道具をそろえよう
書道をはじめるには、何を言っても「道具」がなければなりませんね。
前に、「書道六文具」のお話は簡単にしましたが、そのなかでも「文房四宝(ぶんぼうしほう)」はなくてはならない道具です。
【文房四宝】
- 筆
- 紙
- 硯
- 墨
この4つはひとまず書道を学ぶ上で最低限必要な道具です。
今回は、書道を学ぶために必要な道具の「筆」の特徴についてお話します。
初心者はどんな筆を選べばいいの?
私が書道を何も知らない当初、一番困ったのは「筆」です。
お店に並んでいる、あまりに多くの筆に愕然。
「初心者」が使う筆すらわからない状態です。
ひとことで「筆」と言っても、使っている「毛の種類」も違うし、「長さも」「太さ」も全然違う。
未知との遭遇でした。
「さっぱり、わからん…」
この時は、小学生・初心者用とかかれた筆を手に握りしめてレジへ行ってことを覚えています。
筆は書道をやろうと思う人が最初に悩むポイントです。
ここで、まず知っておきたい筆の決め方としては
「毛の硬さ」「毛の長さ」
毛の硬さ
剛毛(茶毛)・・・イタチ・狸・鹿・馬の毛
兼毛(茶毛)・・・2首類以上の毛を混ぜたもの。
柔毛(白毛)・・・羊・ウサギ・猫の毛。
毛の長さ
- 短鋒(たんぽう)
- 中鋒(ちゅうほう)
- 長鋒(ちょうほう)
また、穂首(毛の部分)の太さによって「大筆」「中筆」「小筆」という分けられ、筆管(ひっかん:軸)の太さによって号数が決められています。
初心者の方におススメの筆は
3~4号の中鋒・兼毛筆
兼毛は柔らかい毛と硬い毛を混ざ合わせているので、無理なく色んな線を練習できます。
柔らかいもの、穂首の長いものは、扱いが難しく、中・上級でなければ、理想の線は書けないかもしれません。
筆管は好みの太さで良いと思いますが、私は「だるま軸」と呼ばれる、穂の太さに対して持ちて部分の軸が細くできている筆が好みですが、子供たちは太めの筆菅が使いやすいようですね。
筆ばかりは「手の大きさ」「個人の好み」が大きくかかわってくるので、色んな筆を試していくと、そのうち「しっくりフィット」する筆に出会えることでしょう。
ただ、前に記事にもしましたが、書道の道具にお金をかけ出してはキリがありません。
筆は消耗品です。
まずは1000円前後ぐらいから探してみてはいかがでしょうか?
私の筆は書道専門店で購入することもあれば、ホームセンター、Amazonで購入することもあります。
とにかく色々たくさん使って書いてみたい。
宝探しのようで楽しいです。
下記商品は実際にAmazonで購入してみました。
安いものは書道アートなどで荒々しい線を書いても、惜しみなく使えて良いですね。
まずは、どんどん書いてみて、自分の合うものを探してみましょう。
筆のおろし方は?
新しく買ってきた筆の穂先は糊でかためられていることがほとんどです。
そのような時は穂の腹の部分までおろしてから使います。
一気にほぐすのではなく、筆の軸先を持って、穂先→のど→腹の順に優しくもみほぐしていきます。
これは穂の腹部分まで下ろすのは一般的ですが、全部下ろしても問題ありません。
ただ、穂を使う部分が「長く」なるので、初心者の方には難易度の高い筆になるかもしれません。
仮名などに使う細筆は手ではなく、毛先を硯など硬い面にやさしくあてながら、穂の3分の1ぐらいまでおろすと良いです。
筆の洗い方は?
長年書道をされている方でも、意外と間違った筆の洗い方をしている人は多いです。
教室によっては、道具は洗わずに持ち帰ることもあるので、洗い方の指導までは行き届かないのかな、と。
筆は本当にデリケートです。
扱い方によって短命にもなり、長命にもなります。
【筆の洗い方】
太筆は、深さのある入れ物(洗面器のような)に水を溜め、穂先を下にして水中で揺らしながら洗います。
この時に左右にバシャバシャ揺らすのではなくて、上下にゆらゆらクラゲのように洗ってください。
これを繰り返して、墨の色がなくなったらOK。
あとは毛を手で揃え、優しく水をきります。
書き損じの半紙などにかるく水を吸わせてもよいでしょう。
NGな洗い方としては、水道で流しながら硯などに押し付けて洗うのはやめておきましょう。
筆が割れたり、毛が抜けやすくなる原因になります。
洗った後は、直射日光の当たらない所で吊るして乾かしましょう。
翌日なると、穂先に落ちきれなかった墨がたまってきますので、それも同様に洗ってください。
墨が溜まるたびに穂先を丁寧に洗うことで、完全乾いたときに穂先がフサフサになり、次に使いやすい状態となります。
細筆は基本は洗いません。
使用後に半紙に対し水平に筆を走らせ、丁寧にふき取るように墨を落としていきます。
墨がでなくなったら、穂先を守るためにキャップをして保存しましょう。
筆の買い替え時は?
筆は消耗品です。
書き続けていると、毛先が抜けたり、割れたりしてきます。
筆は劣化してくると、思うような線が書けなくなったり、余計な線がでてきたりします。
そんな時は買い替えを検討しましょう。
また劣化だけではなく、買い替え・買い足すタイミングとしては、 書道の腕が上がりもっと高度な表現が可能になった場合、それに見合った高品質の筆が必要になってくるでしょう。
書道とは長く付き合っていくためにも、適切なお手入れでなるべく筆の寿命を延ばし、できるだけお金をかけずに楽しみたいものですね。
それではこのへんで。