「大人の学び直し書道」
今回の漢字は「火」です。
火の象形文字は、炎や焚火の様子を表したものです。
生きるために、守るために、私たちは「火」という存在を昔から利用してきた重要なものです。
火
情熱に火をつける
「情熱に火をつける」
これまでの人生で一度は「情熱」というものを抱いたことがあるのではないでしょうか?
情熱というものは、自分の内なる熱意や興味にエネルギーを注ぐことです。
火をつけるとは、その情熱をエネルギーに変え何かしらの行動を起こすこと。
なにも情熱なんてたいそうなものはない。
と思っている人でも、「~へ行ってみたい」「~をやってみたい」という願望も、願望という種類の情熱です。
何かをやりたい。
と思ったときはすでに情熱で、それを行動に移しているか否かだけ。
着火剤となる「火」の存在の差です。
「情熱に火をつける」という言い回しは、まるで、バーベキューの火起こしです。
あとは墨に火をつける状態なのに、
完璧だと思える着火剤をお店でいつまでも探している人。
着火剤の取説をいつまでも読んでいる人。
着火剤は危ないからと、他のもので代用してうまく火がつかない人。
一つの着火剤だけでは不安だから最初から何個も何個も入れようとする人。
まさに、ここでの墨は「情熱」に置き換えられます。
情熱があるのに、やりたいと思っていいるのに
いつまでも行動できない人は、火起こしが慎重すぎるのです。
火起こしがとても上手な人は、その場にあるものでとにかく火を起こしてみる。
まず、とにかくやってみて
「あ、これじゃ、火が消えるんだ」
と経験してから、墨の置き方を変えたり、着火剤を増やしたり、道具を変えてみたりします。
これを見ていると、私たちの情熱の火のつけ方もまるで同じ。
情熱に火をつける達人たちは、行動に移す時間が限りなく短いのです。
「まずは失敗してから考える」
失敗を恐れる時間はムダになるだけだけど、
失敗は経験値となり積みあがります。
火加減
情熱に火がついてからは、次は火加減が大切です。
常にMAXで燃やし続けていては、すぐに灰と化してしまいます。
私も過去はそれで何度も失敗しました。
よく言えば、好奇心旺盛。
悪く言えば、飽きっぽい。
熱しやすく冷めやすい性質のせいか、行動力はあるけど、継続力のない人間です。
過去投げ出してきたものは数々ありますが、
例えば、英語の勉強や、家庭菜園。
止めてもまた始めて、そしてまた止めて…始めて。
この繰り返しの趣味が今でも残っています。
ただ、熱心に続いていないだけで、定期的に数十年は続いていることになります。
これは、もう立派な継続している趣味と言えます。
もしかすると、私たちは、自分で思っている以上に継続力があるのかもしれません。
自分が決めた計画に対して、酷くゆるいだけ。
計画するのは、楽しいし、すべて思い通りになったような万能感があるので、ストイックな計画をたてて潰れがちだけど
なんだかんだで再開していれば、趣味も決して熱が冷めたわけじゃないんですよ。
今は、違うものを追いかけているだけ。
きっと、あなたの中にも、そんな趣味がいくつかあるはずです。
でも、やっぱり、「充実感」を味わえるような達成感を味わいたい。
そこで、あとは、火加減です。
私のように熱しやすく冷めやすい人は、
スタートした時は超強火なので、それを中火にする気持ちで行動する。
それには「HOWどうすれば継続できるか?」と自分に問いかけること。
逆に情熱が冷めて、今にも消えそうに揺らぐ弱火の時には、
「WHYどうしてそれをやりたいのか?」と自分に問いかけること。
強火の情熱があるうちは、なんでも勢いで行動できるから「WHY?」は不要です。
ただ、闇雲に突っ走ってストイックなスケジュールを組んでるから「HOW?」が必要。
このように、自分の行動に対して、第三者から質問されるイメージで自分自身に問いかけてみましょう。
「うわー、これは無茶だわ」ってのも冷静に分かってきます。
逆に、くじけそうになった時でも、この第三者目線の「WHY?」が、情熱の火を絶やさないでくれますよ。
私もこれで、なんだかんだ書道も配信も続いています。
ぜひ、やってみてください。
それでは、このへんで。