こんにちは。
スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野崇です。
「腰を落とせ」
これ、日本のどんな競技でもたいがい使われます。
サッカー、バスケ、ラグビー、テニス、野球のゴロ捕球。
結論から言うと、これら西洋型のスポーツでは腰を落とすとうまくいきません。
もっと言うと、「日本人が」腰を落とそうとするとうまくいきません。
相撲や柔道はうまくいきます。*ただ最近の五輪柔道を見ていると場合によってはうまくいかないことも増えてきた。だから井上康生監督は他国の格闘技をトレーニングに導入したのかも。秀逸。。
なぜ、うまくいかないか。
なのになぜ、「腰を落とせ」が使われるのか。
西洋系のスポーツで腰を落とすとうまくいかない理由。
https://bbcrix.com/articles/70399
これは、競技の前提条件(競技特性)と物理学的な側面から明確に言えることです。
まず競技の前提条件ですが、例えばサッカーという競技を作ったのは誰か。
イングランド人など諸説ありますが、いずれにせよ彼らは高重心という特徴を持っています。
そして日常生活を含めて股関節を優位に操作するという特徴もあります。
トイレレベルから違います。
僕らがお尻の穴を真下に向けてウォシュレットの素晴らしさを体感している間も、彼らは骨盤をうまく前傾させて股関節を優位に使うことが必要なウォシュレットを使用して生活してます。
詳細はコチラ。「単に欧米式トレーニングをやってもダメな文化的な理由」
そんな生活スタイルがずっと続いている彼らが「作った」競技。
当然、そんな生活スタイルで使われる身体操作を使うとうまくできるようになっています。
だってスポーツは本来娯楽だから。
何も考えずとも、楽しく気持ちよく、そしてうまくできないと娯楽としてそもそも成立しません。
だからサッカーを始めとした西洋系スポーツは、初めから高重心であることが前提として成立しています。
じゃあ日本人は?
安定感とかどっしり感とか好きですよね?(肉体的にも精神的にも)
つまり低重心が好き。
何かあると低重心になりたがるし、低重心に価値があると感じる。
フラフラよりどっしり。
「失敗できない、丁寧に行こう」
こういう時、日本人選手はことごとく重心を下げる。
つまり腰を落とす。
もはや日本文化が腰を落とさせると言っても過言ではないかもしれません。。
現代の大半の日本スポーツの構図は、「低重心系」が「高重心スポーツ」をやるという構図。
すでにプレイヤーとしての前提条件、スタートの段階で立ち遅れている。
物理学的な観点に立つと、高重心であるということは、「高速で動きやすい」「方向転換が容易=速い」。
高重心系の人たちがデザインしたスポーツということは、高重心を維持するとうまくやれる。
逆に低重心はその場をどっしり動かないことには向いていますが、高速で動き出すとかフットワークとかには明らかに不向き。
たくさんのエネルギー(例えば筋力)を要求されます。
たくさんエネルギーが必要ということは、スピードが遅くなる、負担が大きくなると同義。
そういう状態になると「頑張ってる感」は味わえますが。。
高重心、低重心、サッカーなどの競技がどちらが有利かは火を見るより明らかです。
西洋でデザインされたトレーニング体系をそのまま日本人という特徴を持った選手に当てはめてもうまくいかない理由の一つはここにあります。
感情論ではなく、文化的、物理学的な理由から。
そもそもそういったトレーニングには「低重心系」が高重心系になれるためのシステムは含まれていません。
僕はイタリアのトレーナー協会であるAPFでイタリア人に指導していますが、彼らの動きを見ているとそのことを如実に感じます。
彼らは低重心そのものが苦手であり窮屈・不快と感じるのです。
いつでもすぐに楽々動けないと、嫌なのです。
僕はこのことを用いて日本人がどうとか日本人だからこそとかというナショナリズムに与するつもりは毛頭ありません。
全ては「前提条件次第」と言いたいのです。
もしブラジルで仕事するなら、ブラジル人の特徴を徹底的に分析して、「ブラジル人に適した」と言い出します。
前提条件を分析し、本当に適正があるかどうかを判断しながらトレーニングしなければ、努力が成果に結びつかないという悲劇を生みます。
というわけで、そんな話を土台にしての野球コラムが掲載されました。
内野手のゴロ捕球を例にとって「腰を落とすのは間違い」ということを主張する、日本スポーツの常識への真っ向勝負です。
こちらからぜひご覧ください。
https://bbcrix.com/articles/70399
お読みいただき、ありがとうございました。
全てはパフォーマンスアップのために。
中野 崇
追伸
この話をたくさんのスポーツ関係者の前でオモクソぶちまけたのがALE14というプレゼンイベント。
トイレの話を中心に展開する食事しながらのイベントとしてはギリギリの内容でした。
https://www.youtube.com/watch?v=fV0yAK3LLlU
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