内寒は陽気不足、すなわち陽虚で生じるもの。もともと陽虚体質の人がなりやすいし、そうでない人でも、病気や過労があって気虚気味なところに、からだを冷やすようなことをすれば、陽虚となります。

陽気が不足すれば、津液(水分)の代謝も悪くなりやすく、津液代謝が悪ければ、痰飲がたまって気血の流れを停滞させます。これが寒飲内停という状態で、ごく簡単に言うと、「むくみ+冷え」です。これが胸部で起こると肩コリを生じるというしくみ。

症状: 背中が重く感じられる。くびや肩がひきつる。冷感。
特徴: むくみや冷えを伴う。重症化すると喘息、めまい、口は乾くが水を飲みたくない。
ツボ: 豊隆膈兪定喘、共通穴、反応点

この続きはまた明日。一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。

 
プリムラ
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