書道瞑想入門②【脱フュージョンと自己観察】
こんにちは、いぬとび書道教室です。書道瞑想とは、「書道×瞑想×ACT:アクト(認知行動療法)」を組み合わせたものです。書道の瞑想効果をより一層高め、ACTを使い、心のメンテナンスをして、健全な状態に保つ。これが書道瞑想です。ACT(アクト)とは、Acceptance and Commitment Therapy(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の略称で、認知行動療法の中の1つの心理療法です。依存症やうつ病などの心理療法やカウンセリングにおいて用いられていましたが、最近はACTトレーニングとして健康な人々への教育などでの活用も盛んになっているセラピーの一つです。この瞑想法をどのように実際やっていいくのかを、シリーズでご紹介していきます。侮辱された言葉への怒りがおさまらない。いつも不機嫌な人のご機嫌伺いをもうやめたい。誰も私をわかってくれない、必要としてない気がしてならない。いつもミスする自分を責めてしまう。ネガティブな感情は大なり小なり誰にでもあるものです。厄介な感情だとはわかっていても、不愉快な記憶や、望みもしない衝動や怒りが沸き起こってしまう時があります。さらに、このような感情を忘れたいのに、必要以上に何度も何度も頭の中で考え、心配して、憤り、さらに過去を掘り下げて不快な気分になったり、または起きてはいないことまで想像してしまう。一度考え出したら止まらなくなってしまう、底なし沼のようなやっかいな感情です。そして同時に私たちは、いつか訪れる死を確信しているのにも関わらず、未来に夢や希望を抱き生きていくことができる。無意識であっても、自然と理想的な自分になれるような行動を起こしている。時には、「今の自分」に集中できている時間は幸福を感じることができることでしょう。これが、自然と沸き起こっているポジティブ思考です。そうなんです。私たちの中には、勝手に沸き起こるネガティブ思考もあれば、同時に、勝手に湧き起こるポジティブ思考もあるのです。どうしてもネガティブ思考が自分の中で目立って感じてしまうだけで、同じぐらいポジティブ思考も存在しているのです。両方とも必ず沸き起こる感情。両方ともなくてはならない感情。どちらとも大切にしてあげないといけない感情なのです。だから、ネガティブ思考であっても、受け入れて感情を自由にしてあげることが自分にとって大切なのです。やっかいな感情や思考に支配されない方法が、今回のご紹介する「脱フュージョン」です。脱フュージョンとは私たちが経験したネガティブな思考は、過去のものです。それを今この瞬間に何度も思い出し、過去の経験をしようとする。思考と出来事がごちゃ混ぜになってしまって、さも、今感じている現実のように感じ取ってしまう。この、思考と出来事に境目がつけられない状態を「フュージョン」といいます。梅干を思い出すと唾液が出てくる現象などですね。その紛らわしい思考から抜け出そうよ、ってことで「脱フュージョン」といいます。書道瞑想で脱フュージョンして、自分を観察してみよう!(準備するもの) ペン 紙やノート 書道セット(半紙含む)①避けたい言葉を書き出し、一文字の漢字を決めるまずは、悩んでいること、苦しんでいること、避けたいと思っていることを書きだしてください。私の経験を例に出しますと… 仕事でミスが多い 頑張っているけど、ミスが減らない 職場で誰かが動くと叱られそうで怖い 「使えない人材」と思われていると感じる 怖いので何を頼まれても笑顔でYESと言ってしまう自分が嫌いだこんな感じです。(私自身の詳しい過去の記事はこちらをご参照ください→書道瞑想入門①【書道瞑想とは 】)この時の感情を漢字で表します。最初のうちは一文字だけ選びましょう。このときの私は、ミスが怖い、叱られるのが怖い、人が怖い、嫌われるのが怖い。ということで「怖」という漢字を選びました。コツとしては、苦しい過去でも洗いざらい書き出すこと。どんな醜い感情も取りこぼさず、書き出すこと。書道瞑想は、どんな感情でも全部一文字に注入する感じでやっていきます。②対象となる漢字のお手本を用意するお手本になる漢字はネットですぐに見つけることができます。できれば人が書いた漢字がいいですね。書道を習っている方は、先生に一筆書いていただくと良いかと思います。やはり、人が書いた文字にはエネルギーがこもっているので、デジタルの文字より感情が乗りやすいです。②対象となる漢字のお手本通りに書く実際に書いていきます。まず、お手本をじっくり観察してください。30秒ほど。とても大切なことなので、面倒でも必ずじっくり観察してください。線の長さや太さ。トメ、ハネの強弱。ハライの角度。白い空間のバランス。など、じっくり頭に漢字をすり込んでください。このとき、書きながらこの漢字にたいする過去のネガティブな出来事や感情をたくさん思い出してください。そしてひたすら、お手本通りに書き続けます。ひたすらネガティブ思考で書き続けます。このワークで大切なことは、2つです。ひたすら漢字を書きながらネガティブ思考を思い起こすことそして、お手本通りに充実に書くこと③過去の自分のネガティブ思考を観察するネガティブ思考を思い起こしながら、かつ、お手本通りに書こうとすると、ネガティブ思考が自分の外からの雑音のように聞こえてくるように感じませんか?まるで、もう一人の自分が横に座って、あんなこと言われたとか、こんな嫌なことされたとか、愚痴を聞いてる感じになってきます。でもあなたは手を止めず、お手本通りに書こうと集中している。まるで、過去の自分のネガティブ思考が、他人事のように聞こえてくる。これが「脱フュージョン」して、「過去の自分の思考を観察」している状態です。現実の自分と過去の自分とを切り離せた状態。あれほどの思いを漢字一文字にぶち込んだはずなのに、今、あなたが書いている一文字の漢字は「もぬけの殻」になっていませんか?ただの漢字。ただのお手本。字が上手い人が書いた字。といった具合に。同時に集中したので、頭がスッキリさえしていることでしょう。いかがでしょうか?脱フュージョンは経験できましたでしょうか?④「脱フュージョン」と「自己観察」を繰り返すネガティブ思考はとても強いエネルギーの塊なので、一度脱フュージョンができたとしても、もう一人の自分がしゃべっている言葉に反応して、過去のネガティブ思考に引き戻されそうになります。そしたら、もう一人の自分のおしゃべりに感謝をもち付き合ってあげましょう。「よしよし、私を守ってくれようとして、たくさん色々あったことを教えてくれているのね、何度でも聞いてあげよう」こんな感じで、もう一人のおしゃべりに付き合いつつ、臨書(お手本通りに書くこと)を続けて下さい。1回や2回では、脱フュージョンは難しいでしょう。しかし、書道の練習もかねてやるのならば、腕も上がるし、脱フュージョンの練習もでき、一石二鳥です。次回は、脱フュージョンした後のお話です。「ネガティブ思考の居場所はどこに?」お楽しみに~。それではこのへんで。よくわかるACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー) 明日からつかえるACT入門Amazon(アマゾン)1,777〜7,018円${EVENT_LABEL_01_TEXT}