今回の漢字は「花」です。
漢字の成り立ちは、草の生えている形と、人が逆さまになった形で「変化する」こと。
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花
花押(かおう)
「花押」
あまり聞きなれない言葉です。
現代で日常的に使われていることはほとんどありません。
しかし、まだちゃんと日本には花押を使う文化は残っており、国会議員の大臣クラスは皆さん作られています。
また、日本の伝統的技芸の世界、僧侶、学界などでも広く使われていますが、どの業界でもトップクラスの方しかあまりつくらないようです。
花押は簡単に言えば、スポーツ選手や有名人「サイン」といったところです。
日本には署名の代わりにハンコを押す文化があります。
では、このハンコと花押は何が違うのか?
ハンコ(判子)
ハンコは、契約書や登記簿などの公式な文書に押す印章のことで、形は円形や四角形などで、登録された個人や会社の名前が刻まれています。ハンコを押すことで、法的に文書が有効になります。
花押(かおう)
花押は、個人の署名や識別印になる絵や文字です。個人の特徴や個性を表現するために使われます。
自分だけの「サイン」と言ったところです。
花押は、公的な文書ではなく、絵や手紙、自分の作品に使います。
ハンコは公的な印。
花押は私的な印。
ということです。
花押は中国と日本で使われており、日本では平安時代より続いています。
現代でも有名人が作っている花押は、当然、昔から、トップクラスの有名人がこぞって作っていました。
たとえば、戦国武将。
織田信長、徳川家康、武田信玄…挙げだしたらキリはありませんが、皆さん立派な花押をお持ちでした。
平安時代に始まった花押は草書を土台として形作られています。
そのため、ハッキリ言って、なんて書いてあるのか最初は読めません!
もはや貴族たちの遊び心満載と言った感じで、特に平安時代と、安土桃山時代は独創的な花押が多いです。
何ごとも始まりは「便利」と「楽しい」ですね。
はかりごとの戦国時代、武将からの書状が偽物か見分けるのにも、花押は役に立っていたようです。
ああ、一度でいいから、どなたか戦国武将にサラサラっとサインしてもらいたい…。
現代では、珍しい花押ですが、もちろん自分で作れます。
「私の花押はこれだ!」
と自分で認めるだけです。
どこでつかうのかは、公的な場所以外ではどこでもかまいません。
宅配の認印替わりのサインにも使えます。
私も草書をベースにして、作ってみようと思います。
花押の作り方はまた後日!
花と書
「花と書」
で言えば、「茶室」を思い起こす方が多いのではないでしょうか。
茶室に入ると、もう日常とは別空間。
畳やお香の香りと一級品の静けさが。
迎えるは、床の間を飾る自然そのものを活かし、活けられた花。
そして、掛け軸には墨の色豊かな禅語の書。
そして、茶会は開かれる。
イメージしただけでも、時が止まったように感じられます。
日本の伝統文化である、茶道、華道、香道、書道はお互いに関係性の強い文化です。
お茶室に関しては、現代においても風化することのない価値が実在している空間です。
そのお茶室で、最もめを惹く「花」と「書」。
言わずもがな相性は最強です。
奥ゆかしい心配りが伝わる意味がたくさん込められているお茶室は非常に魅力的です。
書道をやっているのなら、自分でこの空間を家にも作ってみましょう。
お茶室は自宅の中でも静かな場所。
お花は自由に活けて、自分の書を飾る。
そして気心知れた友人をもてなしお茶を飲む。
そんな素敵な演出ができたりしたら、書道をやっている人間が「日本」にハマる瞬間でもあります。
私たちの国はこんなにも素晴らしいと感じられるなんて、日本に産まれたことに感謝です。
せっかく書道をやっているのなら、どっぷり日本の文化を演出する日をつくれたら最高ですね。
それでは、このへんで。
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