あけましておめでとうございます。
いろいろ忙しくて、ブログのように
まとめて文章を書く時間がとれませんでした。
近況からお話すると今はカタルーニャ2部リーグ
(実質6部)のシンゲリンというアマチュアチームで
コーチをしています。
成績も5連敗からの3連勝でなんとか降格圏から
少し離れました。
年明けはリーグ戦がなく、時間があったので
エウロパユースとバルサユースのリーグ戦を
見に行きました。
エウロパは昨シーズンから一部リーグに昇格して
きたチームでまずは残留争いが当面の目標に
なるチーム。バルサはいわずとしれた
スペインの強豪で右ウイングの黒人選手の
アダンはバルサBを飛び越して、トップチームで
出場している逸材ですね。
結果は0-4の惨敗でしたが、エウロパなりのバルサ
攻略の戦術を興味深く見てました。
エウロパはバルサに中盤より上まで
ボールを持ってこられると個人技と
数的優位の打開力で防ぎきれないので、
隙を見つけてバルサのディフェンディングサードに
ハイプレスをかけて勝負する戦術でした。
これはかなり難しい戦術です。具体的にいうと
味方のFWがサイドチェンジのパスコースを切り
もう一方のウイングがある条件が揃ったときに
相手CBへプレスをかけ、SBはそれに連動して
相手SBのマークへCBはバルサのウイングをケアする。
つまりチーム全体で連動が必要で一人でもミスると
チームが崩壊するというもの。
(下記図参照、青がエウロパで赤がバルサ↓)
具体的にどういう条件が揃ったときにウイングが
プレスをかけていいかというと
・味方FWがしっかり逆のCBへのパスコースを切ってること。
・バルサの左SBと左ウイングへのパスコースの角度が狭いこと
以上、二つの条件が揃った場合とCBがGKにボールを戻した
場合にプレスをかけにいきます。
この条件は絶対でこれを外れるとチームは大ピンチになります。
例えばバルサの左SBと左ウイングへのパスコースに角度がある
場合にプレスをかけてしまうと相手SBにパスを通され
プレスの網がかいくぐられてしまいます。(下記図参照↓)
前半はこれでサイドチェンジを何度も封じたどころか
チャンスもつくる場面もありましたが得点には至らず
逆にバルサのCBがドリブルで守備を揺さぶり、
そのまま裏に縦パスを通したり、
ウイングが背中を向けたトラップから
無理やり前を向いて突破されたり、
セットプレーで競り負けたりと、結局
エウロパは前半だけで3失点しました。
正直、試合自体は選手の質の問題でどうにもならない
感じではありましたが、エウロパが高いレベルの戦術を
維持していて、自分が監督であれば少なくても
戦術的には納得できる敗戦でした。
むしろエウロパがプレスをかけていくときに
バルサのピボーテが降りてきてパスコースを
つくらなければならなかったのですが(下記図参照↓)
それができていませんでしたが、後半からは
これが改善されていてエウロパの
「ボール狩り」が難しくなりました。
ピボーテが降りてくるのならそれに併せて
エウロパの中盤の選手がついていく必要が
あったのですが、今度はエウロパの選手が
そこまで判断できていなかったという感じです。
それでも後半に1得点しかされなかったのは
後半にバルサが控え選手を出したために
力が落ちたことと、勝利が確実な中で
無理な得点よりも無駄な失点を減らすことに
選手が戦い方を変えたからだと思います。
最終ラインでのボールの回し方として
よくあるケースでCBがサイドに開きすぎて
味方のSBとウイングへのパスコースの角度が
極端に狭くなり相手のプレスにハマるということ
があります。
二人のCBでゲームをつくるときは
ペナルティエリアの幅でボールを
受けるのが一般的ですね。
もちろんバルサのトップチームのように
ピボーテが降りてきてDFラインでボールを
受けたりすると今度はCBはサイドいっぱいに
開くのですがそれらの話は長くなるので
とりあえず今回は以上で…。