「大人の学び直し書道」

 

今回の漢字は「王」です。

 

手足を広げた人が、天と地の間に立つ形からできたと言われています。

 

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書聖×王義之×りんしょ

「王義之(おうぎし)」。

大人になってから書道をはじめた人は、よく耳にする名前ではないでしょうか?

 

 

私は最初に聞いたとき、人の名前であるとも思っていませんでした。

 

 

300年以上前、東晋時代活躍した王義之は、書道の才能によって「書道の聖人」とも称され、後代の書道家たちに多大な影響を与えました。

 

その少し前に、篆・隷・草・行・楷の五書体が出揃った西晋時代に木竹絹に変わり紙が書写の主な材料として用いられるになりました。

 

王義之は才能だけではなく、生まれたタイミングもよかったのですね。

 

彼の代表作の一つ「蘭亭序」は、草書と行書の中間のような書体で「草行書」と呼ばれています。

 

その独自の流れるような優雅なスタイルは書道の世界に、草書・行書・楷書に新しい書風を吹きこみました。

 

 

 

王義之の書は、当時の能書家たちの中でも人気が高く、多くの書家に見て写し取る「臨模(りんも)」が盛んに行われていたそうです。

 

 

現代ではそれが「臨書(りんしょ)」として、私たちの書道の一つになっています。

 

 

臨書と言うのは、優れた古典作品を手本として技術や技法を学ぶことをいいます。

 

 

臨模は書写に近いですが、「臨書」は書家が書いた言葉や時代などを読み解き、伝統を受け継いで書にする。

 

 

学びながら芸術を創るものです。

 

 

自分の書道のアートをみつけることもいいですが、上手な絵画の「デッサンの基礎」がしっかりしているように、書道も独自の個性を追求する前に、古典で「基本」を学ぶことで、もっと幅のある作品が書けるようになります。

 

 

 

大人の学び直しこそ、書道の原点「古典の臨書」から学ぶ事をおススメします。

 

 

 

 

王道

臨書と言えばまさに書道での「王道」。

 

 

「王道」は書道に限らず、ビジネスや人生においてもとても大切です。

 

 

何か新しいことをはじめたときに、まずは王道と言われるものから手を付けることが多いですが、これは安心感と信頼があるから。

 

王道を試してみて、うまく行かないときは他のやり方を試してみる。

 

 

ほとんどの人が、まずは「王道」を試すと思います。

 

 

しかし、王道と呼ばれるものは結果は出るが、継続力、忍耐力がいるもの多い。

「そりゃ、結果出るよね」

 

という成功法。

 

 

王道は険しく厳しい道だから、結果がでると分かっていても、つい「即効性」のある手段を選んでしまいます。

 

すぐに結果が出せるものに、価値は低いものです。

それは誰でも手に入るから。

誰でもやれるから、希少性が薄くなる。

 

 

 

ダイエットであれば、食事制限と運動で良い結果がでるように、書道であれば、誘惑に負けずにお稽古を毎日継続すれば良い結果がでる。

 

 

やることはシンプルで簡単。

 

手を出しやすい反面、継続だけが難しい。

 

 

 

それは人はシンプルなことに飽きやすいから。

私たちはどうしても刺激がある方を求めてしまいます。

 

 

では、王道を継続するにはどうすればいいのでしょうか?

 

 

私のおすすめは、スマホと距離を置く時間をつくること。

 

スマホの存在自体が、私たちの継続力を低下させているのです。

 

通知の音のたびに、スマホに手を伸ばしたくなります。

 

スマホを見てしまうと、通知確認だけでは終わらず、あれやこれやのニュースや、ゲームも気になってきます。

 

 

 

ちょっと通知を確認しようとしただけで、1時間もスマホ触ってた。なんてよくある話です。

 

 

 

まずは、多すぎる刺激を排除することから。

 

増やすのではなく、減らす方から始めてみて下さい。

 

 

減らすことができてから、継続するための工夫を増やして行くのです。

 

 

私もなかなか継続すること苦手なのですが、まずはデジタルオフの日をつくり、スマホを触る時間を決めてからは、やりたいことが継続できています。

 

 

シンプルなことを続けるためには、環境もシンプルであることが大切です。