こんにちは。
スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野崇です。
以前、イップスのアンケートを実施しました。
どんなアンケートかというと、「自分が行ったイップスの解消法」。

約30名の選手にご協力いただき、彼らがイップスに陥ったときに自分がこんなことをやって解消できたというケースエピソードについて回答をいただきました。
以下、アンケートにご協力いただいた方々が実際に行ったイップス対策です。
ちょっと読みづらい表現もありますが、敢えてまとめずにそのまま掲載しています。
イップス経験者が実行した改善策>
遠投やステップ投球
イメージの感覚と実際のフォームを照らし合わせる。
投げ方を変えた。ショート・セカンドの併殺プレーをひたすら繰り返す。
人に投げることが怖かったのでネットスローを行なった。その後徐々に人と短い距離のキャッチボールを行なった。
強く投げることを心がけた。
外野からのバックホームなど思いっきり投球出来る場面はイップスは出なかったので、そこから慣らしていった。後はチームメートとのラポール形成。
引退してしばらく野球から離れると治った。
何度も練習を繰り返す。
野球をやめたこと。他のスポーツをしたこと。 投球動作について勉強したこと。
肩肘故障の繰り返しで改善できませんでした。
良いプレのイメージを持つ。悪いイメージを持たない。
思い切り投げる。
高校時代に治らぬまま引退。しかもイップスとは気づいてなかった。草野球でプレッシャーから解放されて治った。トップをしっかり作れば投げられると自分に言い聞かせるのも有効だった。
投球フォームの改善。
思いっきり投げるようにした。
まだ完全に治ったとはいえないが、体全体で投げることを意識して、楽しもうとしていると改善してきています。
肩の痛みがあって、その痛みをかばって投げるうちにイップスになったため、痛みの改善とともに良くなっていきました。あとは自信がなく暴投するイメージが強くついていたため、自分が1番上手いと言い聞かせて、成功体験をどんどん大きくポジティブなイメージとして溜め込むことでかなり改善しました!
現役の時は治らずポジション変更。引退し草野球を始めて5年程経ち、少しずつ成功体験を増やしていけたことで改善してきた。
お前が投げて負けたら俺達が悪い、監督がお前と心中だ。
身体を緩めることだったと思います。感覚的に、集中し、身体が緩んでいるときは力も入らずに投げることができたと思います。
気分転換。
子供の時よくキャッチボールした友達と軟球を使ってキャッチボールしてたら硬球でもちゃんと投げれるようになった。
高校に入学して、軟式から硬式にボールが変わり、また高校に入学してオーバースローからサイドスローに転向したら改善した
なぜ?を繰り返す。
まだ治ってません。
上記の対策を行う上での自分的ポイント>
ボールを切るように意識する。ボールはどこに行ってもいいから指にかかるように投げる。
足の角度がこうでとかではなく、感覚的に仕上げる。
考えない。どんな暴投を投げても動作を大きくしない。コンパクトに生きた球を指先で弾くように。
全力で投げる。
ワンバウンドでもいいと思うこと。
ラポール形成。チームメートがイップスを受け入れてもらえる環境が必要だと思う。僕は責められましたので。
プレッシャーの扱い方。
成功回数をとにかく増やす。
器質的問題も潜在的にあるでしょうが、まずはメンタルの問題、投げることに対する恐怖心がなくなるまで投げる練習をやめました。最終的には久しぶりにキャッチボールしたいなって思うくらいまで投げませんでした。結局、練習は嫌いでも野球は好きなので、野球をやりたいって気持ちになれたら、少しずつ技術的な部分を見直していきました。
単純にプレーを楽しむ。
すべての動作を大きくするように意識する。
わからない。まだ、完全に改善したとはいえない。ただ、楽しもうとして、気楽にやるといい兆候がみえてきている。
成功体験の積み重ねと、ポジティブイメージをできる限り蓄積させること。
試合でプレッシャーが少ないところから徐々に成功体験をしていくこと。イメージトレーニング。イップスについて知識を得る。バッターランナー関係なく捕球から送球までを一定のリズムで行う練習。
感覚でしたが、力が入らないことが大事だと思います。ただ、緩んだときは不安や緊張もなかったのですが、その時だけの効果だったと思います。
さっぱりしたイメージを持つ。
自分の身体に合ったフォームで投げること。中学時は肘を上げて上から投げることを意識させられたため、本来の自分の身体の使い方に合わないフォームで投げていた
自分の根本的な問題を受け入れる。
以上です。
いろんな対策の中がありましたが、いくつかの共通項も読み取れると思います。
イップスのような症状が生じる原因は非常にたくさんあるため、各項目についてのコメントは控えたいと思います。
いずれにせよ個人によってその対策の良し悪しは変わると言えます。
ただし一点だけ着目したいポイントがあります。
改善までに要した期間を尋ねると、実は40%が1年以上と回答していました。
(半年以上1年以内は8%、3ヶ月以上半年以内は12%)


特に学生野球における1年は、あまりにも長すぎる。。
これだけの期間を必要とされるということから想定されることは、イップスの症状・原因に対してまだ的確な対処、つまり「原因を解消するための手段」が不十分であることが想定されます。
きっかけとなったのが精神的なダメージやトラウマだったとしても、解消法は身体へのアプローチであるケースも多々ありますし、その逆もあります。
また、そもそもイップスという現象そのものが非常に曖昧。
イップスの定義も曖昧、どういう状態がイップスなのかの判断も主観的。
暴投を繰り返した選手に対して、チームの誰かが「お前イップスちゃうか」と言った瞬間からその選手はイップスとなってしまうケースも多いのではなかろうか。
我々は、そんな状況を少しでも改善すべく、検証を積み重ねてきました。
メンタルの専門家ではなく、身体と動きの専門家としての側面からのアプローチを徹底して追求してきました。
また、イップスの要因としてプレッシャーは必ず関与するため、プロ野球のピッチャーとして活躍してきた荻野忠寛氏の協力を仰ぎました。
(荻野氏は千葉ロッテマリーンズでクローザーも担っていました)

彼と二人三脚でイップスの改善策をひたすら構築し、これなら非常に多くの選手に当てはまるという手法を論理的に導き出しました。
冒頭で掲載したような数多くの手法や考え方は参考になります。
試す価値はあると思います。
ただ、すでにそれらを試してきてもあまり成果を感じていない方には全力でオススメします。
HPの説明文を読むだけでも、何かのきっかけになるかもしれません。
イップス防止×スローイングスキルトレーニングセミナー
https://jarta.jp/j-seminar/ippusu/

お読みいただき、ありがとうございました。

全てはパフォーマンスアップのために。
中野 崇
追伸
このセミナーではイメージトレーニングの技術が大きな役割を果たします。
以前書いた記事でも触れていますので、ご参照ください。
「イメージトレーニングを技術として使いこなす」
https://ameblo.jp/bodysync/entry-12332912678.html
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http://jarta.jp/dispatch/
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