いわゆる「ニンジン作戦」はウソという話。 | 日本で活動中のサッカー監督のブログ

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バルセロナで修行してきましたが、2017年より日本で活動しております。

お久しぶりです。
いろいろたてこんでブログを
書けていませんでした。
現在は次のチームを探したり
ビザの更新をしたり、
自分のビジネスの整理をしていたりしてました。

先日、お仕事をしていて
馬の調教をされていた方と知り合う
機会がありとても興味深い話が聞けたので
それをご紹介したいと思います。

発端としては世間話ではあったのですが
調教とサッカー指導の共通点を見出すという
視点で僕は話を伺っていました。

まず話にあったのは馬の調教において
ニンジンを鼻面に当てて馬を走らせる
という漫画やアニメではおなじみの
「ニンジン作戦」というのは実は虚構だそうです。
調教においてニンジンなど与えることも
ないし、むしろニンジンを与えてしまうとそれが
調教の邪魔にさえなると。

調教といっても人間を乗せるというところから
始まっていろいろな指示を覚えさせるのですが
本質的には指示通りに馬が動いたときに
その指示を与えるというストレスから開放して
あげるという地道な作業の繰り返しになると。
優秀な調教師は短い時間でそれを
仕上げることができると


指示通りに動いたときに
ニンジンを与えているようでは
実際に指示を与えるときにも
ニンジンが必要になってしまうと。

さらにおもしろかったのは
どんなに高額でやりとりされるような
優秀な馬でもきちんとした指示を与えられる
人間がいないと調子を崩して
その優秀さが翳ってしまうことがあると。
どんなに優秀なサッカー選手でも
きちんとしたオーガナイズがされていない
環境にさらされてしまうとその
パフォーマンスがどんどん落ちてしまう
例を思い出しながら聞いていました。

千里の馬は常にはあれども
伯楽は常にはあらず。

優秀な馬は常にいるものだけど
それを調教できる人間は常にいる
わけではない。

という言葉を思い出しました。
サッカーの指導者にも通じる話で
とても興味深かったです。